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サスペンス劇の傑作舞台に主演の上川隆也、「お客様にきっちり『罠』を仕掛けたい」

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上川隆也 (撮影:福家信哉)

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読売新聞創刊150周年記念・よみうり大手町ホール開場10周年記念舞台『罠』。「演劇界のヒッチコック」と呼ばれたフランスの劇作家ロベール・トマが1960年に発表して以降、根強い人気を誇るサスペンス劇で、日本でも何度も上演されている傑作だ。10月4日(金) ~20日(日) の東京公演を皮切りに、大阪、北九州、高松、岡山、愛知、富山で幕を開ける。

物語の舞台はとある山荘。行方不明になった妻の所在をめぐって、謎が謎を呼び、緊張感のあるやり取りが続くセリフ劇だ。わずか6人の登場人物が手に汗握る心理戦を繰り広げながら、衝撃の結末へと向かっていく。

主演のカンタン警部を演じる上川隆也に、脚本を読んでの感想を尋ねると、次のように語った。「邦題でいじみくも『罠』とつけたセンスを見事だと思いました。舞台の幕が開いた瞬間から、まさにお客様に向かって罠が仕掛けられている。このことが60年余りの時間、上演され続けてきたひとつの大きな力だと思います。戯曲を読んだだけで間違いなく面白いと思える作品を、今回の座組の皆さんとお客様に楽しんでいただけるものに仕立てていく過程から楽しみたいと思います」。

カンタン警部については、「一番振り幅を設けやすい人物なのでは」と、そのキャラクターを分析する。舞台稽古はこれから始まる。「舞台初日までにいろいろと、ためつすがめつ考えていきたいと思っています」と、演出の深作健太とともに作り上げたいと意気込む。深作演出は2013年上演の『渇いた太陽』以来、2回目だ。それだけに「何の不安も抱いていない。さらに、深作さんは『罠』を何度も手がけていらっしゃることもあって、盤石の思いを持って臨みたい」と全幅の信頼を寄せた。

何度観ても楽しめるサスペンス劇だが、ファーストインパクトも重大だ。「なかでも初めてご覧になるお客様にきちんと罠を仕掛けられるのか。それが、この物語の根幹でもあるので、藤原紀香さんや渡辺大さんら6人で仕掛ける罠の一翼をしっかり担っていきたい」と気合を入れる上川、全国各地の劇場で手ぐすねを引いて待つ姿が目に浮かぶ。

「舞台は闇鍋」と言う。「具材や調味料のことはわかっていても、煮上がってみないと味が分からない。それぞれはよく知っているつもりなのに。それがお芝居の底知れない面白さだとも思います。今回はどう仕上がっていくのか、演出、スタッフ、キャストと試行錯誤を重ねながら、『罠』というひとつの鍋を作っていきたいと思います」。

取材・文:岩本和子
撮影:福家信哉

<東京公演>
読売新聞創刊150周年記念・よみうり大手町ホール開場10周年記念舞台『罠』

公演期間:2024年10月4日(金)〜20日(日)
会場:よみうり大手町ホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/wana/