歌舞伎座「七月大歌舞伎」スタート、市川團十郎「星合世十三團」&松本幸四郎「裏表太閤記」並ぶ
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東京・歌舞伎座の外観。
「七月大歌舞伎」が、昨日7月1日に東京・歌舞伎座で開幕した。
昼の部では、市川團十郎らによる「通し狂言『星合世十三團』」、夜の部では松本幸四郎らによる「千成瓢薫風聚光『裏表太閤記』」が上演される。「星合世十三團」は、「義経千本桜」を原作に、源平合戦の時代に生きた人間たちを描いた作品で、團十郎が、十一代目市川海老蔵だった2019年7月に初演された。今回は初演時と同様に、團十郎が左大臣藤原朝方、卿の君、川越太郎、武蔵坊弁慶、渡海屋銀平実は新中納言知盛、入江丹蔵、主馬小金吾、いがみの権太、鮨屋弥左衛門、弥助実は三位中将維盛、佐藤忠信、佐藤忠信実は源九郎狐、横川覚範実は能登守教経の13役を早替りで勤める。また、本作には源義経役で中村梅玉、お柳実は典侍の局役で中村魁春、静御前役で中村雀右衛門、相模五郎役で市川右團次、若葉の内侍・小せん役で中村児太郎が出演する。
上演は、発端の源氏と平家の相関図を用いた口上に始まり、團十郎は「今のお客様にもご理解いただきやすいよう、聞き慣れない言葉を分かりやすい言葉に言い換えるなど、相談しながら、満を持して臨みます」とコメント。序幕ラストでは、知盛の霊が天へと昇っていく宙乗り、大詰では狐忠信の宙乗りが披露され、会場は拍手で包まれた。
夜の部「裏表太閤記」は、豊臣秀吉の出世物語「太閤記」をもとに、1981年に二世市川猿翁が初演した作品。作中では、秀吉の活躍を描く“表”と、秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇を描く“裏”を織り交ぜた物語が展開する。初演では、奈河彰輔が脚本、二世藤間勘祖が演出・振付を担い、1日かけて上演された。約43年ぶりの上演となる今回は、奈河の脚本をもとに、二世勘祖の孫である当代の藤間勘十郎が演出・振付を担当。幸四郎が豊臣秀吉、鈴木喜多頭重成、孫悟空、尾上松也が明智光秀と前田利家、坂東巳之助が織田信忠と加藤清正、尾上右近が光秀妹お通と毛利輝元、市川染五郎が鈴木孫市と宇喜多秀家、市川中車が松永弾正と徳川家康、中村雀右衛門が北政所、松本白鸚が大綿津見神を勤める。
作中では、実の親子である幸四郎と染五郎による、喜多頭と孫市の親子愛や、幸四郎演じる秀吉、松也演じる光秀、染五郎演じる孫市による本水を使った大滝での立廻り、幸四郎演じる孫悟空による宙乗りなどが展開したほか、ラストは幸四郎演じる秀吉、松也演じる前田利家、巳之助演じる加藤清正、右近演じる毛利輝元、染五郎演じる宇喜多秀家による華やかな三番叟で幕を閉じた。「七月大歌舞伎」の公演は7月24日まで。
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