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今季の大一番・ジョージア戦へ、ジョーンズHC「ベストの23名を選んだ」

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再び指揮を執って4戦目、エディー・ジョーンズHCは今週末のゲームを大一番ととらえていた。7月11日『リポビタンDチャレンジカップ2024』日本代表×ジョージア代表の登録メンバー発表会見に出席したジョーンズHCは2日後のゲームに向けて意気込みを語った。

「とても重要なゲーム。今季の大一番になるととらえている。選手たちの取り組み、アテチュード(態度や姿勢)も素晴らしくはこの1週間いい準備ができた。この試合は我々のスタイルを披露できる試合だと思っているし、セレクションも現時点の我々のベストの23名を選んでいると言える」

(写真左より)リーチ マイケル、エディー・ジョーンズHC (c)JRFU

指揮官もリーチ マイケル主将もフィジカルバトルで引くつもりは一切ない。
ジョーンズHC「ジョージア戦ではFWパックとの激突は避けられない。我々はドミネートできるFWを選んでいる。スペースへ展開もできるメンバーも考慮している。(テビタ・)タタフはフランスでトップ4に進出するチームで非常にいいシーズンを送った。現状走れる8番としてベストのプレーヤーだと言える。ファウルア(・マキシ)もイングランド戦は8番でいいパフォーマンスを見せたが、今回はワークレートを考えて6番で起用している。ラック周りでパンチの効いたプレーが期待している」
リーチ主将「すごいいいチャレンジ。僕らは超速ラグビーを目指しているが、フィジカルで対抗しないと超速ラグビーできない。デカいFWをどれだけ止められるか、ジョージア戦はそれを確かめるちょうどいい相手」

本職がFL/NO8であるリーチのLO起用というアイデアもいよいよ日の目を見る。
ジョーンズHC「一番手の4番として今週いい準備をしている。リーチはチームの中で一番のキャプテンとして過ごしている。彼のようなプレーヤーがいることはチームにとって名誉なこと。プレーヤーのアティチュードとして非常に影響力がある。パフォーマンスも申し分ない。4番目のバックローとしても期待している」
リーチ主将「感覚はしっかりつかんでいる。将来的にもっとLOとしてうまくなりたい。(スクラムについて)コミュニケーションをよく取っている。スクラムに関して4番の役割はすごく好き。このチームでフロントローが一番練習していると思う。毎日集まって細かいスキルやテーマ決めたり、ビデオを見たり、たくさん努力している。ジョージアは弱いスクラムではないので、しっかりスクラムを組んでいきたい」

9番齋藤直人&10番李承信、控えSH小山大輝&SO山沢拓也のハーフ団の組み合わせついて聞かれると、ジョーンズHCはこのように答えた。
「齋藤はここまで3試合で非常にいいパフォーマンスを残している。『ラグビーワールドカップ』以降いいパフォーマンスを発揮しているし、世界有数の9番として活躍していると言っても申し分ない活躍をしていると思っている。李はまだまだテストレベルの10番ではプロセスの途中だが、10番の選手層が必要。我々には松田(力也)という経験が深い10番がいるが、今週に関しては李がチャンスを得た。山沢は今年30歳になるが、キャンプでは18歳のようなパフォーマンスを見せている。現状このポジションにレベルが高い3人が揃っていると言える。キャンプのスタート時はひとりだけだったことを考えると非常に成長している。今週末のゲームは今季の中でも非常に大事な試合だが、トップ4になるためのプロジェクトの途中でもあるので、各ポジションでレベルの高い3人を揃えていきたい」

指揮官は齋藤のフランス『TOP14』優勝のスタッド・トゥール―ザンへの移籍を歓迎した。
「北半球と南半球のラグビーを考えると、それぞれ別の半球のラグビーを経験するのは非常に有益だと考えている。北と南ではラグビーの考え方自体が違う。日本は南半球のラグビーの影響が大きいので、北半球で学ぶことが多いと思う。北半球のセットピースのタフさ、シーズンのタフさはどのような選手でも学ぶことが大きい。タタフもフランスへ行って人間的に成熟して帰って来た。直人もフランスへ行くことでいろんな経験ができる。(SHアントワーヌ・)デュポンや(SOロマン・)ヌタマックという世界トップレベルの選手と日々一緒に練習することで、大きな成長の糧になると信じている。日本に帰って来てその体験を共有して来てほしい。2015年の代表チームではリーチのチーフスでの経験を培われた。日本のラグビーとは違うラグビーを共有できるという点で我々にも学ぶことが多かった。直人にも同じ経験が培われると思っている」

テビタ・タタフ (c)JRFU

HCと主将はユニオン・ボルドー・ベグルから帰って来たタタフの成長を口にした。
ジョーンズHC「タタフのボルドーでの活躍もしっかり見ている。実際に3~4週間前にフランスでのプレーも見ている。テビタはシーズンを通してハードワークしている。宮崎キャンプではまだ不慣れなところがあり、まだピークとは言えないが、40~50分プレーできると思う。非常にランニングが強いプレーヤーとして期待している」
リーチ「フィジカリティは世界一だと思う。テビタより強い8番はいないと思う。彼のフィジカリティは非常に頼りになる。日本のファンのみなさんはジョージア戦で久々にテビタを見ることになると思うので、楽しみにしてほしい」

7月8日にメディア対応を行ったLOワーナー・ディアンズも「テビタは強すぎ。コンタクトするのが怖い。フランスでボールキャリーもタックルもまた成長して帰って来た」とタタフのフィジカルに舌を巻いた。

同日のオンライン取材にはディアンズとともに、当のタタフ、WTB根塚洸雅が対応し、次のようにコメントした。

ワーナー・ディアンズ (c)JRFU

ディアンズ「(マオリ・オールブラックスとの2試合目は) アタックも良かった思うけど、ディフェンスがすごく良かった。マオリABに対してしっかり前へ出るディフェンスをできていた。見ていて楽しそうなラグビーをしているので、僕も試合に出たいと思った。
まだ3試合目でこれだけできた。次のジョージア戦も成長できるチャンスなので、すごく楽しみにしている。超速ラグビーをやりながら、コーチが試合に勝つプランを立てている。
ジョージアと言えばフィジカル。すごくパッション持ったチームなので、とてもタフな試合になると思う。フィジカルを生かして相手はモールを組んでくると思うので、そのモールを止めないといけない。相手のフィジカルに対して、自分たちがディフェンスでしっかり止めて、超速ラグビーができるかどうかで勝てるか勝てないかが決まると思う」

タタフ「(超速ラグビーは)スピードが速い。あとはFWが走り勝つ感じ。フランスではフィジカルなラグビーをしてきたので、そこが違う。こっちももちろんフィジカルはあるけど、スピードの部分が速い。そこがチャレンジ。
(フランスで成長した点は) 自分的にはフィジカルが伸びたと思っている。当たる時の強さも。ボールを持って前へ出られるようになった。シーズンが終わって少し体重が増えたので、しっかり落として、超速ラグビーでいいプレーができるようにしたい。
(ジョーンズHCに求められた役割は) アタックのところ。『ボールキャリーでどんどんゲインラインを切る。自分のスキルで前に行くことを、日本でもやってほしい』と言われた」

根塚「(マオリABとの2戦目は)どういうラグビーするかの理解度を高まってきた。イングランド戦はそのタイミングでのベストの準備をしたが、実際試合をして、『こうすればいい』『こういうアタックに取り組まないといけない』と課題が出て、練習で取り組んで、クリアになってきた。最初の頃に比べるとどんどんできるようになっている。
(ジョージア戦は) 次に関してはテストマッチ、負けられない試合になると思うので、マオリAB戦よりも勝ちに貪欲、ハングリー精神を持っていかないといけない。イングランドに負けているので、今後の日本代表の通過点として、ここで勝つことで自分たちの形が仕上がってくると思うので、次のジョージア戦はすごく重要だと思う。
(超速ラグビーは) 僕が一番目指しているのは相手が嫌がるラグビー。テンボの速さだけではなく、コミュニケーションの早さもあるし、仕事量とか、セットの早さとか、スキル以外のところをまずやっていかないといけないと思う。ディティールの部分の早さをまず世界一にしていかないといけないと思っている」

根塚洸雅 (c)JRFU

【ラグビー日本代表試合登録メンバー】
1茂原隆由(静岡ブルーレヴズ)1
2原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)1
3竹内柊平(浦安D-Rocks)4
4リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)85
5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)12
6ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)6
7下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)5
8テビタ・タタフ(ユニオン・ボルドー・ベグル/フランス)16
9齋藤直人(スタッド・トゥール―ザン/フランス)20
10李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)12
11長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)8
12サミソニ・トゥア (浦安D-Rocks)0
13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)18
14ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)9
15矢崎由高(早稲田大学)1
16坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)42
17岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)0
18為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)1
19サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)3
20ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)1
21小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)0
22山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)7
23根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)2
※所属チームの後の数字は日本代表キャップ数。

果たして、日本代表はジョージア代表を相手にさらなる超速ラグビーの進化を見せることができるのか。『リポビタンDチャレンジカップ 』日本代表×ジョージア代表は7月13日(土)・ユアテックスタジアム仙台、『リポビタンDチャレンジカップ 2024』日本代表×イタリア代表は7月21日(日)・札幌ドームにてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はBS日テレにて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

リポビタンDチャレンジカップ2024のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2450747