古典も現代作品も色とりどり。この夏、大人も子供も楽しめるダンス、バレエ公演をピックアップ!
ステージ
ニュース
『新版・NINJA』2022年公演より (撮影:鹿摩隆司)
続きを読むフォトギャラリー(6件)
すべて見る言葉なしで感情や物語を伝えるダンスやバレエ。ハードルが高いと感じたり、理解できるかなと不安を感じたりする人でも、予備知識なしで楽しめる舞台はたくさんある。とくにこの時期から夏休み期間にかけては、子供から大人まで、気軽に楽しめる公演が次々と登場。注目の公演とその魅力を紹介しよう。
カラフルでキャッチーな忍者の世界へ
多彩なダンサーたちが森の動植物に!
まずは、新国立劇場による大人もこどもも楽しめるダンスとバレエの2作品。森山開次による『新版・NINJA』[6月28日(金)〜30日(日)、新国立劇場 中劇場。ほか、兵庫県、新潟県での公演もあり]は、ポップで楽しい、忍者の世界を描き出して人気を得ているダンス作品だ。カラフルでキャッチーな衣裳や美術、目を見張るような動きで暗躍する忍者たちが、いろんな動植物の棲む森の奥へと皆をいざなう。森山のもとに集結したのは、元新体操選手のダンサーや俳優としてのキャリアを持つ人、さらにはバレエダンサーも。思わずニヤリとしてしまう「言葉遊び」の要素もたっぷりだ。ダンスって何となく難解でとっつきにくいという先入観は、舞台を観たら一気に消滅、あっというまにそのパワーに魅了されるはず。
『人魚姫』『シンデレラ』『ねむれる森の美女』。誰もが知る童話の世界をバレエで。
同劇場のもうひとつの公演は、こどものためのバレエ劇場 2024として上演される「『人魚姫』~ある少女の物語~」[7月27日(土)〜30日(火)、新国立劇場 オペラパレス]。アンデルセンの童話「人魚姫」をモチーフに創作される全幕バレエの、これが世界初演だ。振付を手がけているのは、新国立劇場バレエ団で長くダンサーとして活躍した貝川鐵夫。人間の王子に恋をした人魚姫の切ない物語だけに、ヒロインの恋する喜びや苦しみが、バレエでどのように表現されるのか、どんな感動が生まれるのか、多くの人の期待を集めている。音楽はドビュッシーやマスネなどによるさまざまな楽曲を使用するというが、この作品のために新たに録音を行い、その際に貝川自身が細かなリクエストをしたそう。見せ場となる人魚姫と王子の踊りは、きっと情感たっぷりの美しい場面に。新国立劇場バレエ団の才能あふれるダンサーたちが紡ぎ出す、新しいバレエの誕生の場にぜひ立ち会って。
日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024 バレエ『シンデレラ』全2幕[8月16日(金)〜18日(日)、日生劇場]も、お馴染みの童話が題材のバレエ。スターダンサーズ・バレエ団の人気作品、鈴木稔演出・振付による『シンデレラ』を、オーケストラの生演奏(田中良和指揮、演奏はテアトロ・ジーリオ・ショウワ)とともに上演。バレエ鑑賞が初めてという人にもわかりやすい解説付きというのも嬉しい。厚みのある響きとドキドキするような躍動感が魅力のプロコフィエフの音楽は、生演奏でこそ味わえる感動が。お城の舞踏会を夢見るシンデレラにダンスを教えるかわいいネズミたちの登場や、一般的に描かれることの少ない父親の存在が、より心温まる舞台を実現。親子で感動を共有するのにぴったりの作品だ。
解説付きのバレエのおすすめをもうひとつ。夏の恒例イベントとして親しまれている〈めぐろバレエ祭り〉で上演される、東京バレエ団創立60周年記念シリーズ8「子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』」[8月24日(土)〜25日(日)、めぐろパーシモンホール 大ホール]は、チャイコフスキー三大バレエのひとつである『眠れる森の美女』をコンパクトに凝縮して上演し、人気を得ているプロダクション。登場人物のひとりがセリフを喋って、観る者をぐいぐいと物語の世界へといざなう。子供のみならず大人の心をもくすぐるのは、絵本の世界が中から飛び出したような可愛らしい衣裳に舞台美術(舞台美術・衣裳デザイン:永井郁子)。オーロラ姫と王子の踊りをはじめ、妖精たちや童話のキャラクターたちの踊りも、もともとの全幕の踊りの魅力をしっかり伝えてくれるから、大人の古典バレエ入門としても最適だ。
名作バレエのひときわ華やかな場面を厳選したガラ公演
最後は「親子で楽しむ夏休みバレエまつり ~ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち~」[8月3日(土)・4日(日)、東京国際フォーラム ホールC、神奈川、群馬、愛知、大阪、宮城、秋田ほかでも公演あり]。
ジョージア国立バレエ、スロバキア国立バレエ、バイエルン国立バレエ、ハンガリー国立バレエなどのソリストたちが、数々のバレエ作品から厳選された名場面を踊る。『白鳥の湖』からは白鳥の群舞付きによるアダージョ、黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ、『眠れる森の美女』からはオーロラ姫による優雅なローズ・アダージョ、ほかにも『ジゼル』『ラ・シルフィード』など、一度の公演でさまざまな踊りがずらり。MCによる解説付きだから、バレエのあらすじや見どころを知らなくても存分に楽しめるはず。新国立劇場バレエ団ソリスト直塚美穂の特別出演も話題に。
どれも質の高い公演ながら気負うことなく楽しめる舞台ばかり。これまでダンスやバレエに親しんできた人もそうでなかった人も、この機会に足を運んでみては。
文:加藤智子
<公演情報>
■森山開次『新版・NINJA』
上演時間:約1時間50分(休憩含む)予定/4歳以上入場可
【東京公演】
2024年6月28日(金) 19:00開演
2024年6月29日(土) 14:00開演
2024年6月30日(日) 14:00開演
会場:新国立劇場 中劇場
【兵庫公演】
2024年7月6日(土) 14:00開演
会場:兵庫県立芸術文化センター
【新潟公演】
2024年7月14日(日) 14:00開演
会場:長岡市立劇場
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452168
公式サイト
https://www.nntt.jac.go.jp/dance/ninja/
■新国立劇場バレエ団 こどものためのバレエ劇場 2024『人魚姫 ~ある少女の物語~』
上演時間:約1時間40分(休憩含む)/4歳以上入場可
2024年7月27日(土)~7月30日(火)
各日、13:00 / 16:30開演
会場:東京・新国立劇場 オペラパレス
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452169
公式サイト
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/littlemermaid/
※森山開次『新版・NINJA』&「こどものためのバレエ劇場2024『人魚姫』~ある少女の物語~」の新国立劇場公演は、2作品をお子様と一緒に楽しめるお得なセット券「夏のこども劇場セット」も発売中。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_027232.html
■日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024 バレエ『シンデレラ』全2幕
上演時間:約2時間(休憩含む)/3歳以上入場可
2024年8月16日(金)~8月18日(日)
各日、11:00 / 15:00開演
会場:東京・日生劇場
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452170
公式サイト
https://famifes.nissaytheatre.or.jp/2024ballet/
■東京バレエ団創立60周年記念シリーズ8「子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』」
上演時間:約1時間50分(休憩含む)/4歳以上入場可
2024年8月24日(土)・25日(日)
各日、11:30開演
会場:東京・めぐろパーシモンホール・大ホール
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452171
公式サイト
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/kodomo/
■「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」~ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち~
上演時間:約2時間予定/4歳以上入場可
2024年8月3日(土) 13:00 / 17:00開演
2024年8月4日(日) 11:30 / 15:30開演
会場:東京・東京国際フォーラム ホールC
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2451211
フォトギャラリー(6件)
すべて見る