『お隣さんはヒトラー?』ホロコースト映画へのアンサーのような深いコメディ
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イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
1960年、南米で一人暮らしをするポルスキーは、庭の黒バラを育てるのを生き甲斐にしていた。ある日、隣に謎の老人ヘルツォークが越してくる。隣の犬がバラを荒らしたことを抗議しに行ったポルスキーは、ヘルツォークの目を見てヒトラーと確信するが……。
イスラエル情報局に通報するためにヒトラーの特徴である目の色やタバコ嫌い、左きき、絵の特徴など詳しく調べ、さらにチェスをしたり絵を描いてもらったりして一つひとつチェックしていくのが可笑しい。でも接触した後は必ずシャワーを浴びて体を清める。
映画冒頭の1934年の幸せそうなユダヤ人一家は、彼の家族であり、腕の番号の刺青から強制収容所で家族を失い、彼だけが生き残ったことが、その理由だ。また、チェスに詳しいのは選手権大会の選手だったとか、細かい伏線回収がよく出来ている。
ちなみに黒バラの花言葉は、憎しみと永遠の愛。ある意味ホロコースト映画のアンサー映画のように思えた。意外にも深いコメディである。
<作品情報>
『お隣さんはヒトラー?』
7月26日(金) 公開
監督:レオン・プルドフスキー
脚本:レオン・プルドフスキー、ドミトリー・マリンスキー
出演:デヴィッド・ヘイマン、ウド・キア、オリヴィア・シルハヴィ ほか
公式サイト:
https://hitler-movie.com/
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