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草間彌生、奈良美智、金氏徹平ら115組の作品で日本の現代美術を展観 『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』8月3日から

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奈良美智《Untitled》1999 年 © NARA Yoshitomo, courtesy of Yoshitomo Nara Foundation 高橋龍太郎コレクション蔵

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日本の現代美術の最も重要なコレクションとして知られる「高橋龍太郎コレクション」。3500点を超える収集品のなかから、伝説の作家から最新の若手まで、総勢115組の作家の作品を選りすぐり、日本の戦後現代美術史の全貌をたどる展覧会が、8月3日(土)から11月10日(日)まで、江東区の東京都現代美術館で開催される。

敗戦の翌年の1946年に生まれ、団塊の世代の始まりとして育った高橋は、全共闘運動に参加し、文化と政治が交差する1960年代の空気を色濃く吸い込んだのち、精神科医として地域医療の推進に尽力した。その活動が軌道に乗った1990年代半ばよりコレクションを開始した高橋は、現代美術の動向を内側から観察し、表現者とは異なるかたちでその重要な部分を体現してきた存在だ。

青木美歌《Her songs are floating》2007 年、北海道立近代美術館 30 周年記念展示「Born in HOKKAIDO」(2007 年) 展示風景 撮影:小牧寿里 高橋龍太郎コレクション蔵

同展は、戦後世代のひとつの顔としての高橋龍太郎の視点を手がかりとして、日本の戦後美術をたどる展覧会だ。1990年代から2000年代にかけての日本の自画像のような作品群から、東日本大震災以降に新たな傾向を見せるに至ったコレクションの流れは、高橋の眼が現代日本の姿をとらえた「私観」としてたどれると同時に、時代の感覚の変化を映し出したものとしてもとらえられるという。

同展の魅力のひとつは、日本の文化や社会、そして時代に対する批評精神あふれる重要な作家たちの貴重な初期作や代表作が並ぶこと。個人が収集するスケールを軽く凌駕する大型のダイナミックな作品群が、同館の2フロアにわたる広大な展示室を埋め尽くすのも見どころとなっている。

金氏徹平《White Discharge(建物のようにつみあげたもの#21)》2012 年 Photo: Shigeo Muto 高橋龍太郎コレクション蔵

高橋龍太郎コレクションの形成は、1995年に開館した東京都現代美術館の活動期と重なっており、東京という都市を拠点に形成されたこのふたつのコレクションは、互いに補完関係にあるとも言えるのだとか。今回の展覧会は、同館がこれまで体現してきた美術史の流れにひとつの「私観」を導入しつつ、批評精神にあふれる日本の現代美術の重要作品を総覧する貴重な機会となるもの。日本の現代美術史の入門編でもあり、また決定版とも言える展覧会をお見逃しなく。

<開催概要>
『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』

会期:2024年8月3日(土)~11月10日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F
時間:10:00~18:00、8月の金曜は21:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
料金:一般2,100 円 、大学・65歳以上1,350円、高中840円

公式サイト:
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/TRC/

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