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葵わかな&木村達成の姿が 白井晃演出『セツアンの善人』メインビジュアル公開

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『セツアンの善人』メインビジュアル (撮影:山崎伸康)

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白井晃が演出を務める『セツアンの善人』のメインビジュアルが公開された。

『セツアンの善人』は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが亡命先で執筆し、1943年にスイスのチューリッヒで初演された作品。「人はどこまで善人でいられるのか」「人はお金で幸せになれるのか」という現代社会に生きる人々にも通じる痛切な問いかけが、心優しき女性シェン・テと、ビジネスに徹する冷酷な青年シュイ・タという真逆な人物を通して描き出される。

今回の上演では、ドイツ文学者の酒寄進一が新訳を手がけるほか、ミュージカルやストレートプレイまで数々の音楽を作曲し、2023年に上演された『ある馬の物語』でも白井とタッグを組んだ国広和毅が音楽監督を担当。パウル・デッサウの楽曲をもとに、歌ありライブ演奏ありの臨場感のあふれる舞台となる。

公開されたビジュアルには、貧民窟に暮らす心優しき娼婦のシェン・テと、冷酷にビジネスに徹する架空の従兄シュイ・タを一人二役で演じる葵わかな、シェン・テが恋に落ちる失職中のパイロット、ヤン・スンを演じる木村達成の姿が収められている。

なおそのほかのキャストとして、神様と交信する水売りのワン役を渡部豪太、息子を溺愛するヤン・スンの母親のヤン夫人役を七瀬なつみ、シェン・テが買い取ったタバコ屋の元オーナーである未亡人のシン役をあめくみちこ、シェン・テのタバコ屋に居座る大家族の祖父役を小林勝也、そして下界で善人探しをする人間臭い3人の神様役をラサール石井、小宮孝泰、松澤一之が演じるのに加え、栗田桃子、粟野史浩、枝元萌、斉藤悠、小柳友、大場みなみ、小日向春平、佐々木春香が名を連ねた。

併せて白井と葵、木村からのコメントが到着した。『セツアンの善人』は、2024年10月16日(水) から11月4日(月・休) に東京・世田谷パブリックシアター、11月9日(土)・10日(日) に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。

白井晃、葵わかな、木村達成のコメント

■上演台本・演出:白井晃 メッセージ(チラシより)
この世の中でホントに善人でいることができるのか?善意と言われても、無料の奉仕などあり得るのか、自己満足もしくは何か裏にあるのではないかと疑ってしまう。そんな殺伐とした世界に私たちは生きている。
真に人と人とが信じあえて、思いやれる時が来たらと願っても、そんなことなど絶対にあり得ない、信じる方が愚かだと思えてしまう。私たちは諦めの中に生きている。だからこそなお、今このブレヒト作品を上演する意味があると思ったわけなのです。パンデミックや災害、戦争の悲壮を身近に感じる中で、社会の原理が本質的に変わることを目指すべきとした、かつてのブレヒトのメッセージはより一層強力に心に響くのです。
演劇に社会を変える力など、もはやありはしないのかもしれない。
それでも、主人公シェン・テを今の世界を生きる人間として描くことで、少しの時間だけでも演劇の力を信じたいと思うのです。

■葵わかな コメント

シェン・テと、シェン・テが劇中で演じるシュイ・タの二役を演じます。なかなか複雑な構造の二役に挑戦することになります。シェン・テはとてもお人好しな性格で神様から善人だと認められ、逆にシュイ・タは周囲から冷酷な人物だと評価されています。果たして本当にそうなのか、見ている人によっても色々と感じ方が変わるような役でもあると思うので、そういう部分も楽しんでいただけるように頑張りたいです。
今回、演出の白井さんとは初めてご一緒させていただきます。白井さんは俳優の新境地を開拓してくださる印象があったので、私も新しい挑戦ができることをとても楽しみにしております。
『セツアンの善人』は80年以上前に書かれたお話ではありますが、素敵な共演者の皆様と演出の白井さんとともに、今を生きる私たちにも響くようなメッセージをしっかりと表現していきたいです。また音楽の力によって、より親近感や楽しい瞬間も生まれるような作品になればいいなと思っております。

■木村達成 コメント

失業中のパイロットの青年、ヤン・スンを演じます。ヤン・スンは一見すると嫌な奴のように思えるのですが、とても人間らしくもあって、そういったところに親近感を覚えています。
白井さんの演出作品にはこれまで2度出演させていただきましたが、いつも自分はどうあるべきなのかといったことや、人のために何かをする自己犠牲の気持ち、観客の皆様に与える影響などについて考えるきっかけを与えてくださり、自分が変わる瞬間に何度も立ち会っていただきました。今回、世田谷パブリックシアターで『セツアンの善人』に出演することになり、改めてそういったことをたくさん考えられる稽古が待っていると思うと、少し不安でもあり、同時に楽しみでもあります。
約1年ぶりの舞台出演となりますが、この作品を観ていただいた皆様に、“面白そうな奴だな”と思っていただけたら幸いです。

【あらすじ】
善人を探し出すという目的でアジアの都市とおぼしきセツアンの貧民窟に降り立った3人の神様たち(ラサール石井、小宮孝泰、松澤一之)は、水売りのワン(渡部豪太)に一夜の宿を貸してほしいと頼む。ワンは街中を走り回って神様を泊めてくれる家を探したが、その日暮らしの街の人々は、そんな余裕はないと断る。ようやく部屋を提供したのは、貧しい娼婦シェン・テ(葵わかな)だった。その心根に感動した神様たちは彼女を善人と認め、大金を与えて去っていった。それを元手にシェン・テは娼婦を辞めてタバコ屋を始めるが、店には知人たちが居座り始め、元来お人好しの彼女は彼らの世話まで焼くことになってしまう。

ある日、シェン・テは、首を括ろうとしていたヤン・スン(木村達成)という失業中の元パイロットの青年を助け、彼に一目惚れをしてしまう。その日からシェン・テはヤンが復職できるように奔走し、金銭的援助もしはじめるのだが、その一方で、人助けを続けることに疲れ始めていた彼女は、冷酷にビジネスに徹する架空の従兄、シュイ・タ(葵わかな・二役)を作り出し、自らその従兄に変装をして、邪魔者を一掃するという計画を思いつく……。

<公演情報>
『セツアンの善人』

作:ベルトルト・ブレヒト
音楽:パウル・デッサウ
翻訳:酒寄進一
上演台本・演出:白井晃
訳詞・音楽監督:国広和毅

【出演】
葵わかな 木村達成 渡部豪太 七瀬なつみ あめくみちこ
栗田桃子 粟野史浩 枝元萌 斉藤悠 小柳友
大場みなみ 小日向春平 佐々木春香
小林勝也 松澤一之 小宮孝泰 ラサール石井

【演奏】
磯部舞子(Vn. 東京公演) 島津由美(Vc.) 熊谷太輔(Perc.)/加藤優美(Vn. 兵庫公演)

【東京公演】
日程:2024年10月16日(水)~11月4日(月・休)
会場:世田谷パブリックシアター

【兵庫公演】
日程:2024年11月9日(土)・10日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

兵庫公演のチケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2422537

公式サイト:
https://setagaya-pt.jp/stage/16042/

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