DOBERMAN INFINITYのこれまでの10年、これからの10年「遊び心だけは忘れずにいたい」
音楽
インタビュー
DOBERMAN INFINITY (撮影/遥南碧)
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すべて見る10周年を迎えたDOBERMAN INFINITYが6月26日、10周年記念シングル「1st SONG」をリリースする。 4月より3ヶ月配信した『踊れピエロ』、『ラストフォーエバー』、『1st SONG』が収録されるが、それぞれの楽曲にはDOBERMAN INFINITYが今だからこそ伝えたいメッセージが詰め込まれている。 記念すべき10年を彩る楽曲、そしてファンへの感謝を伝えるリバイバルライブについて語っていただいた。
心の底から楽しめない日常の中でも楽しんでいこう
――3ヶ月連続配信の真っ最中ですが、まずは『踊れピエロ』についてからお聞かせいただけますか?
GS 『踊れピエロ』は10周年記念シングルの先行配信第1弾になるので、まずは勢いがある曲を作ろう、というところからその中でも単純に楽しさという表現ではなく、自分たちなりのメッセージをしっかり込めようということで、いろいろとテーマを探りました。
「やっぱり、世の中って楽しいだけじゃないよね」ということが、自分たちがリアルに感じている部分で、思い通りにいかない日常は誰しもにあります。でも、思い通りにいかない日常の中でも何とかして超えていかないといけないのが結構リアルなのかな、と。そういった自分の中で吹っ切れない気持ちや、本当に心の底から楽しめない日常の中でも楽しんでいこうよ、ということを表現したかったのがこの曲になります。
タイトルにも「ピエロ」というワードを出しているんですけど、ピエロって客観的に見ると楽しさを表現してくれている存在ですよね。でも、仮面の下では実は涙があるかもしれない、ということが想像できる部分でもあったので、自分たち自身がピエロであり、仮面の下では涙を流すような場面があったとしても、常に楽しくその場を乗り切ることによって、辛い日常も楽しく過ごしていただけるんじゃないか、という思いが込められています。
――みなさんそれぞれがリリックを書かれているということで、その点についてもお話を伺えますか。
SWAY 今、GSさんが説明してくださった感じで、隣の芝は青く見えるというか。ほかの国や他の町のいいところばっかりを見てしまって、今の自分と比べることはよくあるのかな、と思うんですよね。
今ってSNSでいろんなオイシイものだけがたくさん見えるんですけど、そういう部分でいいな、と思ってどこか自分がかわいそうに見えて、愚痴ってしまうこともあると思うんですけど、愚痴るよりは、シワは幸せの数といいますけども(笑)、シワの数、数えた方がいいんじゃない? と。でもシワはいらないよね。
--確かに、シワはいらないですね(笑)
SWAY でも、実は自分と向き合えてないんじゃないか、とこの曲と向き合っているときに思ってしまいましたね。他の人と自分を比べて、自分を下げがちなんだけども、自分自身のことを一体どれぐらい愛せてるんだろうか、ということが、大きなテーマなのかなと。
いいことだけだったら多分すごくつまらない人生だと思うんですよ。乗り越える壁があるから達成感もあると思うので。
今の自分のいいものも悪いものも含めて愛せると、もっと人生楽しくなるのかな、という歌詞を書きましたね。
――ご自身でも周りと比べることというのはあるんですね。
SWAY SNSもそうですけど情報が多いんですよね。どこか着飾ってしまう部分もあると思うんですけど、本当に大事なものって実は心の中にあるんじゃないのかな、と思います。
GS 僕は一言で言うと「みんな同じなんだよ」ということが表現したかったんです。
やっぱり逆らえないものというのは、世の中にはいっぱいある。どんなに偉くなっても、どんな立場でも、どんな存在でもそれはみんな同じだな、というところがあったので、結局みんな同じ人間であり、数も大きさも違うとは思うんですけども、同じように悩みを抱えていることを伝えたかったんですよね。
P-CHO 生きていく中で言いたいことが本当に言えないところも、この曲のひとつのテーマでもありました。言いたいことを本音でぶつけ合うのって、SNSで書いたりすることはできるけど、面と向かって人に言えているのかと言ったら、意外とそうでもない。我慢することが多い世界の中で、理不尽なこともあったりします。でも、そんな世界だけど自分が選んだ道では、楽しく笑っていたい、自分が選んだからこそステージ上だけでは楽しくはっちゃけていたいという思いでつづったバースです。リスナーの人にもこの世の中には気に入らないことがたくさんあると思うかもしれないんですけど、それが自分が選んだ道や、自分が選んだステージなのであれば、そこだけでは楽しんで、自分が選んだゴールを目指して突っ走ってくれたら、という思いを込めました。僕も同じ思いなので、そういう気持ちが伝わればいいなと思います。
KAZUKI 聴いている人がスカッとしてくれたらいいな、と思っていて。自分自身もこのビートに対してそういう曲が聴きたいな、というイメージがあったんです。
自分は現代の社会人というわけではないので分からないんですけど、想像の中で、誰かの顔色を伺いながら、首を縦に振りたくないけど、頷くことしかできなかった1日の主人公にして書いてみました。顔色を窺って本音を言えずに頷いてきたそんな日は、まっすぐ帰るより一緒に飲んでパッとやろうぜ、みたいな感覚ですね。
上司にも全然気を遣えないぐらい飲んじゃおうか、みたいな。
――「あんたの顔色伺うどころじゃないかな」という歌詞はパワーワードですよね。
KAZUKI 実際は伺うんですけど(笑)。今のテンション的にはそれぐらいいこうぜ、っていう。
SWAY あるよね(笑)。
KAZUKI そうそうそう。二日酔いのほうがなんかイケるじゃないですか。
SWAY そのときのほうが調子いいときはある。
KAZUKI あるある(笑)。
SWAY ちょっと強くなれちゃうから(笑)。
KAZUKI それどころじゃねぇぞ、っていうね。
KUBO-C 僕は人生楽しみましょう、ということと、今の世の中、確かに全部が思い通りにいかないことが多い中で、その中でも僕は阿呆なふりして言うこと聞いてますよ、みたいなことが『踊れピエロ』にも繋がっているように思って。
でも、この生きにくい世の中でも俺は楽しんでるよ、っていう。楽しんで過ごしていても、ミスったとしても、別に何度でも人生やり直しきくから、恐れずに行けばいいんじゃないかな、ということを歌詞に詰め込んでいます。いうことを聞いてるけど、実はそれを裏返すと俺が実は手のひらで踊らしてるんだよっていうのが、「これ俺からの挑戦状」っていう意味になっていますね。
「最後の夏だから楽しもう!」という思いの伝え方に悩んだ
――つづいて、『ラストフォーエバー』は「これが最後の夏」で始まる少し切なさを感じる楽曲になっていますね。
P-CHO もともと、オケが当初使うはずだったトラックのイントロ部分なんですけども、その部分をKAZUKIが気に入って、イントロの部分を「これループしませんか?」という話から始まったんです。スタジオでそのイントロ部分をループして、「これを土台に作ろう」と。
そこでKAZUKIがそのループしたものに、わーっと歌って。宇宙語って僕ら呼んでるんですけど、レコーディングしながら、その中で「これが最後の夏」って出たんです。それがいい言葉だね、という流れからこの楽曲が生まれました。
――ワードはパッと思いついたんですか?
KAZUKI いつもやっているんですけど、宇宙語の中で「最後の夏」ってなんか聞こえるし、このトラックに合うんじゃない? という感じで、そこからインスピレーションを受けて。
――テーマもそこから決まった感じですね。
KAZUKI ですね。何となく出したものが決まりました(笑)。
――そのあとはどうやって作っていかれたんですか?
SWAY これは最初から最後まで全員で書きましたね。一緒にスタジオで。
P-CHO 作詞日みたいなのを設けて、プリプロ前にみんなでライティングして。
――そういうときのすり合わせって5人でどういうふうに組み立てていくんですか?
KUBO-C やっぱりホワイトボード。
SWAY ホワイトボード重要ですね(笑)。
P-CHO この曲に関してはものさしを作ったよね。
KUBO-C そうそう。
--ものさし?
P-CHO 限定するものはできるだけ避けるようにしました。いろんな意味で、リスナーの人にあてはまればいいな、という思いもあったというか。
例えば、男女間の歌詞に捉えられすぎてもダメだし、とか、仲間だけにとらわれすぎてもダメだし、その言葉の精査をみんなでしながら書いた気がします。
ライティングしていく中で、ちょっと恋人すぎるとか、仲間すぎるとか偏るときはあるんですよね。そういったところをできるだけ減らしながら、そればっかりにしないでおこう、ということをものさしにしてライティングしてました。
――確かに、聴く人すべてが恋人の曲を聴きたいかというとそういうわけじゃないですもんね。
SWAY いつ誰が聴いても、自分にハマれたら、自分に当てはめられたいな、という思いで、特定せずに書いたというのはこだわりですね。
――制作にはどれぐらいの時間を?
GS スタートから考えたら1週間ぐらい。やっぱり精査していく作業があるんですよね。
P-CHO 一回戻ることもあったしね。
GS 途中までできてもう1回頭からやり直す、ということは結構あるんですけど、この楽曲はその部類で。何度か軌道修正をしたので、わりと時間がかかった印象ですね。
--それだけこだわられた、ということなんですね。
GS やっぱり自分たちがグッとくるというか。自分たちがしっかり受け入れられるもの、ということが5人で作詞するときの絶対条件なんです。その言葉は分かるわ、いいわって5人がならないと次に進まないので、そういった意味ではやっぱり歌詞のこだわりは強い曲だというところはあるかもしれません。
P-CHO SWAYが着地にいいテーマを出してくれたよね。片付けられていく皿を見るときって寂しさって感じません?
――確かに、食べ終わったあとの寂しさというか。
P-CHO ライティングをするときに自分たちの体験談も大事にするんです。
1日の始まりに、今日が最後だし、楽しもうというよりは、1日の最後に「最後」を感じません?みたいな。
それで「次々に下げられる皿に思い出を残し」というところが着地として決まってたんですよ。
SWAY 食べているときって寂しさは絶対ないじゃないですか。楽しくて。全部平らげたときに、「あれ、もう今日が本当に終わっちゃうかも」って。そこが一番悲しいな。旅行もそうですけど。
P-CHO 旅行も明日帰るんだ、ってね。
GS この瞬間が常に最後の瞬間、最後の時間になるかもしれないという事を理解した上で、この夏を楽しもう、この瞬間を楽しもう、ということを届けたい、というところがこの曲の一番奥にあった部分なんですよね。
この曲を聴いて「今年の夏はもう絶対に後悔しないように遊ぶぞ」という気持ちで夏を迎えてもらえたらな、という気持ちもありました。
――そう聞くと、少しハッピーになりますね。
GS そうそう。もともとこの曲って最後の夏と寂しさを歌おうということじゃなくて「最後の夏やから楽しもう!」ということを歌おう、ということがテーマとしてあったんですよ。だけど、その「楽しもう」を伝えるのが難しくて。逆に寂しさを表現することによって楽しむことの大事さを伝えたかった、というところがこの曲の深い部分ですね。
「解散は匂わしてません!(笑)」
--そして『ラストフォーエバー』のあとに『1st SONG』とくると何か繋がりがあるのかな、と考えてしまうのですが……。
SWAY 違うんですよ、『ラストフォーエバー』ができあがっていざ聴いてみたら、このグループって解散するのかな?って(笑)。
一同 ははは!
SWAY 10周年ですって言って、3ヶ月連続リリースで新曲を聴いてみたら、「これが最後の夏」って……「あれ、ドーベル大丈夫そ?」みたいな。これで終わりって言ってしまってるけど、解散匂わしてない?って。匂わせてないのに(笑)。
――むしろ、「楽しもう」がテーマなのに(笑)。
SWAY だから、次の曲を作ろうとなったときに『1st SONG』はどうですか、って。解散じゃないよ!っていう。
――「解散しないよ!」というメッセージが(笑)。
SWAY そうです、そうです。未来を歌いましょうっていう感じだよね。
――1曲に込められたメッセージ量がすごいですよね。
KUBO-C 16小節のラブソングを5人分並べるとこうなりました。
SWAY こんな手紙もらったらちょっと嫌ですよね。何書いてんだろ、って。
P-CHO まとめろ、ってね(笑)。
――こちらにはどういったこだわりがあるんでしょう?
SWAY 初心っていう意味でしたかね。今まで10年間、いろんな曲を作ってきましたけど毎回毎回作る曲は初めて作る曲の感覚であるというか、そういう意味も込めての『1st SONG』っていうテーマ出しでしたけど、各自そんなに厳しく、何かこれ書こうっていう設定の縛りがなかったんで、割と『1st SONG』にちなんで、それぞれ5人が持ち寄って書きました。
――『ラストフォーエバー』のあとに『1st SONG』の歌詞を拝見すると、希望が詰まっていて。
SWAY そうですね、希望しかない。解散を匂わせたかと焦っちゃって(笑)。
P-CHO ちゃんと言っておかないと(笑)。
――この3曲を収録したCDがリリースになるわけですが、推しポイントはどういったところになりますか?
P-CHO もう全曲推しですよね。
SWAY うん、どれをタイトルにしますか、って聞かれたから、『1st SONG』にしただけで、全曲推しですね。
――話し合いをされるときって、10年やられてきてわりと和やかに進んでいくんでしょうか。
P-CHO 曲によるかも知れないですね。それこそ『ラストフォーエバー』のようにみんなでライティングするときは、やっぱりディスカッションの数は増えますし。
『1st SONG』に関しては、テーマは本当に制限が少なく、それぞれの思いも強いからやっぱりその気持ちをみんなが乗るっていう意味では、みんなの思いを尊重すべき曲です。
そういった意味では書き方によりけりですかね。
リバイバルライブはすべてのファンの人が楽しめるものにしたい
――10周年ということで、この10年、グループを振り返ってみていかがですか?
SWAY あっというまでしたよね。
この間、ファンクラブイベントをやらせていただいたんですけど、ファンの方と借り物競争をしたんですよ。
――借り物競争……!?
SWAY 10年間のグッズの中で、懐かしいと思うものを持ってきてくださいって言って借り物競争を。
グッズで振り返る10年間もあったし、「THE REVIVAL」という10年間を振り返るライブをやるんでセットリストを考えてるときに、こんなに曲ありましたか!?っていうのはありますよね。
P-CHO こんな曲あったっけっていうのもありましたね。
――「THE REVIVAL」についてもお聞きしたいんですが、こういう10年を振り返るライブがあるのはファンのみなさんも嬉しいですよね。どのような経緯で開催に至ったのでしょう?
SWAY 最初のアイディアはスタッフさんが持ってきてくれましたね。おもしろいけどファンの方でもファン歴はいろいろなので、なるべく裏切らないようにしたいな、と。すごく濃い方はね、アルバム曲も嬉しいかもしれないけど、こないだのファンクラブイベントのときは11歳の子も来ていたので。そうなると、僕らがデビューしたとき1歳ですよ? 11歳の子も楽しめるライブにしたいんです。
KUBO-C 10年でしかできないライブでね。5年とか7年でやるような感じじゃなくて10年っていうのはちょっと大きい節目だからっていうのもあるし。
――それぞれの公演で演出が違ったりするんですか?
SWAY 全公演ではないんですけど、前半後半で分けましたね。
GS DOBERMAN INFINITY結成当初の楽曲って結構ロック調っぽいサウンドも多いんですよ。だからノリの良さで言ったら前半のライブの方が楽しいんだろうなと思います。
ただ後半はシングル曲だったりタイアップ曲が増えてきて、一般的に結構有名な曲が多い。なので、今、振り分けてる感じでは、後半はミッド系のテンポの歌が多かったりします。
見てもらう方のことも考えてる部分もあるんですけど、僕らなりにもやっぱり違うものを表現したいという気持ちが強いので、両方見ておけばよかったって言わせられるようなライブを作りたいですね。
そういった意味では、自分たちももう一度歌詞を呼び起こさないといけない曲がいっぱいありすぎて。まずは曲を入れてみて、多分セットリストも若干変わるだろうし、その中で細かい演出内容も出てくると思うので、改めて自分たちもこの10年を振り返りながら、その振り返ったイメージをライブに落とし込んでいく時間がこれから始まります。今全貌をお伝えすることができないんですけど、僕ら的にもちょっと感極まる部分だったり、少し熱くなる部分は、今後リハーサルを重ねていく中で出てくるライブだと思います。そういった意味では感情が入り乱れるようなライブになるんじゃないかなとは思いますね。
――セットリストや演出を考えるのも楽しそうですね。
GS そうですね。曲を作るのと同じぐらい、みんなでディスカッションしながら作っていくので創作作業としては結構楽しい部分ではありますね。
――このツアーが終わるころには新たに思い出してることもたくさんありそうな。
GS それがまた次の制作にも生きますしリバイバルでこういう表現をしたから次はこういうふうにしようだとか、どんどんクリエイティブが上塗りされていくと思います。僕たちも新しい曲もどんどんできていきますし、DOBERMAN INFINITYの表現の仕方がもっとバリエーション増えたりしていくと思うので、僕らも未知な部分がたくさんありつつ、そういう意味では楽しみがたくさんある年内ですね。
5人それぞれの10年
――ライブではグループとしての10年を振り返ることになると思うのですが、みなさんそれぞれとしてはこの10年で変わったことはありますか?
GS 俺は結婚と子どもが生まれたことかな。
――確かにそれは大きいですね。
GS 父親になったことは大きいですね。やっぱり感覚が変わりました。
単身だったら、あまり周りのことを考えずに、自分のことだけを考えた人生を生きられるんですけど、誰かの人生を背負うとなると、いい意味で丸くなってきました。ドシッと構えられるようになってきたかな。
行けるところまで駆け上がっていってやろうという思いが10あったのが前半で、後半は結婚だったり子どもが生まれたり、それこそコロナ禍だったり。このメンバーで長い時間をともに過ごした中で、この5人で1日も長く音楽続けていけることを目指すべきものなのかなって。大きい小さいは多少なりともあるんですけど、続けられることが本当に素敵なことではありますよね。年齢もみんな高くなってきたので、やっぱりまたひとつひとつ感覚が変わって、伝えたいメッセージや出てくる感覚も、この10年の中で変化したのかな、と思いますね。
SWAY 変わったことかあ……なんだろうな。
昔よりやりやすくなりましたね、時代が。昔って、売れる売れないだけで言うと、売れるんだったらこうしなきゃいけない、みたいなことがありましたけど、今っていろんなプラットフォームがあるじゃないですか。TikTokでインスタだの、YouTubeだのテレビだのって各方面でバズっている人たちがいて、それぞれをどれだけ好きになるか、みたいな。だから自分らしくいていいんだ、というのが最近の世の中だな、と。
今、僕らは10年、ありがたいことにステージに立っていて、自分らしさというものと向き合って見れてこれたので、今は生きやすい時代だな、って思いますけどね。
前の方が売れるために自分を変えないと、ということがあったのかもしれません。
――なるほど、自分らしさを持ったままでいられる。
SWAY それでいいんだな、というのが今はあるかな。
――確かに昔は売れるための型のようなものがありましたよね。
SWAY 「こうなりたいなら、こうしなきゃいけない」みたいな型がね。
今はより自分が濃い人がバズってるから。でも競争率が高くなった、というところもあるので、逆に難しいですけどね。
あと時代の流れも早いので、先週バズってた人が今週はもういないこともあるし。曲もそうですけど。曲の作り方も変わりましたよね。だんだんインスタント化してきたっていうのはありますよね。
KAZUKI 俺は……うーん。なんやろな。
――逆に何も変わらない、というのでもすごいですよね。
KAZUKI 確かに変わらないかもしれないですね。
SWAY 大きくは変わらないよね。
俺もそれで言うとあんまり変わってない。
KAZUKI 信念みたいなのはやっぱり変わってないですかね。健気ではなくなってたなっていうのはありますけど。
GS 汚れていったってこと?(笑)
KUBO-C 健気なの見たことないけど。
出会ったとき一番けがれとったで。こんな言い方したら終わっとったで。
KAZUKI それはいいすぎ!(笑)
GS 年輪重ねまくってた感じだったもんね。
KAZUKI やっぱり食生活とかじゃないですか。食生活が変わりました。
SWAY その話、いる?(笑)
KAZUKI ファストフードをたまにしか食べなくなりました。前に牛丼屋にばっかりいたんですよ。1回ひとりで松屋いたときに写真撮られて。
SWAY 俺が撮ったんだよね。あれKAZUKIじゃね?と思って。スーツ姿の会社員の人と並んで、食べてるのを遠くから撮った。
KAZUKI っていうのがなくなりましたね(笑)。健康的な食事をとるようになりました。
――健康的な食事、大事ですね(笑)
SWAY KUBOさんは変わってない。微動だにしてない。
KUBO-C あんまり変わってないっすね。
SWAY コロナ禍で一瞬変わりかけたけど、あけてからしっかり戻ってきましたよね。
――最後に、P-CHOさんはいかがですか?
P-CHO 気持ち的に言ったら、爆発的なものより継続的なものが大事だったな、って思いますね。
あとはリリック書く姿勢は変わったかもしれないですね。メンバーで決めるテーマではあるんですけども、それぞれで持ち寄るバースに関しては、少しでもパーソナルが入ればいいなっていう感覚は昔より強くなりました。
やっぱり書く年数がもう長い分、等身大をできるだけ見せられるか、ということは、曲によりますけど、自分の気持ちを歌うときはできるだけ経験だとかを大切にしようという思いは強くなりました。
気持ちは「永遠の20歳」
――10周年、盛りだくさんかと思いますが、これからの10年についてはどういった構想を持っていらっしゃるか、お話いただける範囲でお聞きしたいです。
SWAY 10年後ってざっくり言うと多分年の問題も出てくるので、どれぐらい現実的なのかわからないですけど……。僕の場合は10年経って、未だに音楽熱がどんどん増しているので、その気持ちはずっと忘れずにいたいなとは思います。
でもそれって自分で意識してても燃やし続けられるかというとそうじゃないと思うんで。だからといって嫌いになることは絶対にないですね。多分プレイヤーでいてもいなくても音楽を聴くことだったり、音楽自体は大好きなんで。
あとは個人的には遊び心だけは忘れずにいたいですね。それがドーベルの活動の原点だと思うんで。遊び心に音楽があるから、多分楽しいものを発信できていると思います。
40代をこれからまたみんな迎えても、平均のままではいたくないすかね。よく言いますが、永遠の18歳で。
KUBO-C 俺は17歳でいってるけどね。
KAZUKI 俺、永遠の40歳ですから。
P-CHO 渋めでいってる(笑)
SWAY でも、お酒も飲むんで永遠の20歳でいきましょうか(笑)。
10周年記念シングル「1st SONG」6月26日(水)発売
https://dobermaninfinity-ldh.jp/
撮影/遥南碧、取材・文/ふくだりょうこ
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