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黒沢清監督のセルフリメイク作『蛇の道』メイキング映像公開 哀川翔、役所広司、前田敦子らのコメントが到着

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映画『蛇の道』より (C)2024 CINÉFRANCE STUDIOS – KADOKAWA CORPORATION – TARANTULA

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映画『蛇の道』のメイキング映像が公開された。

『岸辺の旅』や『スパイの妻』などで知られる黒沢清監督が、日仏共同製作としてセルフリメイクした本作。愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)は、パリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得ながら犯人探しに没頭し、復讐心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らから重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってきて……。

公開された映像では、静かに復讐に燃える小夜子がアパートで日々の生活をどのように過ごしているのか、黒沢監督が小夜子のキャラクターに合わせた動きを、柴咲に繊細かつ明確に指示を出している場面を垣間見ることができる。

黒沢監督の現場はいつもスピーディに撮影が進んでいくが、それは全編フランスで撮影された本作でも変わらない。俳優にそのシーンの動きだけを説明し、細かい心情や芝居に関する演出をしないのもいつも通りだという。

黒沢監督は、マルシェで購入したであろうレジ袋の中身を見ながら「(復讐が)始まるまでは、もう少し食べていたのかもしれませんが、始まってからはもう……果物くらいは食べているかも。野菜とか肉を出して調理するという感じではない」と説明する。復讐に燃える人間が豊かな食生活を営むわけはなく、心身ともに鋭利な刃物のように、研ぎ澄まされた生活を送る小夜子像を柴咲に丁寧に説明していく様子が収められている。

柴咲は黒沢監督について「言葉では言い表せられない、人間の複雑さ、曖昧さを表現されるのに長けた、本当に素晴らしい監督だと思う」と語り、監督の指示に対して頷きながら確認し納得した表情を見せる。日本語とフランス語が飛び交う現場でも、監督を中心とした「黒沢組」が集中して作品作りに取り組む様子を見ることができる。

また、オリジナル版の主演を務めた哀川翔をはじめ、黒沢作品常連の役所広司、『旅のおわり世界のはじまり』に出演した前田敦子、映画・ドラマ評論で知られる芸人の大島育宙など、本作を鑑賞した著名人からのコメントが到着した。

映画『蛇の道』メイキング映像

<作品情報>
『蛇の道』

公開中

公式サイト:
https://movies.kadokawa.co.jp/hebinomichi/

(C)2024 CINÉFRANCE STUDIOS – KADOKAWA CORPORATION – TARANTULA

映画『蛇の道』についての著名人コメント

■役所広司(俳優)
黒沢監督の映画は、我々を惑わし、引き付けて離さない魔力がある。
2時間呼吸を忘れ、この後何が起こるのか目が離せない。
画面に映ってないものへの恐怖がジワジワと押し寄せて来る。
フランス語でフランスの名優たちと渡り合う柴咲さんの逞しい姿は、とても美しい。

■哀川翔(オリジナル版『蛇の道』主演)
これぞ、黒沢映画。小夜子の淡々と突き進む冷静な日常、復讐の矛先が何処に行くのか、最後まで目を離せませんでした。

■前田敦子(俳優)
黒沢監督の生み出す世界はやはり唯一無二。
フランス語、眼差しと立ち姿、柴咲コウさんの全てから目が離せなくなる存在感。
物凄く静かに熱を帯びたなにかが心に迫ってきます。

■大島育宙(芸人/映画・ドラマ評論)
セルフリメイクの結果、
黒沢清濃度が明らかに倍増した!
半透明のカーテン、無機質な廃墟、車、テレビ画面……
あらゆるお馴染みの記号が鋭く必然的に配列される。

柴咲コウが東京とテレビ電話を繋ぎながら
PC画面の前から去った時、
やはり画面を1番恐ろしいと思っているのは
黒沢清その人なんだな、と胸がいっぱいになった

■ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)
終始不穏で気味が悪い! しかし事の真相はさらに気味が悪い。暴走する復讐心の行き着いた先は底の見えない人間の闇だった。善意の裏に隠された真意が、蛇のような目で私たちを見つめる。

■人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
冷たく無機質な映像に体温を奪われる。だが最も冷徹で恐ろしいのは、柴咲コウの目。あの恐ろしさは筆舌に尽くしがたい。蛇に睨まれた餌の気分ってこんな感じなんだろうな。今でも彼女の表情が頭の中から消えない。