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大人も子供も楽しめる音楽劇『おはなしルルラン』。観劇初体験のお子さんにもおすすめ【下司尚実×たむらぱん×河野丈洋インタビュー】

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左から)河野丈洋、下司尚実、たむらぱん (写真:村上大輔)

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振付家・演出家・ダンサーの下司尚実が主宰する、自由型ユニット「泥棒対策ライト」。その3年ぶりの新作「泥棒対策ライト◎おとぎ話ダンス 音楽劇『おはなしルルラン』」が、7月18日(木) から、東京・シアタートラムで上演される。

「ヘンゼルとグレーテル」などいくつかのおとぎ話をベースに、おはなしを聞くのが大好きな女の子・ルルランと、家族、仲間たちが、歌とダンスで“特別な今日”を祝う、大人も子供も楽しめる音楽劇。観劇体験の入り口になればと、80分、30分の2バージョンでの上演となる。そこで作・演出・振付の下司と、ルルラン役のたむらぱん、さらに音楽を手がける河野丈洋に話を訊いた。

――「大人も子供も楽しめる音楽劇」を掲げておられますが、本作立ち上げの経緯を教えていただけますか?

下司 これまでも「泥棒対策ライト」では、子供向けではない作品でもあえて「未就学児500円」を打ち出して、喜んでもらっていた経緯がありました。そんな中シアタートラムさんから、「夏の公演なので子供向け作品を作って欲しい」とのお話があって。じゃあここはちょっと腹を据えて、子供向けの作品をやろうと。ただ子供向けってやり過ぎると、それはそれで子供に舐められて面白くなくなっちゃう(笑)。で、おとぎ話をベースにしたお話を書きつつ、納得いかなかった部分をこうしてやろう、ああしてやろうとやっていくうちに、大人も楽しめる作品になったと思います。

下司尚実

――主人公・ルルラン役へのオファーがあった時の心境は?

たむらぱん 演劇って興味を持っても、なかなか自分で踏み出すことが難しい分野だと思うんです。だからこんな機会が自分におとずれたのであればやってみたいという気持ちと、下司さんとはこれまでつかず離れずの関係性があって。人となりは感じるものがあったので、きっと悪いことは起きないだろう、起きないはずだ、と(笑)。あと音楽に丈さん(=河野)の名前があり、昔からの知り合いだったので一度相談してみたんです。そうしたら「いいんじゃない」みたいな感じで。それならば、とお引き受けしました。

河野丈洋

――では最終的に背中を押したのは、河野さんなんですね。

たむらぱん 確かに(笑)。

河野 いや、本当にいいと思ったんですよ。たむらの歌声はよく知っていましたし、すでに出来上がっていた曲とも合うなと。だからちゃんと理由があっての「いいんじゃない」です。

たむらぱん そうか、理由はあったのか(笑)。

――河野さんも泥棒対策ライトへは初参加ですが、オファーがあった時はどう思われましたか?

河野 嬉しかったですね。2年前に鴻上尚史さんのところの「虚構の劇団」で、井上ひさしさんの『日本人のへそ』をやったんです。13曲くらい歌があって、それを作ったり、実際に上演したりっていうのがすごく楽しくて。ミュージカル的なものはどんどんやっていきたいと思っている時だったので、僕からしても“渡りに船”というか(笑)、共に行こうじゃないか!って気持ちになりました。

たむらぱん

下司・たむらぱん (笑)。

――音楽的にはどんなテイストのものになりそうですか?

河野 下司さんのイメージの中で、このおはなしはこんな感じっていう、おはなしごとの曲の個別化というか、個性の出し方がきれいに分かれていたんです。だからあえて僕がなにか意識することはないような気がして。だから本当にいろいろなタイプの曲がありますね。

――ここまでの稽古の感触、手応えはいかがでしょうか?

下司 (たむ)らぱんさんの演技力も素晴らしいですが、ひとつのものを、みんなで輪になって作ることを楽しんでくださっている姿勢が、今めちゃめちゃ私のエネルギーになっていて。もちろんお客さんに楽しんでもらいたいですが、らぱんさんにも「やって良かった」と思ってもらえるような、そういう地球に優しいゴールを目指していきたいです(笑)。

たむらぱん (笑)。私はお芝居が初めてなので、初日はめちゃくちゃ緊張しました。でもみんなすごく優しくて。音楽の現場って、こういう感じでみんなと作ることってあまりないですよね?

河野 ないだろうね。

たむらぱん だからすごく新鮮な面白さもあるんですけど、なんか羨ましさもあったりして。

河野 わかるわぁ。

下司・たむらぱん (笑)。

――改めてたむらぱんさんにルルランをやってもらうことで、どんな魅力が加わったと思いますか?

下司 らぱんさんは思い切りがいいので、よりルルランがはつらつとなったと思いますし、かわいらしさも倍増していて。あと舞台のことがよくわかっていない感じが、この世界に初めて参加しているルルランと結びつく感じもいいなと思っています。

たむらぱん 確かに、よく“およよ”ってなっていますね(笑)。

――ルルランを演じる上で、特に大切にされていることは?

たむらぱん 今回私が見つけたひと言が“無邪気ってハード”って言葉で……(笑)。まぁ無邪気をやるっていうのはすごくエネルギーを使いますし、大人があれをやるのは本当に大変。きっと大人が見たら、子供っていう感覚を再確認出来ると思いますし、忘れかけていた純粋な気持ちを、ルルランから学べるんじゃないかなと思います。

――この作品を通して、どういう時間、空間をお客様にお届け出来たらと思いますか?

河野 僕は初めて演劇を見たのが30歳ぐらいととても遅かったんです。で、初めて見た時、面白くてびっくりしちゃって。なんでこんなに面白いものを、自分はもっと早くから見てこなかったんだと。それくらいの体験を、この作品でも提供したいなと思いますね。

たむらぱん 私も初めての観劇体験は30歳を超えてからだったんですが、生身の人たちがやるエネルギーにものすごい衝撃を受けたのをよく覚えていて。もしこれが初めての観劇という方がいたら、ぜひそんな感覚を味わってもらいたいですね。

下司 いろいろな情報が手早く目に入るようにはなりましたが、生身の人間がなにかをするってこととは、ちょっと距離が出来ている気がするんです。でも役者の熱量と見ている人の想像力で、映像とは違う、奇跡的なことが起きる瞬間というのは必ずあって。きっと人生の彩りも豊かになっていくと思うので、そういったものを提供出来る時間になったらいいなと思います。

取材・文:野上瑠美子
写真:村上大輔

<公演情報>
泥棒対策ライト◎おとぎ話ダンス 音楽劇『おはなしルルラン』

公演期間:2024年7月18日(木)~ 2024年7月21日(日)
会場:シアタートラム

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/dorotailight/

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