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東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』 全キャスト&公演詳細発表

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『三人吉三廓初買』キャスト 撮影:設楽光徳

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2024年9月15日(日) から29日(日) にかけて東京芸術祭2024参加作品として、木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』(さんにんきちさくるわのはつがい)が上演される。

2006年に京都で活動を開始し、数々の古典作品を現代劇化してきた木ノ下歌舞伎(通称:キノカブ)。監修・補綴の木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)、演出・美術の杉原邦生により東京芸術劇場シアターイーストにて長期公演を行った東京芸術祭2023参加作品、木ノ下歌舞伎『勧進帳』は東京ほか全国6都市で好評を博した。今秋、このタッグの代表作のひとつで、歌舞伎作者のレジェンド・河竹黙阿弥による最高傑作に挑んだ『三人吉三廓初買』を引っさげ、満を持してプレイハウスに初進出を果たす。

木ノ下裕一 撮影:東直子
杉原邦生 撮影:細野晋司

キノカブ版『三人吉三』は2014年に初演。翌年、東京芸術劇場が若手演劇団体と提携して公演をおこなう“芸劇 eyes 公演”として東京芸術劇場シアターウエストに初登場し、読売演劇大賞2015年上半期作品賞部門のベスト5に選出された。数奇な運命に翻弄されながら疾走する、和尚、お坊、お嬢という“三人の吉三郎”の物語と、現行歌舞伎ではカットされている商人と花魁の恋をめぐる廓の物語がダイナミックに交錯する群像劇。黙阿弥の描いた複雑かつ多面的な登場人物たちは、過去の人びとやコミュニティだけでなく、今を生きるわたしたちの姿をも浮かび上がらせる。

9年ぶりの再演となる今回は、作品タイトルを演目の本外題である『三人吉三廓初買』に改めた。初演以来約160年ぶりの上演となった「地獄の場」を完全復活するなど、今や幻となった黙阿弥オリジナル版の全貌を見られるのは本公演のみとなっている。

物語の中心となるのは同じ「吉三郎」の名をもつ3人の若者。兄貴分の和尚吉三を演じるのは、今年2月にプレイハウスで上演した『インヘリタンス』での圧倒的なエネルギーによる熱演が記憶に新しい田中俊介。血気盛んなお坊吉三は、幼少期から活躍を続け、昨年は演出家デビューを飾るなど舞台での活動が注目される須賀健太。女装の盗賊・お嬢吉三は、音楽、俳優活動ともに精力的におこなう矢部昌暉が演じる。また、和尚吉三の父親・伝吉として川平慈英が登場する。

田中俊介
須賀健太
矢部昌暉

もうひとつのストーリーラインを動かすお坊吉三の妹・花魁一重に藤野涼子。一重に恋する商人・文里に、舞台に映像に存在感を示す眞島秀和。文里の女房・おしづに、舞台で目覚ましい活躍を続ける緒川たまきという顔ぶれが揃った。「吉三郎」の物語と「廓話」の物語の両方をつなぐキーマン・十三郎は小日向星一が演じ、十三郎とめぐりあうおとせをオーディションで抜擢された深沢萌華が演じる。また、木ノ下歌舞伎や杉原邦生演出作品を支えるおなじみの個性派、武谷公雄、高山のえみ、山口航太、武居卓、田中佑弥、緑川史絵が、豊富な舞台経験で物語の世界観を作り上げる。

藤野涼子
眞島秀和
緒川たまき

さらに、昨年『勧進帳』公演では、スウィング俳優が本役として出演する「スウィング公演」が高い評価を獲得。好評につき今回も実施される予定となっている。

■木ノ下裕一 コメント

日本文化の上澄みだけを掬い出して“美しい国”をアピールする昨今の風潮においては、歌舞伎もまたはその道具のひとつにすぎないのかもしれません。しかし、江戸情緒を謳い上げた歌舞伎作者と目されている河竹黙阿弥の会心の作『三人吉三』は、幕末という時代の転換期の光と闇を包み隠さず描き切ったショッキングな作品でした。
震災(安政の大地震)や疫病(コレラ)の大流行という受け止め難い現実に対して、死んだ者と生きる者へ万感の愛惜を込めて筆を握り、立ち向かった黙阿弥のパッションを現代に蘇らせたいと思っています。

【あらすじ】
江戸時代。刀鑑定家・安森源次兵衛の家は、何者かにお上の宝刀・庚申丸を盗まれて断絶となっていた。ある時、立身出世を目論む釜屋武兵衛は、巡り巡って木屋(刀剣商)文里のもとにあった庚申丸を金百両で手に入れる。しかし文里の使用人・十三郎は、その取引の帰り道、夜鷹(街娼)・おとせと出会い、受け取った百両を紛失。思いがけず百両を手にしたおとせだったが、十三郎を探す道すがら、女装の盗賊・お嬢吉三に百両を奪われてしまう。

様子を見ていた安森家浪人・お坊吉三は、お嬢吉三と百両を巡って争うが、そこに元坊主・和尚吉三が現れる。彼がその場で争いを収めたことで、3人は義兄弟の契りを結ぶ。

また、失意の十三郎は、川に身投げしようとしたところを、和尚吉三の父・伝吉に拾われていた。訪れた伝吉の家で、彼はおとせと再会し……。一方、吉原の座敷では、文里がお坊吉三の妹で花魁・一重に想いを寄せていた。人柄で評判の文里だったが、彼には妻子があった。文里の求愛を一重が拒みつづけていたある日、文里は、ある決意を座敷で語りはじめる。

<公演情報>
東京芸術祭 2024 芸劇オータムセレクション
東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』

2024年9月15日(日)~29日(日)
会場:東京・東京芸術劇場 プレイハウス
上演時間:約5時間予定(休憩2回あり)

作:河竹黙阿弥
監修・補綴:木ノ下裕一
演出:杉原邦生[KUNIO]

【出演】
田中俊介 須賀健太 矢部昌暉/藤野涼子 小日向星一 深沢萌華
武谷公雄 高山のえみ 山口航太 武居卓 田中佑弥 緑川史絵
川平慈英/緒川たまき 眞島秀和

スウィング:佐藤俊彦 藤松祥子

【チケット】(全席指定・税込)
■一般
S席:9,500円
A席:8,000円
サイドシート:5,500円
吉三割:25,500円

■早割 ※9月15日(日)・16日(月・祝) 公演限定
S席:8,500円
A席:7,000円

■スウィング俳優出演回 ※9月26日(木) 公演限定
S席:8,500円
A席:7,000円

65歳以上(S席):9,000円
29歳以下(A席):7,500円
高校生以下:1,000円
幕見席:2,500 円

一般発売:2024年7月20日(土) 10:00
https://pia.jp/t/geigeki/

【ツアー公演(10月)】
長野(松本)公演:まつもと市民芸術館 主ホール
三重公演:三重県文化会館 中ホール
兵庫公演:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

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