「日本の劇」戯曲賞佳作リーディング公演、新井孔央「杳たる月」を板垣恭一が演出
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朗読劇「杳たる月」チラシ表
「朗読劇『杳たる月』」が、8月11・12日に東京・浅草九劇で上演される。
ド・パールシムの新井孔央が執筆した「杳たる月」は、「日本の劇」戯曲賞2023で、応募総数63作品の中から佳作に選ばれた作品。今回は板垣恭一が演出を手がけ、同作を朗読劇として立ち上げる。
田舎にある山城家の古い家屋には、アオとキョウカという義兄妹と、その母と祖母が暮らしている。昨晩アオらは友人と共に殺人を犯した。キョウカは婚約者がいるものの、先日赤ちゃんが生まれ、その父親はわからない。この家には放置された死体と、生まれたばかりの赤ちゃんがいて……。出演者には桑原勝、外岡えりか、劇団昴の赤江隼平、村上拓哉、松本卓也、瑚崎まい、野木茜、イッツフォーリーズの田中愛実が名を連ねた。
作者の新井と演出の板垣からのコメントは以下の通り。
新井孔央コメント
昨年、「日本の劇」戯曲賞2023で佳作受賞させていただき、このような上演の機会をいただき本当に嬉しく思います!
自分は「ド・パールシム」という団体で劇作をしています。性欲や暴力を通して、若者の自意識やプライドを露わにし、そんな中にある人間の切実で愛おしい本性を描いてきました。本作品は、田舎の退廃的な生活の中にある悪意と暴力性を、強烈に描いた作品です。
板垣恭一さんの演出や豪華なキャストの皆様によって、この作品が立ち上がるのが楽しみで仕方ありません! ぜひ多くの方々に見にきて欲しいです! そして最低で欲に塗れた登場人物の姿から、少しでも人間の事を好きになってもらえることを願います。
板垣恭一コメント
セリフが面白い。とにかく巧み。現代の若者の言葉をそのまま再現しているようでいて、すべてが緻密に計算されている。つまり表現としての「リアル」を追求していて、成功していると言っていい。人間関係が面白い。ひとつひとつはよくある関係なのだけど、組み合わせ方が工夫されている。無さそうなのにその関係有り得るかもと思わせてくれる。ストーリーもちゃんとある。雰囲気だけで誤魔化してなくて、ちゃんとオチもつく。それでいて世界が閉じていない。これはワタシ達の物語だと思わせてくれる。などなどの理由から、この戯曲に触れていただきたいと思うのです。そしてもう一点、オーディションで集まってくれたキャスト達も見どころです。
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