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『blast ブラスト!』石川直×米所裕夢×渋田華暖×丹澤里穂菜インタビュー

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インタビュー

左から)渋田華暖、米所裕夢、石川直、丹澤里穂菜 (撮影:石阪大輔)

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金管楽器(ブラス)、打楽器(パーカッション)、ヴィジュアル・アンサンブル(ダンサー/カラーガード)の3パートから構成される圧巻のパフォーマンスショー『blast ブラスト!』が今年も来日。7月28日(日) から9月16日(月) まで、東京・東急シアターオーブなど全国21会場で計48公演が行われる。今年は初参加2名を含む4名の日本人キャストも参戦! 6週間に及ぶリハーサル中の石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)、渋田華暖(トランペット)、丹澤里穂菜(ヴィジュアル・アンサンブル)が本公演への思いを語ってくれた。

――まずは『blast ブラスト!』初参加となる丹澤さん、渋田さんから、本公演に参加するにあたっての思いをお聞かせください。

丹澤 私は『blast ブラスト!』に初めて出会ったのがフジテレビの前でやっていたワークショップの時で小学3年生の頃でした。当時は憧れというよりも「すごい人たちなんだ!」という感じでしたが、大人になって改めて公演を見ると「やっぱりすごい人たちなんだ!」と雲の上の人という感じで(笑)、私自身もカラーガードを一生懸命やってきて、チャンスをいただいてオーディションを受けて、ここに立てるのがすごく嬉しいですし、これからも自分が成長できる場が『blast ブラスト!』だなと思えて嬉しかったです。

新しいことに挑戦して、たぶん壁にぶつかるとも思いますが、できた時の嬉しさや達成感を味わえることが自分にとっての喜びなので、不安な気持ちというよりも、いまは楽しみが強いです。

渋田 私は12年前、10歳の時に初めて『blast ブラスト!』オリジナル・バージョンを見た時から「私もここでやる!」と決めて、その夢を達成するために高校や大学の進学先も決めて、ここまで一歩ずつ近づいてきたので、12年かけて夢がかなって嬉しいですし、夢にまで見た舞台に立てることの喜びが大きいです。

――ちなみに出演決定を知らされた時の状況は?

丹澤 LINEで連絡をいただいて、家でひとりで「わー」ってなりました(笑)。正式発表までは家族にしか伝えてなかったんですが、本当に喜んでくれました。家族もマーチングをやっていたので『blast ブラスト!』のすごさや良さはよく知っているので、家族総出で喜んでいます。発表されてからは、中学の友達や先生も連絡をくれて、周りがすごく喜んでくれて、それがすごく嬉しかったです。

渋田 私も同じくひとりでいる時に携帯で知らせを受けて「おぉっ!」っとなりました(笑)。周りに言えなかったので、最初は両親のみに伝えていたんですが、正式に発表された時は携帯が鳴り続けて、急速に充電が減っていきました(笑)。みんなすごく喜んでくれて、何年かぶりに連絡を取った友達や先生もいました。

両親は、私がやると信じてくれていたのか、特に驚くこともなく「あ、そうなんだ」って感じでした。「合格だって」と伝えたら「へぇ」って(笑)。

――小学生の頃から「絶対に出る!」と決めて努力されている姿を一番近くで見続け、信じてきたからこそ「当然」と思われたのかもしれませんね。

渋田 そうかもしれません。オーディションはビデオでの審査だったんですけど、実家暮らしなので、夜中の3時とかまで練習しているのを両親も知っていたし、両親が寝てても全然かまわずに家の中で(トランペットを)吹いたりしてましたし(笑)。小学生の頃から合格の日まで『blast ブラスト!』しか見えてない私だったので「やるだろう」と信じてくれていたのかもしれません。

――そんなおふたりにとっては、石川さん、米所さんは憧れの『blast ブラスト!』の先輩です。

石川 僕自身は、外から『blast ブラスト!』を見たことがなかったんですけど、アメリカのドラムコーの世界で名だたるプレイヤーたちが入っていて、僕もそういう人たちとできるならと成長を求めてここに来たので、そういう意味で(丹澤さん、渋田さんの思いと)共通するところがあるのかもしれません。

ただ、既に『blast ブラスト!』があって、そこを目指してこの世界に入ってきているというところが根本的に僕と違うので、その感覚はすごく嬉しいんだろうなとうらやましさも感じます。シンプルに入ってきてもらえて嬉しいです。

米所 僕もふたりと同じで『blast ブラスト!』を見て、入りたいと思ったんですけど、いろんなことに悩んで行きついた先が『blast ブラスト!』だったんです。

初めて出会ったのは中学に入ってからで、その時、トランペットのソロを吹いていたAdam Rapa(アダム・ラッパ)という大先輩がいて、憧れを持ったのはその時です。ただ、すぐに「入りたい」という思いには直結せず、その後も好きでマーチングを続けて、高校を出た時に「オーディションを受けたい」と思ったんです。だから(渋田さんのように)子どもの頃に夢を決めて、高校や大学進学も含めて目標に向けたプロセスをつくれるのがすごいなと思います。

丹澤さんも、『blast ブラスト!』以外で、すでにパフォーマーとしての仕事をされているんですよね。僕が中学・高校の頃は、パフォーマンスをショービズの世界で舞台上でやるのは『blast ブラスト!』しかなかったんですよね。

ショービジネスの世界でやっていきたいという思いをもって、チームに所属してパフォーマンスをして……というところで、2人ともすごく芯が強いなって思います。僕は好きなトランペットだけ吹いてきて、いろんな誘惑もあったり「やめた方がいいのかも……」という時期もあったし、いろいろ迷いがあったけど、2人からそれが感じられないんです。そこはいま一緒にプロモーション活動をしていても心強いです。

――今回の公演の魅力、ご自身で楽しみにされていることについて教えてください。

丹澤 私たち4人以外は海外のキャストですが、ヴィジュアル・アンサンブルで言うと、世界大会など、海外の第一線でいま活躍されている方がいっぱい来ます。ショーもひとりひとりのパフォーマーもすごいですし、公演中にお客さんとアイコンタクトを取ったりして、すごく温かいんです。すごく近く感じられるので、そのコミュニケーションが魅力だと思います。

渋田 今回、10年ぶりの『blast ブラスト!』オリジナルバージョンになるんですが、私が12年前に初めて見たのがまさにこのオリジナルバージョンだったんです。自分が見て、憧れた作品に出られる嬉しさがすごく大きいのと、「あの時、見た舞台に私が立つなんて!」というまだ信じられないような気持ちです。12年前の記憶を呼び起こしながら原点に返る気持ちで臨みたいです。

オリジナルバージョンの魅力は、記憶の中の子どもの目線なんですけど、すごく楽しく、音楽を肌で感じられる作品だということだと思います。お客さんとの距離が近かったり、金管楽器の音圧がすごかったり、ブラストならではの部分――聴く、見るだけでなく、鳥肌が立つような、肌で感じられるところがたくさんあると思います。

米所 僕は『blast ブラスト!』オリジナルバージョンと『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』の両方を経験していますが、やはり年数を経ることで、どんどん新しいものになっていくことが多いんですね。

僕自身、たまに音楽の指導に入らせていただくことがあるんですが、いまのマーチングシーンや音楽シーンを見てると「あ、これ『blast ブラスト!』っぽいな」って感じることが結構あるんですよね。僕も中学時代から見てきて、振付やムーブメントで『blast ブラスト!』を基準とした動きってすごく多いと思います。

ただ10年という年月が空いて、ここまで広がった展開のルーツがどこにあるのか? それは10年前の『blast ブラスト!』や当時、流行っていたものがあって、その原点に返る――じゃあ、2014年と24年で何が違うのかというと、10年の歳月が流れて3分の2が新しいキャストになっているし、新たな知識を得たスターたちもいるので、原点に返りつつ、新しいものになっているというのが今年の魅力だと思います。

石川 みなさんが言ってくれたことのまとめになっちゃうんですけど、“いま”ならではのメンバーという点――みんな、新しい方法や環境を基に練習して来てるので、ひとつ、ふたつ前の世代よりも短期間で吸収できるし、頭の回転もすごく早かったりして、そういう子たちがたくさん入ってくるのは根本的な質を高めてくれてるし、それは今回のツアーの楽しみのひとつであり、10年前とは違う部分だと思います。

そして、これが“オリジナル”であるという点――実績としてブロードウェイでやって、トニー賞、エミー賞を受賞していて世界が認めたお墨付きということです。

作品として、音楽と視覚的なアンサンブルの融合になりますが、とにかく選曲が素晴らしいと思います。アメリカでずっと続いてきたマーチングバンドやドラムコーの歴史の中で、あらゆるチャンピオンチーム、何万もの人で埋め尽くされたフットボールスタジアムを沸かせてきた「あの年のあのチームのあの曲、ヤバいよね?」、「あの技、すごいよね」というハイライトを抽出して作られたのがこの『blast ブラスト!』なんです。

それをさらにショーアップして、超絶技巧を上乗せして、大会のオールスターたちを集めて、そこに照明と音響を入れて作っているので、間違いないです。

具体的なところで、このショーにしかないもので言うと「バトル」ですね。ドラムを背負って殴り合いをするような殺陣のシーンがあったり、ヴィジュアル・アンサンブルが闇の中でパフォーマンスしたり、このショーならではのナンバーがあります。『ブラスト2:MIX』や『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』のフォーマットは、全てこのオリジナルバージョンから生まれているという“原点”です。

取材・文:黒豆直樹
撮影:石阪大輔

<東京公演>
『blast ブラスト!』

公演期間:2024年7月30日(火)~8月12日(月・休)
会場:東急シアターオーブ
ほか、全21会場にて全国ツアー

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/blast/

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