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『a Novel 文書く show』で崎山つばさと柳ゆり菜が新しい一面を見せる!

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崎山つばさ

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俳優・粟島瑞丸がプロデュース・脚本・演出を手がけ、2012年の旗揚げ以来「小さいながらも質の高い舞台」を志し公演を重ねてきた演劇集団Z-Lion。今回、約1年ぶりの公演で取り上げる演目は2013年の初演、2019年の再演に続く3演目となる『a Novel 文書く show』。主人公の小説家・高橋裕樹を崎山つばさ、その妻・梨絵を柳ゆり菜が演じ、主人公と家族との物語が紡がれる。崎山、柳、そして松島庄汰、京典和玖、谷口めぐ、中村哲人、山本沙羅(演劇集団キャラメルボックス)、 藤原ひとみ、川島広輝(東京ノ温度)、栗原航大、金児憲史、清水由紀、星田英利と共に粟島が描き出す光景とは……。

崎山つばさの新しい一面を、ダメ男の役で引き出したい

――まず、崎山さんと柳さんを起用された理由から伺えればと思います。

粟島 崎山くんは舞台『ID』(2021年)を観た時、できる格好いい男の役だったんですよ。

崎山 生徒会長の役でした。

粟島 しっかりとした主役だったよね。でも今回はだらしないっていうか、ダメな部分が出ればいいなと思う。ダメなふたりが、1冊の小説を通して成長していく姿を見せられたらと思っています。ダメ男みたいな役柄は、やったことありますか?

崎山 ないですね。でもそういう役をやってみたいっていう気持ちはありました。

――崎山さんにとって新機軸の役柄になりそうですね。柳さんについては、どのような意図が?

粟島 これはご本人にもお伝えしたことですけど、たまたまテレビをつけたら柳さんが出演しているドラマだったとか、所属してらっしゃる事務所も近いとか、僕にとってはご縁のある存在だったんですよ。今回は崎山くんが主演ということが最初にあって、相手役は誰がいいか考えた時にすぐに柳さんが思い浮かんで、連絡させていただきました。

――崎山さんとのバランスを考えてのキャスティングなんですね。

粟島 Z-Lionの公演をやる時は、いつもバランス重視。柳さんが出てくださると決まったので、「じゃあ次は……」とひとりずつ決めていく。ここにこの人が来る、だったらこちらはその人だろう、みたいに順番に最後のひとりまで考え抜きました。だから、なるべくしてなったキャストです。

――キャスティングの難しいところでもあり、楽しいところでもありそうですね。柳さんとしては、今回の出演のお話をどう感じましたか?

 ひとつの舞台を創り上げて上演するって、大変なことじゃないですか。それに私は舞台経験がそう多くないので、やるのであれば気持ち良くご一緒できる方たちと、皆が成長していける場にしたいと思っています。

――それは大事ですよね。

 だから、最終的にお話を決める前に粟島さんとお話しさせていただいたんです。作品のことや脚本の話をいろいろ伺ったんですけど、変に気を遣わずに本音を言えるし、言ってくれる。稽古も上手くやっていけるし化学反応も起こりそうな気がして、「お願いします」とお返事しました。

――崎山さんは、今回粟島さんとご一緒しようと思った決め手のようなものが何かあったんでしょうか。

崎山 もともと僕のマネージャーと関係が深い方なので、粟島さんのことは知っていたんです。そのご縁が、ここに繋がっていたのかもしれないなって思います。粟島さんとご一緒して、これまでやったことのない役柄で人間のリアルな部分を表現したいし、自分の新しい面を引き出してもらえそうだっていう期待もあります。

今の崎山つばさと柳ゆり菜にしかできない役柄として創り上げていく

――おふたりは2019年版の台本に目を通したそうですね。

崎山 面白いことはもちろん、感動するし、ファンタジー要素もあるし、いろいろなジャンルが詰まっている。主人公はもちろん周りのキャラクターも本当に濃くて、主人公以外にフォーカスをあてても楽しめます。作品としてすごく厚みがあるので夢中になってどんどん読み進めたし、別の人が演じたらまったく違う空気感の作品になるだろうな、とも思いました。

 本当に面白かったです。すごくハートフルで、「また変なやつ出てきた(笑)!」みたいにクスッとしながら読みました。これが今回のキャストひとりひとりの個性を持ち寄って演じた時にどう交わっていくのか、すごくワクワクして、自分が演じる景色も見えてきたんです。3回目の上演ですけど、今回は今回でまったく新しいものとして、過去最高のものを創れるように嫉妬心を燃やしながら挑んでいきたいですね。

――正しい、前向きな嫉妬心ですね。

 そうです! 正しい嫉妬心を。

粟島 そう思ってもらえると、ありがたいですね。

――崎山さんから見て、粟島さんの作品あるいは粟島さんの演出に対しての印象は?

崎山 今回ご一緒する中村哲人さんは前に共演したことがあるので、「粟島さんはどういう人ですか?」って聞いてみたんです。そうしたら「気持ち良い人だよ」って。この前取材でご一緒した時にその意味がわかったような気がしていて、いい意味でフィルターがなくて、フラットなテンションで接してくれる。だから稽古場もアットホームで優しい現場になるだろうなって。

粟島 出てくれる俳優にとって話しやすいというのは、良いことですよね。脚本家・演出家という立場だけど自分は演者でもあるので、「自分が演出家です!」って構えているよりも、皆で一緒に作品を創るっていう感じでいた方がいいなと思って、いつもそうしています。

――崎山さんや柳さん、今回のキャストに合わせて脚本を手直ししていると伺いました。

粟島 前回の公演でも、役名などを初演から変えました。せっかく上演するなら、前のまま「これをやってください」ってお願いするより、今のふたりでしかできない新しい役柄にしたい。筋立ては基本的には同じだけど、役柄が変わるのでまた違った作品になると思います。

それぞれの課題に向き合いながら、観に来てくれる方たちに恥じない舞台を

柳ゆり菜

――ちなみに、おふたりは今日が「初めまして」なんですよね。

 初めましてです。

崎山 これまで交わることなかったですね。

粟島 柳さんは、これまで出演されてきたのは映像が多かったじゃないですか。確かに、交わりにくいところですよね。でも今回は舞台寄りの芝居ではない方だから良い、という期待はあります。

――意外な化学反応が起こりそうですね。初めましてのおふたりは、お互いにどういう印象を受けましたか。

崎山 お話を聞いていると、柳さんはお芝居に熱そうですよね。

粟島 そうですね、実際にお会いして、芝居とちゃんと向き合える方だと思いました。

 崎山さんと私って、人間のタイプとしてちょっと違いますよね。私からすると、すごく不思議。

一同 (笑)!

粟島 崎山くんは……普段どうしてるの? じっとしてるの?

 普段の生活でテンションっていうか、感情がブワーッって浮き沈みすることあります?

崎山 あまりないですね。

――じゃあ、いつも割と淡々としていらっしゃる。

崎山 はい。

 ほら、やっぱり違う。私は結構いろいろなことで感情がアップダウンするので、独り言も多くて騒がしいタイプなんですよ。でも本当は根暗なので……もしかしたら、実は似たような感じかも?

崎山・粟島 (笑)!

粟島 なるほどね、それを表に出すか出さないかの違いか。

崎山 どうでしょう。少なくともアウトドアなタイプではなくて、完全にインドアです。

粟島 へえ! キャンプに行ったりとかはしない?

崎山 行かないです。サウナは好きです。

 私もサウナ好きです、そこも一緒。やっぱり違いは感情がにぎやかなだけかも。

粟島 なるほどね。ゆり菜ちゃんも基本的にはインドアなんだ。

 1カ月ずっと家にいても、たぶん大丈夫。

――家で何をして過ごすわけですか?

 映画やドラマを見たり、あとひとり遊びが大好きで、何かを作ったりして。最近は編み物が多いですね。

崎山 僕はギターを弾いていることが多いですね。

粟島 そうか、アーティスト活動もしているもんね。確かにインドアだ。

――意外な共通点が判明しましたね。話は変わりますが、崎山さん・柳さんがこの舞台で挑戦したいことや見せたいことなど、課題として考えていることはありますか?

 舞台は稽古~本番と、何度も同じことを繰り返していきますよね。その中で毎回面白いことが起きるといいなっていう期待をしつつ、自分は皆のその時の面白さを拾えるように、柔軟にいられたらと思っています。自分の課題はそこですね。

――なるほど、皆さんのお芝居から生まれるパスを、うまくレシーブしてみせると。

 はい、レシーブします。

崎山 どの作品もそうですが、特に今回はダメな男が成長していく物語なので、毎公演、毎公演、心が動くように。どうしても同じセリフ、同じ言葉だと慣れが出てきてしまう部分もあるけど、そこをクリアにして、毎回ゼロの状態で公演に臨みたいと思います。

――最後に、この作品のテーマをあえて言葉にするなら、どういう表現になるでしょうか。

粟島 「家族愛」ですね。ちょっとした家族のズレや夫婦のズレは、誰しも感じることがありますよね。そして「主人公が成長する」というわかりやすい話でもあるので、主人公夫婦がいろいろな問題に突き当たって、最後にはふたりの心も生活も変わる。それがちゃんと伝わればいいなと思います。

――ありがとうございます。粟島さんから読者へのお誘いのメッセージをお願いします。

粟島 舞台を観慣れている崎山くんのファンには「今年一番良かった」って言わせる舞台を、そして久々の舞台での柳さんの姿を観に来るさまざまな方に恥じない作品を、責任をもって創り上げます。その自信はありますので、ぜひ楽しみにしてください。

取材・文:金井まゆみ

<公演情報>
Z-Lion2024年度公演『a Novel 文書く show』

公演期間:2024年年7月12日(金)~21日(日)
会場:俳優座劇場

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/z-lion14/

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