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「化け猫あんずちゃん」実写の撮影現場はどんな感じだった?キャストの証言で明らかに

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映画「化け猫あんずちゃん」初日舞台挨拶の様子。左から山下敦弘、久野遥子、五藤希愛、市川実和子、青木崇高。

日仏合作のアニメーション映画「化け猫あんずちゃん」の初日舞台挨拶が本日7月19日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われ、キャストの五藤希愛、青木崇高、市川実和子、監督の久野遥子、山下敦弘が登壇した。

いましろたかしの同名マンガを原作とする本作は、人間のように暮らす化け猫のあんずちゃんを主人公とした物語。実写で撮影した映像から芝居を抽出し、アニメーションにするロトスコープの手法で制作された。森山未來がお寺で暮らす37歳のあんずちゃんを演じたほか、和尚の息子に連れられた11歳の娘かりんを五藤、かりんの両親である哲也と柚季を青木と市川が演じている。

撮影は2022年の夏に行われ、五藤は「当時はこんな大きなスクリーンの前に立たせてもらえるなんて思ってもみなかった」と公開を喜ぶ。本格的な芝居は本作が初めてで「素晴らしいキャストの皆さんとお仕事をして、緊張に耐えるのが大変だった」と口にすると、市川は「初めてだったの? 堂々たる姿でした」と言葉を贈る。市川は撮影時、本当に映画になるのか半信半疑の部分もあったそうだが、「妖怪たちがみんな学芸会みたいな格好で、カエルちゃんもただの緑の全身タイツ(笑)。鬼たちもカラータイツを着て、腰みのを着けて、角のカチューシャも着けて。それがすごくかわいくて、いい現場だなあと思ってました」と振り返った。

舞台挨拶では実写とアニメの比較映像を上映。五藤、青木、市川のキャラクターは比較的、本人の顔の造形やシルエットが残っており、市川は「自分がアニメになっているのが本当に不思議。心の底から驚いた」と吐露する。青木も「初めて観たとき自分の芝居の癖が見えて。『あ! この動き知ってる』と変な感じがしましたね」と述懐。五藤はあんずちゃんが木に登るシーンの撮影が印象に残っているそうで「森山さんが木の一番上まで、猫ちゃんみたいにすすすっと登っていったので、びっくりしました」と明かした。

劇中で重要な場面となるお祭りのシーンの撮影はたった1日だったそう。このとき体調不良のため現場にいなかった久野は「ZOOM越しに現場を見てました。そしたら、どんどん山下さんの顔が険しくなっていって……。アクションもあるし、撮ってる量もすごい。お母さんとかりんの大事なシーンもあって。でも実際の映像を見たら、すごくいい表情を引き出されていた。そのとき絵にするのも、がんばらないといけないと気合いが入りました」と回想。山下は「ロトスコープなので天気が関係ないんです。暗くなっても撮れる。でも、今思い返しても、お祭りのシーンを1日で撮ったのは『俺、がんばったな』と思います」と語った。

初日を欠席した森山からはビデオメッセージが到着。「ほんわかしてますけど、さまざまな才能のクリエイターが集まって、実はいろいろやってます。魅力的な作品だと思ってますので、ぜひ多くの方に、老若男女に観ていただきたいです」と話した。

最後に五藤は「あんずちゃんに癒やされるし、とっても素敵な感動する映画になっていると思うので、ぜひぜひ周りの方にも薦めていただいて、何度でも劇場に足を運んで観ていただけるとうれしいです」と挨拶。山下は足掛け8年となった制作期間を振り返りながら、公開を迎えて作品が自分たちの手を離れることへの喜びと寂しさが入り混じった気持ちを打ち明けた。

そして久野も「私にとってもすごく長く作らせてもらった作品。山下さんやいまおか(しんじ)さんと脚本も作って、撮影にも行かせてもらって。撮影された一瞬一瞬の画を見ながら、毎日、仕事をしてました。すごくぜいたくな時間をもらったと思います。その時間が長かったので、ちょっと寂しい気持ちもある。皆さんの手に渡って『あんずちゃんがある世界になったんだ』というのが、すごく感慨深い。作品を楽しんでいただいて、皆さんと共有したいです」と話し、イベントの幕を引いた。

「化け猫あんずちゃん」は全国で公開中。なお舞台挨拶では、10月にスペインで開催される第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭に正式出品されることが発表された。

(c)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会