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『フジロック'24』みのミュージック×秋元美乃(音楽誌『DONUT』編集長)出演者解説【後編】

音楽

インタビュー

ぴあ

左から)みのミュージック、秋元美乃(音楽誌『DONUT』編集長)

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フジロックの魅力を様々な角度から掘り下げる『ぴあ×FUJI ROCK』特集。

今回は、自身の敬愛するカルチャー紹介を軸としたオンリーワンなYouTudeチャンネルが人気のみのミュージックと音楽誌『DONUT』編集長・秋元美乃によるみの×みの対談が実現! おふたりに「FUJI ROCK FESTIVAL '24」出演アーティスト解説をしていただきました。

『フジロック'24』みのミュージック×秋元美乃(音楽誌『DONUT』編集長)出演者解説【後編】

★前編はこちら

みの じゃあ3日目も見ていきましょうか。ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズがヘッドライナーですが。

Noel Gallagher's High Flying Birds:7月28日(日) 21:10-22:40 グリーンステージ
We're Gonna Get There In The End

秋元 いやー、これはもう、「グリーンステージ」でのシンガロングが想像つきますね。

みの はい。まぁ本当に間違いなさ過ぎるヘッドライナーだと思います。この日はちょうどその世代を刺しに来てる感じがするというか。僕よりちょっと上の世代だと思うんですけど、やっぱりノエルをリアルタイムで好きだった人はキム・ゴードンも好きそうだし、ジーザス&メリー・チェインも好きそうだし、ライドも好きそうだし、みたいな(笑)。

秋元 そうですね(笑)。

みの その辺を全部一挙に聴かせるみたいな感じがありますよね。

秋元 たぶん、時間のかぶりがみんな痺れるところですよね。

みの そうですよね。この日は個人的には、全体を通して結構統一感がある気がするというか、すごく見どころのあるアーティストが多いと思うんですけど。今はベテラン勢を挙げていきましたけど、アップカミングなミュージシャンでいうとフォンテインズ D.C.とか。アイルランド出身のパンクバンドですけど、この人たちも非常にオーセンティックなパンクのアティチュードをそのまま継承している感じのサウンドで、(ラインナップ表の)上の方に記載されているベテランのミュージシャンの方を好きな人だったら、たぶんめちゃくちゃ好きなんじゃないのかなっていう、そういうのも感じるというか。

Fontaines D.C:7月28日(日) 18:00-19:00 レッドマーキー
Jackie Down The Line

秋元 たしかにそうですね、この並びでライドに繋がるところがまたアツい感じですよね。

みの アツいですよね。betcover!!もめちゃくちゃかっこいいですしね。

秋元 かっこいいですね。彼らは本当にとてつもないですね。

みの 今は精力的に中国とかでもツアーをされてますけど、フジロックはかなり仕上がっている状態で来るんじゃないのかなという。そういうところも含めてバンドの完成度みたいなものが期待できるのかなと思ったりするんですが。

秋元 そうですね。betcover!!は私も何度もライブは観ているんですけど、行くたびに同じ曲でも新曲に聴こえるくらいライブアレンジがすごくて。柳瀬二郎率いるハードボイルドな感じと、ちょっとヒリヒリするんだけど、バーンと光が降ってくるような爆発感がすごいバンドですね。フジロック初出演なのですごく期待しています。

betcover!!:7月28日(日) 11:30-12:10 レッドマーキー
炎天の日

みの 今回はどういうサウンドを奏でてくれるのか気になりますよね。それから「サンデーセッション」ではDJ KRUSHとKEN ISHIIを同じステージで観られるんですよ! これだからやっぱり、一定の世代をやっつけに来てますよね(笑)。

秋元 やっつけに来てますか(笑)。

みの 何年生まれくらいの人だろうな。75~80年生まれくらいの人を強烈に刺しに来ているような気がするんですけど(笑)。すごいですよね。「フィールドオブヘブン」もめちゃくちゃいいんですよね。オールマン・ベッツ・バンドもいて。

秋元 あ、セレブレーション・オブ・ミーターズも。

みの セレブレーション・オブ・ミーターズもありますね。オールマン(オールマン・ブラザーズ・バンド)とミーターズのレジェンド2組のレガシーを受け継いだアクトと言いますか、それらが観られて、なおかつここにアリですよね。往年のファンクとかR&Bへのリスペクトをずっと表現してきているアリがいて、そしてCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN:7月28日(日) 13:20-14:20 フィールドオブヘブン
花様年華

秋元 これはどんなバンドですか?

みの これはですね、こういう言い方で説明するとメンバーが非常に嫌がると思うんですけど、一番分かりやすい説明は、細野(晴臣)さんのお孫さんのバンドなんですよ。

秋元 へぇ~! そうなんですね。

みの この説明は本人も嫌がると思うんだけど。でも音楽性はそういう外側の情報を抜きにしてめちゃくちゃかっこよくてですね。あと「チョコパコチョコキンキン」って、これすごい声に出して読みたいバンド名だと思うんですけど(笑)。

秋元 たしかに(笑)。

みの これがなんの意味かというと、キューバ音楽か何かの皮もの=コンガとかボンゴとかのリズムパターンらしいんですよ。僕はちょっとそっちは明るくないから分からないんですけど、メンバーの皆さんがすっごいワールドミュージックが好きで、実際キューバとかに留学に行っちゃうような方なんですよね。で、もうガチでトライバルな感じのサウンドと、熊本民謡のおてもやんとか、ああいうのをくっつけちゃうような、本当に無国籍的なサウンドをやる人たちなんですけどめちゃくちゃかっこよくて!

秋元 へぇー!

みの はい。ここ「フィールドオブヘブン」、僕は非常に期待ですね。

秋元 おもしろそうですね。やっぱりフジロックはそういう多彩なジャンルがラインナップされていて、どのステージを覗いても色々楽しめますよね。

みの 本当にあらゆる音楽があるという感じですよね。ほかに3日目でこれに注目みたいなのはありますか?

秋元 3日目は、「ホワイトステージ」で見るとターンスタイル。私も詳しくはないんですけど、前にライブ映像を観てかっこよかったんですよ。ハードコアって、何というかちょっと言葉が難しいんですけど、すごく“ハードコア”というくくりがあると思うんですよね。でもターンスタイルは、ハードコアバンドなんだけどそういう概念を飛び越えて、すごく自由なパフォーマンスだったりステージだったり曲調だったり、というのが伝わってきて。うまく説明できないんですけど、ライブ映像を観ていると、これはこの渦の中に入りたいって思うバンドですね。

TURNSTILE:7月28日(日) 22:10-23:10 ホワイトステージ
"TURNSTILE LOVE CONNECTION" by TURNSTILE

みの お客さんとの関係性というか、お客さんの盛り上がり方はどういう空気感なんですか?

秋元 もうお客さんはお客さんでグルグルになってる。

みの ああ! あのやつ(笑)。

秋元 はい(笑)。私が観た映像では。

みの うんうん。

秋元 ポップな曲もあればゴリゴリな曲もあれば、すごく多彩で。今、ハードコアシーンの未来を鳴らすようなバンドなんだなぁと、そんな気もしています。

みの なんかハードコアって、ある意味非常にオルタナティブの音楽なんですけど、ちょっと厳格なところがあるというか。

秋元 そう! そうですそうです。

みの 入って行きにくい場合もあるじゃないですか。なんか僕とかだともう、ハードコアやっている先輩が怖いからちょっとライブに誘われたけど行くのが怖いとかそういう思い出もあったりするんですけど(笑)。でもなんかこう、すっと入っていけそうな感じなんですかね、彼らはね。

秋元 まさにそうです。

みの じゃあもうこの「ホワイトステージ」はオルタナティブをめちゃめちゃ頭から浴びられるって感じですね。キム・ゴードンやtoeも出るし。キム・ゴードンもまた新しいアルバム(『ザ・コレクティブ』)すごかったですからね。

Kim Gordon:7月28日(日) 20:00-21:00 ホワイトステージ
BYE BYE

秋元 すごかったですね。この電子音楽とリズムと独特な作り上げ方というか。ソニック・ユースが解散してだいぶ経ちますけど、この人はまだまだやりたい事があって、すごい素敵だなあと。

みの しかもめちゃ尖っているし。

秋元 本当に憧れますね。

みの 本当にかっこいい人ですよね。じゃあ「ジプシーアヴァロン」とかも見ていきます?

秋元 あ、ちょっと待ってくださいね。忘れてはいけない「ホワイトステージ」のジーザス&メリー・チェインなんですが。

The Jesus And Mary Chain:7月28日(日) 16:10-17:10 ホワイトステージ
Girl71

みの ジザメリですね。

秋元 今年結成40周年なんですよね。

みの 40周年なのか。

秋元 すごいですよね。

みの すごいですね。なんか不思議ですね。

秋元 で、プライマル・スクリームのベーシストのシモーヌ・バトラーのインスタを覗いていたら、「夏にメリーチェインと一緒に日本に行くよ」みたいな書き込みがあったんですよ。もしかしたらバンドメンバーとして帯同するんじゃないかなと。

みの スクープじゃないですか。

秋元 どうなんですかね?

みの プレスリリースとかに書いてあったわけじゃなくて、たまたまインスタをご覧になっていたら見つけたんですよね?

秋元 そうですね。それを見て、シモーヌ姐さんが来るかもって。

みの あり得そうな組み合わせですね。

秋元 帯同してくるんじゃないかなと。その辺も楽しみにしつつ。メリーチェインといえばもともとプライマルのボビー(・ギレスピー)が在籍していたバンドでもあるので。

みの そうですね。やっぱり「ホワイトステージ」も一定の世代に向けた強烈な何かを感じますね、28日は。

秋元 狙い撃ちされてますね。

みの 狙い撃ちですよね。ほかに気になるのが「ジブシーアヴァロン」ですけど。アトミック・カフェのライブで、いとうせいこう is the poet with 町田康。これすごい組み合わせですよね。何が行われるんだろう。

秋元 アトミック・カフェは歴史があるステージで、毎回トークとライブが繰り広げられているんですよね。ライブのこの組み合わせ、楽しみですよね。

みの ほかにも「ジブシーアヴァロン」はGLIM SPANKYのアコースティックセットもあったりしますね。あと「苗場食堂」のMega Shinnosukeがすごい不思議。Mega Shinnosukeはもうちょっと大きいステージのイメージがあるというか、すごいパンキッシュな爆発力がある人だから、この規模感のライブはどういうことが起こるんだろうと気になりますね。

Mega Shinnosuke:7月28日(日) 19:00-19:40 苗場食堂
iPhone feat.Skaai

秋元 あ、あと戻りますが「レッドマーキー」のWEEKEND LOVERS 2024 “with You”。WEEKEND LOVERSはフジロックは初だと思うんですけど、LOSALIOSとThe Birthdayのロックンロールセッションですね。

みの チバさんを除いたメンバーが参加ということですよね。

秋元 あと初日からちょくちょく名前の出てくるUS(アス)。

みの ここで「レッドマーキー」に出てくるんですね。ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAのゲストでも名を連ねてるUS。もうねぇ、ウォーリーを探せみたいになってるんですよ。3日間の中でUSがあとふたつ隠れているという。

秋元 どこかでアコースティックセットでも出るという。

みの そうなんですか。26日の「パレスオブワンダー」に出るのを見つけたので、あともうひとつどこかにあるということですね。

秋元 あ、土曜日ですね、27日。

みの 27日。

秋元 「GAN-BAN SQUARE」にアコースティックセットがありました。

みの あ、ありました。

秋元 毎回いろんな名義やスタイルでフジロックに出られる方もいるんですけど、今年は毎日いろんな形でUSが登場しますね。私はフジロックのラインナップ発表でUSというバンドを知って、MVを観たらものすごくかっこよくて、「なんだこれは」とちょっと調べてみたところ、フィンランド出身の5人組なんですよ。ざっくり言うとガレージバンドなんですけど、ほんとにこう衝動みなぎっていて。ハープも入ったり、ロックンロールにブルース、すべてが爆発してる。個人的にも大注目ですね。

みの 大注目だと。

秋元 あとこれはいろんなところで書かれてるんですけど、MOJO誌によると「ドクター・フィールグッド・スタイルのパンク・ブルースに全盛期のラモーンズの気迫が相俟っていた」って。

みの 最大限の賛辞くらいの言葉ですね、それは。

秋元 どんな感じだろう?と思うじゃないですか。で、ビデオを観たら「うおー!」みたいな。

みの ほんとにそんな感じだと。

秋元 キタ!という感じがします。

みの USは4パターンで楽しめるんですけども、彼ら本来のスタイルをストレートに観るんだったら28日の「レッドマーキー」ということになるんですかね。

US:7月26日(金) 27:15-28:00 クリスタルバレス、7月27日(土) 15:00-15:20 岩盤スクエア、7月28日(日) 12:40-13:30 レッドマーキー
NIGHT TIME

秋元 そうなりますね。

みの そこも注目という感じですかね。ではラップアップしていきましょうか。

秋元 改めてラインナップを見るだけでも追い切れないくらいですね。

みの そうなんですよね。非常に幅広い。改めて思うんですけど、いろいろ予習して行くというか、旅のしおりみたいな感じで勉強してから行くのも楽しいんですけど、ふと観たミュージシャン、アーティストが超よかったみたいな、そういうのもフェスの醍醐味だと思うんですよね。これだけ幅広いミュージシャン、アーティストが出てるので、自分のテイストをグッと広げてくれるような体験も期待できるのかなと思ったりするんですが。話していると尽きないんですけれども、フジロック2024までもう間もなくとなってまいりました。本日はですね、“ダブルみの”で、わたくしみのミュージックのみのと秋元美乃さんとふたりでおおくりさせていただきました。まだまだ話足りないですが(笑)。

秋元 フジロックは話足りないですね(笑)。

みの はい。このあたりで今回は締めようと思うんですけども。最後に、「FUJIROCK FESTIVAL'24」のチケット情報ですが、現在チケットぴあにて発売中です。ぜひチェックしてみてください。ということで、みなさん苗場でお会いしましょう!

<イベント情報>
『FUJI ROCK FESTIVAL '24』

7月26日(金)~28日(日)
新潟・苗場スキー場

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/events/frf/

公式サイト:
https://www.fujirockfestival.com/

関連リンク

みのミュージックYouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/@lucaspoulshock

DONUT公式サイト:
https://donutroll.tokyo/