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「大いなる不在」は森山未來ありきの映画、監督・近浦啓「代役は考えられなかった」

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「大いなる不在」場面写真

森山未來が主演を務めた映画「大いなる不在」の監督・近浦啓がキャスティング秘話を語ったインタビューが到着した。

「コンプリシティ/優しい共犯」で第19回東京フィルメックスの観客賞を受賞した近浦が、実体験に着想を得て制作した本作。主人公の卓(たかし)は幼い頃に家族を捨てた父・陽二が警察に捕まったという報せを受ける。久しぶりに再会した陽二は認知症で別人のように変わっており、再婚相手の義母も行方がわからなくなっていた。やがて卓は、陽二と義母の生活を調べ始める。

卓役に森山、陽二役に藤竜也をキャスティングした理由について、近浦は「1人の映画ファンとしての単純な欲望を純粋に叶えようとしたということです。森山さんと藤さんは役者さんとしての出自は全然違うし、お芝居のタイプも全然違う。だからこの組み合わせはもう感覚的なひらめき、発見以外の何物でもない」と明かす。森山に関しては、公式サイトの問い合わせフォームから近浦自ら出演依頼のメールを送ったそうで「もし森山さんに断られていたら、この映画を作っていなかったです。代役は一切考えられなかった」と伝え、オファーを受けた森山は「今の日本映画界によくある立ち上がり方とはまた違うプロセスで、かつちゃんと映画作りがしたいという思いや考え方に惹かれました」と述べた。

藤とは、近浦が初めて手がけた短編「Empty House」、長編第1作「コンプリシティ/優しい共犯」に続く3度目のタッグとなった。近浦は大島渚の監督作「愛のコリーダ」での最初の“藤竜也体験”を回顧しながら「自分が映画を作るならこんな役者と仕事がしたいと、まだ学生の頃から思い続けていました」「常に新しいものを作ろうとしている真摯さ、気迫がある」と語る。また芝居に対する藤の姿勢に言及し「細かく人物造形の話をするというより、現場に身を置きながら、鋭い感度で役の芯をつかみ取り、その人生を生きていく──そういった役者だと思います」と信頼をにじませた。

真木よう子、原日出子も出演した「大いなる不在」は7月12日より東京・テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国で順次上映。7月19日からは、ギャガの配給にて米ニューヨークのアンジェリカ・フィルム・センターでも劇場公開されることが決定した。

※大島渚の渚は旧字体が正式表記

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