仮面ライダーを演じたDAIGOが子どもたちに伝えたいこと「自分らしさを見つけて我が道を行ってほしい」
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映画 『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』が7月26日(金)に公開となる。
突然、時空ゲートから敵の大軍団が主人公・一ノ瀬宝太郎(本島純政)たちを襲う。敵は未来から送り込まれたらしい――。現在と未来を守るために、宝太郎と九堂りんね(松本麗世)は時空を超える。そこには、幾度も宝太郎たちの窮地を救った未来の宝太郎=仮面ライダーガッチャードデイブレイク(DAIGO)がいた……。
テレビシリーズには声のみの出演のDAIGOが、映画では物語の鍵を握る存在に。物語の見どころはもちろん、DAIGOが考える「ヒーロー」について聞いた。
46歳で仮面ライダーに変身できる未来は想定していなかった
――今回、映画への出演が決まった際のお気持ちをお聞かせいただけますか?
テレビシリーズで、仮面ライダーガッチャードデイブレイクの声を担当させてもらっているんですが、デイブレイクが未来の宝太郎だという話は聞いていました。その中でやっぱり顔も出したい、という欲があったので映画に出演できることはとても嬉しかったですね。
46歳で仮面ライダーに変身できる、という未来は想定していなかったので、生きているといいことがあるんだな、と思えた瞬間でもありました。
――声で出演された際、周りの方や、ファンのみなさんからの反応はいかがでしたか?
最初、ガッチャードデイブレイク役の声を誰が担当するか発表されていなかったんですよね。今まで、アフレコのお仕事を何回かやってきた中で、不評だったものが何作かあったので、今回はどうなんだろう、と緊張していました。ガッチャードデイブレイクという役ですけど、僕の声によって作品をブレイクさせたくないな、という思いはあったので(笑)。
そういう意味では、SNSでも好意的に「これ、DAIGOじゃない?」とザワザワしてくださって本当に嬉しかったですね。
――では、始まる前は少なからずプレッシャーも感じていらっしゃったんですね。
そうですね。完成は僕も観ておらず、みなさんと同じタイミングだったので、ドキドキしながら観ていました。
「未来の宝太郎」を演じる上で大切にしたこと
――ガッチャードファンのみなさんにとっても、ガッチャードデイブレイクの映画への登場は、満を持して、というところですね。
ただ、思った以上に大事な役で。
もう少し、出演は少ないのかな、と思っていたんですけど、かなりキーマンというか。キービジュアルも僕のソロのものもあったりして、「これは大役だ!」と徐々に気がつきました(笑)。
――脚本を読んでの印象はいかがでしたか?
20年後の宝太郎という役どころなんですが、その間に本当に壮絶なことが多くあった先に未来の宝太郎はいます。想像を絶する未来が待ち受けていたということは、台本を読んで初めて知ったので、「これを自分ができるのだろうか」という思いはありました。
でも、選択肢はふたつだけ。できるか、できないか。
できる。
1年続く作品で、テレビシリーズの物語もクライマックスに近づいている中で、この映画でみなさんと一緒に、心をひとつにしていい作品を作りたいな、と思い臨ませてもらいました。
――お話の内容もシリアスですよね。
本当につらく、苦しい未来がそこにはあったんですが、現代の宝太郎は成長しながら、未来を見据えて生きています。役作りの上で、20年後の宝太郎は純政くん演じる宝太郎を意識したほうがいいのか考えたんですけど、つらい経験を経て、ある意味、別人のようになってしまっているのはわかっていました。なので、現在の宝太郎は参考にせずに、20年後の宝太郎として作り上げていこう、と。
あとはメイクや衣装だったり、眼帯も、ですね。そういったもののおかげで未来の宝太郎になりきれた部分もあります。
――未来の自分がこんなに別人のように変わっていたら、ショックでしょうね……。
何があったんだ、って思いますよね。本当は早く事情を話してほしいけど、未来の宝太郎もさまざまな傷を負って生きているから、すぐに語り尽くせるような20年間ではなかったということもあります。その気持ちを、僕の中でも大事にして演じました。
――現場の印象はいかがでしたか?
純政くんやりんね役の麗世ちゃんとか、若いのにしっかりしていて。真面目で、ストイックで、フレッシュでピュアで……エネルギーも満ち溢れているというか。そんなみんなと共演できて本当に僕もパワーをもらいましたし、僕がこの年齢のときはこんなにしっかりしていなかったな、と思いましたね(笑)。本当に誰が見てもしっかりしていて、そこは本当に素晴らしいですよね。リスペクトしかありませんでした。1年間やり続けて、疲れがあってもおかしくないと思うんですけど、微塵もそれを見せない。そして、監督を始め、全員でいいチームワークができている中で、温かく迎え入れていただけたので本当に嬉しかったですね。
熱中できるクリエイティブは素晴らしい
――やはり、今も昔も仮面ライターが憧れの存在だということは変わらないと思うんですが、DAIGOさんにとって、仮面ライダーはどういう存在ですか?
正直、物心がついたころにはすでに存在しているヒーローだったので、いつをきっかけに意識したかは覚えていないぐらいですよ。5歳上の兄がいて仮面ライダー世代ではあるので、観ていたと思うんですけど、もう生活の一部のような存在です。
我が家では「仮面ライダーV3」が人気でしたね。
――当時のことで印象に残っている思い出はありますか?
変身ポーズで変身をしたり、おもちゃで遊んだりはしていましたね。男の子の夢として、変身したい、仮面ライダーになりたいという夢は絶対に持っていますから。
本当に46歳で変身できるなんて、こんな機会はないですよね。子どものころの自分に教えてあげたい……いや、でも教えちゃうと胡坐をかく可能性はありますね(笑)。教えないほうがいいかな。
でも本当にそんな世界線があるなんて。いろいろなご縁で今があるんだな、と思います。
――DAIGOさんは、2012年にウルトラマンサーガにも出演されていて、2大ヒーローを経験されています。DAIGOさんが考える「ヒーローとは」というところもお聞きしていいですか?
なんだろうな……「SSD」という感じですよね。
――それは……。
「スーパースペシャルドリーム」。
――そしてそれでいうと、ロックミュージシャンも夢を与える存在ですよね。
確かにそうなんですけど、3歳の子がロックを好きになるかというとまた少し違うじゃないですか。
ヒーローは子どもも大人も好きだし、本当にスーパーで特別な夢を与えてくれる存在かなとは思います。ヒーローが悪を倒すことで、悪はいけないことなんだと学びますし、ガッチャードでもケミーの組み合わせが足して10になる、というのは足し算の勉強にもなりますよね。(笑)
――確かに……!
7+3とか、6+4とか、いろんな10のなり方が楽しく学べる部分もあるし。
――情操教育的な部分でも。
そうですね。
夢を与えるというのは何よりも素敵なことですから、素晴らしいな、と思います。しかも仮面ライダーは長年続いている、世界に誇る日本のヒーローですから。進化しながらも、アナログな部分も大事にして文化も継承されているのはこの時代に適応していますし、素晴らしいヒーローだな、と思います。
――お子さんが初めて憧れを抱く存在になるかもしれないんですもんね。
僕も、息子がまだ数カ月ですけど、3歳ぐらいになって映画を観たら、「仮面ライダーになりたい」が最初の夢になるかもしれません。「バッタになりたい」という可能性もあるし、わからないですけど(笑)。
でも、本当に素晴らしいですよね。大人になると、夢中になれるものは昔より減ってくるような気がしていて。そんな中で、子どものときに夢中になった仮面ライダーが続いているのは素晴らしいことだし、熱中できるクリエイティブは素晴らしいな、と思います。
大切なのは「我が道をゆく」こと
――現代において、ヒーロー像は変化してきていると思いますか? 憧れの存在がどうあるべきか変わってきていると思うんですが。
いろいろなパターンのヒーローがいて細分化されている部分もありますよね。昔なら絶対的な存在がいましたけど、今はさまざまなことが溢れている中で、自分にとってのヒーローを見つけるのは大事なことだな、と思います。
どんな人がヒーローなのか、なかなか難しい時代にはなっていますよね。だから僕は自分の子どもたちにとってのヒーローでありたいな、とは思います。まあ、中高生になったら、そんなことは1ミリも思われなくなると思うんですけど(笑)。
――小さいころはパパが憧れ、みたいな。
そんなふうに思ってくれたらいいな、とは思います。
――やはり、この映画はたくさんのお子さんが見られると思います。これから成長していく子どもたちに、これだけは伝えたいメッセージを最後にいただけますか。
ノリでSNSはやらないほうがいいかな。
――確かに!(笑)
残りますから。どう残っていくかもわからないので、そこは気をつけてほしいな、と思います。
――人間的に大事にしたほうがいい点についてもお聞きしたいです。DAIGOさんはポジティブで明るくて、観ていて元気をもらう方も多いかと思うんですが、どうしたらDAIGOさんのようになれるんでしょう?
僕はたまたまこんな感じですけど、みんな僕みたいになってもバランスがとれないから(笑)。一番思うのは「我が道をゆく」ですね。
いろんなものに憧れたり、興味を持ったりすると思うんですけど、結局、自分だけの道でしかないので。その道に、自分の好きなものを採り入れたり、何か見つけたり。いろいろな経験をしながら、自分らしさを見つけていって、自分らしく生きることが大事なのかな、とは思いますね。
――人と比べるのではなく。
比べることで能力を伸ばす場合もあると思うんですけど、最終的には自分らしさを大切にしていくことが大事なのかな、と思います。
あとは、思いやりを持って生きていくことだったり、他人に迷惑をかけないという意味では、シンプルに人を殴らないとか(笑)。その年代によってそれぞれの生き方があると思うんですけど、それでも我が道を行ってほしいですね。
『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』は7月26日(金)より全国公開
https://gotchard-boonboom-24movie.com/
撮影/友野雄、取材・文/ふくだりょうこ
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