『ビリー・エリオット』開幕まであとわずか! 成長を重ねた4人のビリーに直撃インタビュー
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インタビュー
左から)浅田良舞、石黒瑛土、井上宇一郎、春山嘉夢一 (撮影:源賀津己)
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すべて見るイギリスの田舎町に住む少年がバレエに目覚め、ロンドンの名門バレエ学校を目指す感動の物語。7月27日(土)にオープニング公演が開幕するミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』の稽古が、ついに佳境へ。長期間に及ぶ厳しいオーディションを勝ち抜き、地道なレッスン、リハーサルを重ねてきた4人のビリー──浅田良舞、石黒瑛土、井上宇一郎、春山嘉夢一に、稽古での新たな経験、本番に向けての思いを聞いた。最初はちょっと緊張気味、でも話せば話すほど和気あいあい、それぞれの個性が滲み出てくるようなインタビューに。
大人の俳優たちの迫力に負けない!
──本格的なリハーサルが始まるまで、皆さんはバレエ、歌、タップダンスに器械体操とさまざまなレッスンを重ねてきたそうですね。その中でとくに新鮮に感じたことや難しかったことを教えてください。
浅田良舞(以下、良舞) 歌です。これまでレッスンを受けた経験がなかったので、音程を取るのがとても難しかったです。ピアノの音をひとつずつ鳴らして、それに合わせて歌う練習をしました。最近は少しずつ、自信を持って歌えるようになってきたと思っています。
石黒瑛土(以下、瑛土) 僕も歌、です。最初は音程も悪かったし、高い声が出なくて苦戦しました。補習を受けたり、YouTubeで調べて練習したりもしました。以前と比べたら成長したなって自分では思っていますが、あとは、一つひとつ意図を考えながら歌えるようにしたいです。
井上宇一郎(以下、宇一郎) 僕は、床に傾斜のある舞台で踊ることが難しくて──。ずっと平らな床のところで練習してきたのですが、いきなり斜めになるとバランスが崩れてしまう。斜めの床での練習をもっと頑張りたいと思います。
春山嘉夢一(以下、嘉夢一) 僕は、タップダンスです。最初はほとんどできませんでした。バレエとは脚の使い方が全然違うんです。力を入れるようで緩めているような微妙な感覚が、とても難しい。「アングリーダンス」というナンバーでは、怒っているときのものすごく強いタップの音、「エクスプレッシング・ユアセルフ」では、きれいに明確な音が打てるように、気をつけて踊っています。
──大人の俳優さんたちとのリハーサルを経験して、手応えを感じていますか。
良舞 最初は迫力に圧倒されました。動きも声も──びっくりしました。僕も負けないように頑張りたいです。
瑛土 初日まで1カ月を切ったので、毎回を本番のように練習しないといけないなって思います。
宇一郎 ビリー役だけの練習に慣れてしまっていたので、大人の皆さんが加わったときは、その迫力に負けてしまいました。いまはもう慣れてきて、僕もその迫力に乗れているように思っていて、前よりさらに楽しくなりました!
嘉夢一 早く本番の舞台に立ちたいなという気持ちです。頑張ってきたことをちゃんと発揮できたら、緊張はなくなると思います。
瑛土 プレッシャーを感じるし、このままでは本番でベストを尽くせない、という焦りもあります。
宇一郎 僕は、本番当日になったらきっと緊張するけれど、いま頑張ることで、その緊張を乗り越えられると思います!
「ワクワクがあふれてくる!」
──お稽古を重ねてきて、「やっぱりこのシーンが好き」とか、「実はこのシーンが感動的」と感じたところはありますか。
良舞 バレエがメインの「エレクトリシティ」とか、皆と一緒に踊る「ソリダリティ」は、すごく楽しいです。バレエを踊るのがすごく楽しいんです。
──「エレクトリシティ」は、ビリーがバレエへの思いを爆発させて踊る名場面ですね。2月のビリー役お披露目の際は、このナンバーを4人で踊るスペシャルヴァージョンで見せてくれました。
良舞 あの時は、皆でひとつの舞台を作るという感じでしたが、今度はひとりでやらなければいけない。バレエの細かい部分、たとえば脚はもっときれいに見せていきたいし、もっと感情を出せるようにもしていきたいです。
瑛土 僕は、「ドリームバレエ」でプロのダンサーと息を合わせて踊ることが、楽しくて楽しくてたまらないです。練習するたびにワクワクがあふれてくるんです!
──バレエダンサーになった大人のビリーとのデュエットですね。ここではフライングも大きな見どころです。
瑛土 本当に空を飛んでいるみたいで、いままでにない経験。「自由―っ!!」って感じます。
宇一郎 僕はいつも、「アングリーダンス」が好きって言っていたけれど、実はボクシングのシーンも大好きなんです。ボクシングコーチのジョージ役は芋洗坂係長さんで、すごく面白い! ボクシングの時間に遅刻したビリーが、マイケルと一緒になってジョージをからかうんです。そういうやりとり、演技がとても楽しいです。
嘉夢一 僕は「レター」が大好きです。感情がたかぶる場面だし、やりがいがあります。
──「レター」というのは、亡くなったお母さんが生前、ビリー宛に書いた手紙を読む場面ですね。
嘉夢一 ビリーとお母さんの思いが本当に伝わってくるシーンなので、あの……、涙がここまで出かかってしまう。感動してしまいます。
──「ドリームバレエ」の話題が出ましたが、この場面で大人の男性ダンサーと踊るデュエットは、どんな思いで取り組んでいますか?
良舞 オールダー・ビリーはやっぱりカッコいいです! それぞれと息を合わせて踊るのは楽しいし、難しいこともあるけど、少しでも見せ方を学びとろうと思ってやっています。
瑛土 厚地康雄さんは海外の舞台で踊られてきたダンサーだし、永野亮比己さん、山科諒馬さんはミュージカルの舞台でも活躍されていて、一緒に踊るととても勉強になります。今回しかできない経験です。
宇一郎 やったことのない技、バレエでは出てこない技をどうやったら上手くできるかも教えてくれます。
嘉夢一 「ドリームバレエ」の音楽が大好き。毎回あの音楽を聴きながらオールダー・ビリーと一緒に踊れるのは幸せだし、とても楽しいです。
一緒に稽古を重ねる仲間へのリスペクト
──皆さん本当に仲良しですね。一緒にお稽古している仲間がどんなビリーなのか、紹介していただけますか。
瑛土 お稽古で一緒にいる時間が長いのは、嘉夢一くん。初めて会ったときから歌の音程がすごく良くて、勉強になりました。一つひとつのシーンに意図が感じられるし、僕も見習いたいなって思いました。
嘉夢一 恥ずかしいな(笑)。瑛土くんは、大人キャストが加わったときも、ぐいぐいと話をしに行ったり、人懐っこいところがあったりして、優しいし、面白い! ずっと一緒にいたくなります。
良舞 僕は宇一郎くんと一緒にお稽古することが多いのですが、すごく芯が強くて、決めたことは絶対に諦めず、最後までやり遂げる。難しいテクニックもやりつつ、きれいに見せるべきところは、一つひとつすごくきれいに見せることができるんです。僕もそんなふうにきれいに見せられたらなって思います。
宇一郎 良舞はテクニックがすごく強いんです。すごいビリーになると思います。僕の中でだけかもしれないけれど、良舞は一番気軽に話せる人。僕のことはそう思ってくれていないかもしれないけど(笑)!
良舞 えー(笑)!?
──やっぱり皆さんとても仲が良いんですね! では最後にあらためて、ビリー役への意気込みを聞かせてください。
良舞 お客さまが物語の中に入り込めるように、一つひとつのシーンに心を込めて踊りたいです。
瑛土 もう何度も言ってきたけれど、自分自身の限界を超えた最高のビリー、自分の限界を打ち破ったビリーに、なります!
宇一郎 やるべきことをしっかりやって舞台に上がって、皆さんに感動を与えられるビリーになりたいです。
嘉夢一 お客さまに、バレエが好きだという気持ち、またビリーの夢を伝え、諦めないで頑張っているとそれが希望になる、ということを伝えたいと思います!
取材・文:加藤智子 撮影:源賀津己
<公演情報>
Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
出演:
ビリー・エリオット(クワトロキャスト):浅田良舞 石黒瑛土 井上宇一郎 春山嘉夢一
お父さん(ダブルキャスト):益岡徹 鶴見辰吾
ウィルキンソン先生(ダブルキャスト):安蘭けい 濱田めぐみ
おばあちゃん(ダブルキャスト):根岸季衣 阿知波悟美
トニー(兄)(ダブルキャスト):西川大貴 吉田広大
ジョージ:芋洗坂係長
オールダー・ビリー(トリプルキャスト):永野亮比己 厚地康雄 山科諒馬
ほか
【東京公演】
オープニング公演:2024年7月27日(土)~8月1日(木)
本公演:2024年8月2日(金)~10月26日(土)
会場:東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】
2024年11月9日(土)~11月24日(日)
会場:SkyシアターMBS
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/billyelliot2024/
公式サイト:
https://billy2024.com/
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