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坂東巳之助と中村児太郎「八月納涼歌舞伎」第一部『ゆうれい貸屋』で、父と同じ役を初役で勤める

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歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」『ゆうれい貸屋』取材会より、坂東巳之助(右)と中村児太郎

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歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」(8月4日初日~25日千穐楽)第一部『ゆうれい貸屋』に出演する坂東巳之助と中村児太郎が取材に応じた。

十八世中村勘三郎(当時勘九郎)と十世坂東三津五郎(当時八十助)らが中心となって、平成2年(1990年)から始まり、花形俳優が活躍する夏の風物詩として人気を博してきた「八月納涼歌舞伎」。今年も恒例の三部制で開催し、第一部では、山本周五郎の小説を原作にした『ゆうれい貸屋』を上演。幽霊との暮らしや奇想天外な「ゆうれい貸屋」の稼業など、一風変わった笑いに溢れる展開が繰り広げられる。

『ゆうれい貸屋』特別ビジュアル

今回、坂東巳之助が桶職弥六、中村児太郎が芸者の幽霊染次と、それぞれ父(十世三津五郎の弥六、中村福助の染次)が勤めた役々を初役で勤めることに。福助も監修として携わっている。長屋を舞台に市井の人々の哀歓を繊細に描いた、味わい深い人情喜劇の傑作に期待が寄せられる。

父と同じ役どころに挑むことになった巳之助は、「親子なので、顔や声が似ている部分はあると思いますが、まったく一緒というわけではありません。身長も違えば、声が似ない部分もあるので、そういった違いはあって当然」と、自分のスタイルを追求したいと意気込みを語る。

児太郎も「どうせ比べられますから」と気負いは見せず、「一番近くて、信頼している先輩ですから、胸を借りてついていければ。ぜひ、巳之助さんと一緒に作っていきたい」と、昨年の『団子売』に続きコンビを組む巳之助に全幅の信頼を寄せた。

また、巳之助は、亡くなった三津五郎さんが同演目に出演した当時を「すごく楽しそうにやっていたという印象がある」と回想。「すごく真面目な人だったので、あまり見かけない姿だった。『また福助ともやりたいな』と言っていたのを覚えていますね」としみじみ語り、「それは叶わなかったので、息子ふたりで実現できれば」と思いを新たにした。

そんな巳之助の言葉を受けて、児太郎も「父同士が作ってきたお芝居なので、『また見たいね』と言ってもらって、またできるように頑張りたい」と抱負をコメント。ポスター撮影の際には、監修を務める福助も立ち会ったといい、「人一倍思い入れがあるようで。巳之助とふたりで、いろいろ怒られながら、いいものにしたい」と話していた。

役どころについては、巳之助が「怠け者で仕事もしないで、奥さんが出て行っちゃっても気にしない。きれいなお姉さんの幽霊にまんまとハマって『ゆうれい貸屋』という商売を始めるんですけど、働くのも幽霊任せで、ダメな男です(笑)。お客様の反感を買わないようにしないと」と解説。また、児太郎は、巳之助について「兄貴派肌で、みんなが頼る人。やる気がないと言いながら、やる気が入った時のスイッチはすごい」と、弥六とは異なる性格だと明かした。

取材・文:内田涼

<あらすじ>
江戸は京橋。桶屋の弥六(巳之助)は、腕は確かながらも仕事もせず、すっかり酒に溺れている。女房のお兼や家主の平作が戒めるのにも耳を貸さず、遂にお兼は実家へ帰ってしまう。やがて日が暮れて、弥六の前に突如現れた美しい幽霊。成仏できず彷徨う染次(児太郎)という芸者の幽霊は、弥六を見染めると、女房にしてくれと言い寄る。戸惑いつつもまんざらでもない弥六は、幽霊との奇妙な暮らしを始める。そんな弥六と染次が思いついたのが、恨みを晴らしたい人に幽霊を貸し出す「ゆうれい貸屋」。その商いは大繁盛するが……。

<公演情報>
歌舞伎座『八月納涼歌舞伎』

【第一部】11:00~
『ゆうれい貸屋』
『鵜の殿様』

【第二部】14:30~
『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』
『艶紅曙接拙 紅翫』 

【第三部】18:15~
『狐花 葉不見冥府路行』

2024年8月4日(日)~25日(日) ※休演:13日(火)・19日(月)
会場:東京・歌舞伎座

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452911

公式サイト
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/878

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