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間宮祥太朗が永野芽郁の“希望”に 『半分、青い。』鈴愛の恋愛遍歴を振り返る

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リアルサウンド

 鈴愛(永野芽郁)と涼次(間宮祥太朗)は、出会って6日で結婚を約束する。『半分、青い。』(NHK総合)第15週「すがりたい!」では、100円ショップ・大納言の期間限定の助っ人アルバイトとしてやってきた涼次に仕事を教える鈴愛からスタートし、ラストでは岐阜の梟町の楡野家に挨拶に行くのだから、いかに2人がスピード婚であるかが分かるだろう。

参考:『半分、青い。』第91話では、涼次(間宮祥太朗)が布団の上で涙を流す

 鈴愛のこれまでの恋愛遍歴を振り返ると、高校時代に通学路で出会った“こばやん”こと新聞部の小林(森優作)、上京して初めて触れたいと本気で好きになった“マー君”こと正人(中村倫也)、そして同じ7月7日に生まれ幼なじみとして育ち、プロポーズまで受けたが結ばれることはなかった律(佐藤健)がいる。すっかり鈴愛の相談役となっているボクテ(志尊淳)とユーコ(清野菜名)は、鈴愛の“面食い”を見抜いていたようだが、なぜ彼女が涼次に惹かれていったのかは、マー君や律にはないポイントとも言える。

 もちろん、漫画家を諦め、28歳という年齢から鈴愛が結婚に焦っていたことも追い風になっている。鈴愛と涼次の出会いを思い出すと、大納言に自分の知らない「ソケット」を買いに来る、自己紹介からの深いお辞儀、昭和46年生まれの28歳で同い年、手帳に挟まっていた「僕は。」の詩、初めての漫画家・楡野スズメのファン、と互いに惹かれ合っていくポイントはいくつもあった。特に鈴愛にとっては、苦しい思いを過ごしてきた漫画家としての10年をファンとしていてくれた存在、「描いててよかった」と思わせるほどに“何もない”と思っていた自分を涼次が肯定してくれたことは、鈴愛にとっては明日に希望を見出すようなとても大きい出来事だ。

 運動会用のピストルの音を聞き、条件反射で店を飛び出すような、純粋で真っ直ぐな部分も鈴愛が涼次に惹かれたポイントだろう。それが最も象徴されているのが、雨の中を涼次と鈴愛が歌い踊るシーンだ。「傘を差しても左側に降る雨の音は聞こえなくて、右側だけ雨が降ってるみたい」というのは、『半分、青い。』第1話冒頭での鈴愛の台詞。雨は『半分、青い。』というタイトルにも通ずる、左耳を失聴している鈴愛の考え方を表す重要な要素の一つだが、それを涼次は「傘差したら片方だけど、ここにこうして空の下に立てば両方雨振ります。僕と一緒に雨に打たれませんか?」と新しい発想で越えていった。律の「傘に落ちる雨の音なんてそんなに素敵じゃないから、片方くらいでちょうどいいよ」とも違う、自分の知らない明日を知っている人。それが、鈴愛にとっての涼次だった。

 雨の中での涼次のプロポーズに、鈴愛は「ミートゥー」と答え、ユーコもボクテも、弟の草太(上村海成)も、涼次のルームメイトの元住吉祥平(斎藤工)も、皆が呆れるくらいのラブラブっぷりで、2人は結婚というゴールに向かっていく。「恋は盲目」とはよく言ったもので、涼次が元住吉の下で助監督という位置にいることや、“3叔母”こと涼次を溺愛する藤村三姉妹の存在、仕舞いには「僕は。」の詩が元住吉の映画『追憶のカタツムリ2』のナレーションだったことにも、鈴愛は「言い出せなくてビクビクしてた」ことが許せる、いっそもっと好きと語り出す。

 第15週のラストは、楡野家に挨拶に来た涼次が、かしこまった空気がツボに入ったと笑い出すところで終わる。第16週「抱きしめたい!」は、予告に映し出されている通りに、ついに鈴愛と涼次が結婚を終え夫婦となる。しかし、先述した通りに不穏な空気はすでに立ち込めており、鈴愛がいかにして様々な困難を越えていけるかが、これからの見どころになっていきそうだ。(渡辺彰浩)