『五感であじわう日本の美術』三井記念美術館で 五感を活用し絵画や工芸品鑑賞を楽しむ
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《郭子儀祝賀図》円山応挙筆 江戸時代・安永4年(1775) 三井記念美術館蔵
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すべて見る東京・日本橋にある三井記念美術館では2024年7月2日(火)より『五感であじわう日本の美術』を開催する。同館が夏休みに合せて企画している「美術の遊びとこころ」シリーズの第8弾で、人間が持つ五感を活用しながら、絵画や工芸品を鑑賞する展覧会だ。
展覧会は「気持ちを想像してみる」「音を聴いてみる」「香りを嗅いでみる」「触った感触を想像してみる」「味を想像してみる」「温度を感じてみる」の6章で構成。
最初の「気持ちを想像してみる」では、満開の桜のもと、ふざけ戯れる男女と、その姿を冷めた目で見る面売りの老婆を描いた河鍋暁斎の《花見の図》(江戸時代、19世紀)や、女性の激しい恨みや怒りの表情を表現した重要文化財《能面 蛇》(室町地代、14-16世紀)などを紹介。登場人物がどのようなシチュエーションに置かれ、どんな心情なのかに思いを馳せることとなる。
さらに岩場の鶴を描いた沈南蘋の《花鳥動物図(松樹双鶴図)》(清時代、18世紀)では、打ち寄せる波の音や鶴の鳴き声を想像し、陶淵明の『桃花源記』を主題とした中島来章の《武陵桃源図》(江戸時代、19世紀)では、桃源郷に咲き乱れる桃の花の絵から、そこに漂う甘い香りを感じてみるという趣向。
また味覚の章では、安藤緑山の象牙でつくった茄子や柿、高瀬好山製の胴や関節まで動く伊勢海老の自在置物など、本物とみまがう近代の超絶技巧も展示される。尾形乾山などの陶の容器も紹介される本セクションでは、食事のシーンとともに、より具体的に「味」をイメージできるに違いない。
夏休みに合せて開催される同展は、若者にも東洋の古美術に親しんでもらおうという企画だが、夏休みとは無縁な大人や、古美術を見慣れたアートファンも、新たな発見や驚きを持って作品を楽しむことができるだろう。
<開催概要>
『美術の遊びとこころⅧ 五感であじわう日本の美術』
会期:2024年7月2日(火)〜9月1日(日)
会場:三井記念美術館
時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
料金:一般 1,200円、大高700円
公式サイト:
https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/next.html
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