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圧巻のステージはクセになる『シャッター・ガイ改』観劇レポート

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梅棒18th “RE”SHOW『シャッター・ガイ』

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ダンスエンターテイメント集団・梅棒による主催公演「梅棒 18th “RE”SHOW『シャッター・ガイ』」が6月21日にIMM THEATER(東京)にて開幕した。

本公演では2018年に上演した「梅棒 8th SHOW『Shuttered Guy』」のゲストキャストを一新して再演する『シャッター・ガイZ』と、全体の半分の配役をシャッフルした『シャッター・ガイ改』のふたつのバージョンを上演する。本記事では6月23日に行われた『シャッター・ガイ改』の模様をレポートする。

ダンスと芝居、J-POPでストーリーを見せる梅棒。今回の物語の舞台となるのは、少しさびれた商店街、ネコダ銀座商店街だ。日々、それなりに事件がありつつも、平和に楽しく暮らしていた商店街の面々だが、高級デパートを世界中にオープンしているセヴン姉妹が現れたことで状況が一変。デパート建設計画によって古き善き商店街に激震が走ることになる……。

舞台上には、初めて観るはずなのに、どこか懐かしさを感じさせる商店街のセットが。奥行と高さがあるステージがその世界観に引きこんでくれそうで期待感が高まる。

そんな物語は開演前から始まる。ザンヨウコ演じるミタニユリコが客席に登場。都知事選に立候補しているという彼女は客席を練り歩きながら、来場者と握手をし、笑顔を見せ、同時に盛り上げ、開演前の注意アナウンスもこなす。そしてそのまま本編へとなだれ混む。

キャストたちが早速、ステージ狭しと舞い、ド派手なオープニングを飾る。客席も手拍子と歓声で加わり、さながらライブ会場のような一体感が作り出される。序盤では商店街の面々とのキャラクターの関係性を見せていく。

ラーメン屋「龍心軒」のひとり息子・ともゆき(鶴野輝一・梅棒)は、商店街や実家のラーメン屋に嫌気がさしているようで、父親のひでき(櫻井竜彦・梅棒)にも反抗的。そんなともゆきの幼なじみである果物屋「コスミ青果」のひとり娘・あおい(茜屋日海夏)は父・けんや(OH-SE)とともに店を切り盛りしている。おなじく幼なじみのてつや(鐘ヶ江洸)はお巡りさんで商店街のみんなから頼りとされている。理容室「かみきり屋」の主人・しげる(だーよし)とその妻・さと(天野一輝・梅棒)は仲睦まじく見えるが、美容師のジュン(SHUHO)とは何やら……?

商店街で古い歴史のあるファッションパーク「ネネ」の四代目・ねね(塩野拓矢・梅棒)は孫のかなた(野田裕貴・梅棒)とともに暮らす。どうやら、ファッションセンスが異なるようで、どちらのデザインしたTシャツがより良いか、客席を巻き込んでバトルを繰り広げる場面も。独特の空気感を持っているのは商店街で診療所を営むDr.KC(楢木和也・梅棒)。何気ない一挙手一投足が観客の笑いを呼ぶ。

また、商店街には昔ながらのヤクザも。オオタ(梅澤裕介・梅棒)とその弟分・タナカ(福島海太)だ。警察の目を盗んで悪さをしたり、違法な金利でお金を貸していたりと、金に目がない。そんな街を見守るのがネコダ銀座商店街のマスコットキャクラター・ひのまる君(山咲和也)。商店街のみんなに愛される猫のキャラクターだが、その正体は……?

家族内での問題や、それぞれの悩みなどはありつつも、楽しく暮らしていた商店街を脅かすのがセヴン姉妹だ。姉のミーナ(YOU)と妹のバナナ(谷内伸也)、姉妹の敏腕秘書・サナダ(遠山晶司・梅棒)の登場によって人々の心は乱されていく。登場のたびにド派手なパフォーマンスで観客の心も盛り上げていく。

J-POPにのせて、ほぼセリフはなくダンスやリアクションで作り上げられていくストーリーは圧巻。それぞれの動きに注目し、気づけばそのストーリーにぐんぐんと引きこまれる。人の表情とはこんなに雄弁で、体を動かすことでこんなにも物語を形成していくのか、と改めて驚かざるをえない。初見の人にとっては衝撃だろう。 後半にかけては、ストーリー自体もよりダイナミックなものへと進化する。大立ち回りもあり、と、商店街を舞台に想像もしていなかった展開へと発展。しかし、それを突拍子もないもの、とは感じないのは、前半のキャラクターと物語の積み上げがあったからこそストンと心に落ちる。

それにしても、それぞれの運動量のすさまじさには驚く。ひとりひとりの動きやリアクションに注目したいが、目が足りないほど。特に終盤にかけての茜屋のアクションは息つく間もないほど。必見ポイントのひとつだ。

そして、『シャッター・ガイ改』を観ることで気になってくるのが『シャッター・ガイZ』だ。『改』でバナナ役を演じる客演の谷内伸也は『Z』ではともゆき役だ。全く異なる役どころだということが分かるだけに好奇心が掻き立てられる。

上演時間は約2時間5分。7月7日(日) まではIMM THEATERにて、その後、7月12日(金) から15日(月) まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、7月28日(日) には愛知・東海市芸術劇場にて上演予定だ。

取材・文:ふくだりょうこ
写真:飯野高拓・角田大樹

<東京公演>
梅棒18th “RE”SHOW『シャッター・ガイ』

公演期間:2024年6月21日(金)~7月7日(日)
会場:IMM THEATER

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/shuttered-guy2024/

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