「朽ちないサクラ」杉咲花が“人生1番の桜”を回想、萩原利久はしゃべりすぎを心配

映画「朽ちないサクラ」の完成披露上映会が本日6月3日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、キャストの杉咲花、萩原利久、豊原功補、安田顕、監督の原廣利、原作者の柚月裕子が登壇した。

柚月による同名小説をもとにした本作では、県警の広報職員である森口泉が親友・千佳の変死事件を独自に調査する中で、自責と葛藤を繰り返しながら警察内部の大きな闇に迫っていくさまが描かれる。杉咲が泉、萩原が泉のバディ的存在となる歳下の同期・磯川俊一を演じ、豊原が一連の事件を捜査する県警捜査一課の梶山浩介、安田が泉の上司であり元公安の富樫俊幸に扮した。

1万人以上の応募があったという本イベント。杉咲は「そんなにもたくさんの方々に楽しみにしていただけていると思うとうれしいです」と喜び、「桜がモチーフということで、（愛知の）蒲郡でロケをしたんですが、人生の中で1番美しい桜でした。あの迫力がそのまま映画に映し出されている。早くお届けしたいです」と期待を込めた。

杉咲と2度目の共演となる萩原は「撮影の合間にいろいろお話をさせてもらったんですが、僕、おしゃべりなので、終わったあと急にめちゃくちゃ1人でしゃべっていたんじゃないかと思って。うるさいやつだと思われていたら、どうしようと思いました（笑）」と回想する。杉咲は「全然そんなことないです！ 磯川って生きることの根源みたいなものを教えてくれる存在だと感じていて。ふわーっと舞い込んできてくれる利久くんが演じていたからこそ、私の肩の力が抜けていく感覚がありました。現場にいてくださる日は救われていました」と感謝。萩原は「よかったです」と安堵した様子を見せた。

杉咲、豊原、安田の共演シーンはかなり緊迫したものになっているそうで、豊原は「楽しかったと言ったら語弊になるけど、いいシーンが撮れたと思っています」と述懐。安田は「すごく緊迫した空気の中で、お芝居を生業にさせてもらっている幸せをお二人からいただきました」としみじみと伝える。また杉咲との共演を振り返り「奥ゆかしさがあって、かつお芝居に明瞭な答えを持っている方。一緒にお芝居ができて光栄です」と述べた。

そんな彼らが作った映画をひと足先に観た柚月は「演技、音楽、桜の美しさ、大きなスクリーンでないと味わえない感動があって、映画って素晴らしいと感じさせてくれる作品でした」と絶賛し、「作品を作るときにモデルさんはいないんです。でも映画を観た瞬間、まんま泉だ、磯川だと思いました。泉と磯川の青い、強い勇気と癖のある強者の2人の演技が噛み合ったとき、胸が熱くなりました」と言葉に力を込める。

なお、イベント中には「わたしを信じて。」という本作のコピーにちなみ、登壇者が「ここを信じてほしい」というテーマでトークを繰り広げた。杉咲は「10分前に到着します（笑）」と話し、豊原は「酒を飲んだあとに後輩に作る飯。バズレシピに勝てるんじゃないかと」と自信を見せる。萩原は「1回好きになったものはわりとずっと好きでい続ける気がします。NBAを観るのが好きで、ウォリアーズは裏切らないです！」と宣言。安田は「飼っている犬と向き合っているときの自分に嘘はないです！」と力説した。

最後に原は「正義がキーワードの作品。それぞれの正義とは？というのが重なり合ったときに、事件が進んでいく。そういった作品を俳優部とスタッフと一生懸命作りました。渾身の映画になったと思います」とアピールする。杉咲は「大切な人を傷付けてしまう泉のことを好きになれない方も、もしかしたらいるかもしれません。でも自分なりの方法で責任を取ろうとする姿を見つめていると、自分は他者とどう付き合っていきたいんだろうと問われている気がします。そんなふうに考える2時間があってもいいんじゃないか。皆さんがどんなふうに感じてくださるか、とても楽しみです」と語りかけ、イベントの幕を引いた。

「朽ちないサクラ」は6月21日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

(c)2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会