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上杉柊平の幸せを保つマイルール「自分にとっての“特別”を探す」

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上杉柊平 (撮影:友野雄)

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「おはよう! 昨日のドラマ観たよ!」取材場所に赴くと、共演した細田へ元気に声をかける上杉柊平の姿があった。クールなイメージが、一気に親近感へと塗り変わっていく。

ディズニープラスで配信中の超常ミステリードラマ『七夕の国』で、自身の“力”によって徐々に道から外れてしまう男・東丸高志を演じている上杉柊平。高志と同じ“力”を持つ主人公・南丸洋二(細田佳央太)を利用するため、彼に近づく。“力”の使い方で考えが割れる二人の行く末は……。物語の根幹に関わるところも含め、上杉に話を聞いた。

※ストーリーに関わるネタバレが含まれています。

共演した細田佳央太、山田孝之から得たもの

『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(2023/TBE系列)『となりのナースエイド』(2024/日テレ系列)『ミス・ターゲット』(2024/テレ朝系列)など、出演作が途切れない俳優・上杉柊平。そのルックスと185cmの身長を活かし、モデルとしても活動している。どうしても近づきがたく思えてしまうが、その印象はすぐに覆される。

「『七夕の国』とてもおもしろいですね」と声をかけると「ですよね! おもしろいんですよ、僕も一気に観ちゃいました」とフランクな答えが返ってくる。

「最近の出演作と比べると、確かに『七夕の国』は少しタイプが違う作品かもしれません。でも、だから難しかった! ってことは正直ないです。このドラマでは“球体を操って、ものをえぐる”特別な力が、CGで表現されています。それは現場では見えないものなので、いかにリアルに存在するように見せるか、それが難しかった点ですかね」

細田演じる南丸と、上杉演じる高志が持つ“力”は、次々と大きな事件の発端となり、世間を騒がせる。次元の異なる“力”が謎を呼ぶストーリー展開に目を引かれるが、南丸たちをはじめとするキャラクターたちは、現代を生きる私たちと何ら変わらない存在だ。よって、非現実的ではあるものの、彼らの心理は真に迫ってくる。

「細田さんとのシーンは、とくに終盤にかけてシリアスなシーンが増えていくんですけど、僕はすごく楽しく演じられたと思っています。僕が勝手に細田さんのことが好きで、素敵な方だなって思っていたので、彼の演技を目の前で堪能できてよかったです」

この物語のキーパーソンでもある存在・丸神頼之を演じた山田孝之とのシーンも多かったという上杉。「たくさんのものをもらえました」と語る。

「山田さんは、現場ではまったく表情の動かないマスクを付けていて、声だけですべてのシーンを演じ切らなければならなかったんです。その表現力が、もう、すごくて。違和感が少しもなかったですし、お芝居のすべてが詰まっているようにも感じました」

丸神頼之と高志は、運命をともにする師弟関係にある。俳優同士の関係性が役柄ともリンクしたことで、撮影現場でより多くの刺激を得られたのかもしれない。

超常ミステリーに込められた、さまざまなメタファー

南丸や高志、丸神頼之が持っている“球体を操る力”。世の中を騒がせるのはもちろん、“力”を持つ本人たちをも脅かす様を見ていると、現代でいう“才能”のメタファーのようにも思えてくる。望まずに有してしまった力は、ときに生きづらさにも繋がる。

「自分が持つ力や才能を、どう活かしながら生きていくのか。極論かもしれないですけど、言ってしまえばスマートフォンだって、人類が生み出した特別な利器ですよね。僕たち全員が持っている脳みそだって、そう。それらを使って人を楽しませることもできれば、傷つけることもできてしまう。自ら使っているのか、それとも、使わされているのか……。この物語で描かれている“球体を操る力”は、観る人によってさまざまな解釈が生まれる要素を含んでいると思います」

とある閉鎖的な町・丸川町に伝統として伝わる“七夕祭り”と、丸神家代々に伝わる“力”。この「町」「七夕祭り」「力」のキーワードを抽出しながら本作を紐解いていくと、まさに千差万別な解釈が生まれる。

「丸川町は、見方によっては日本そのものを表現しているのかもしれません。海外から見たら、日本は海に浮かぶ島国ですよね。この小さな範囲で『八百万の神』という精神を尊びながら、1000年も2000年も続く伝統的な祭りを続けている地方もある。まさに丸川町の『七夕祭り』みたいじゃないですか? 僕も父親が東北出身なので、その土地の風習やしきたりに触れながら育ってきました。良い・悪いではなく、そういった伝統の積み重ねが、今の日本をつくっているとも言えるんじゃないか、と」

(C)2024 岩明均/小学館/東映
(C)2024 岩明均/小学館/東映

伝統を重んじる大切さと、文化を外に開き、変化していくことの重要性。『七夕の国』は、そのバランスの悪さを暗に示した作品とも言えるのかもしれない。

「閉鎖的であることは、大切な何かを守っているからこその頑なさでもある。シンプルに善悪で語れることではないですけど、南丸が作中で言っていたように、変化が怖いからって理由だけで、耳を閉ざしているだけの存在ではいたくないな、と思いますね」

高志が道を違えてしまった理由「親と環境」

“力”の使い方における考え方が南丸と割れ、少しずつ道を踏み外してしまう高志。彼は、なんともやりきれない最後を迎えることになる。その瞬間、彼は何を考えていたのか。上杉にその問いを向けてみる。返ってきた答えは「きっと、彼はすでに覚悟してたと思うんです」。

「彼なりに覚悟を決めたターニングポイントは二つあったと思います。一つは、頼之さんが“力”で大きなビルを吹っ飛ばしたのを、真横で見ていたとき。そしてもう一つは、高志が南丸の家に行って『(妹の)幸子(藤野涼子)に、俺が悪かったって伝えてくれ』と、南丸に伝言を頼むシーン。なんとなく自分の運命を悟っていたからこそ、あんなふうに言ったんじゃないかと思います。きっと仮に、もっと早くに幸子に会えていたとしても、高志は言えなかったんじゃないかな。そういう人なんですよ、高志って。幸子がいなかったからこそ、間接的にでも『謝ろう』と思えたんじゃないかな」

本来は、臆病なところもありながら、優しい性格の持ち主だったことが示唆される高志。途中で道を違えてしまった理由について、上杉は「環境と、親じゃないでしょうか」と言う。

「子どもが変化する要素って、環境と、親を含めた大人たちからの教育、この二つの影響が強いですよね。高志がああいう性格になってしまったのは、一人ひとり個性も考え方も違う子どもに対して、それぞれに合った教育や接し方ができなかった結果なんじゃないでしょうか。閉鎖的な村で、価値観を押し付けられるような家庭環境で、生き方が制限されてしまったのが高志。彼だって、褒められたかったし、愛されたかった。欲しいものを得るためには、“力”を使うしかなかった人なんだと、僕は思います」

『七夕の国』は超常ミステリーだが、安易にジャンル分けできる作品ではない。見方を変えることで、現代を生きる私たちにとっても、さまざまな示唆が得られる。

(C)2024 岩明均/小学館/東映

上杉柊平の悩みとの向き合い方

ずっとわだかまりが残っていた妹の幸子に対し、本音を言えなかった高志。家族や友人、大切な人に対して、思いを伝えられる時間は限られている。そんな、儚い現実を見せつけられる。

「基本的に僕は『不言実行』タイプです。口で言わずに行動で示すほうがカッコいいじゃないですか。もちろん、絶対に伝えなきゃいけないことや、言わなきゃ誤解が生まれそうなことについては、ハッキリ伝えます」

悩みや上手くいかないことがあっても、あまり自分から相談することは稀だという上杉。「誰かに相談しないと決められないようなことは、悩んでも仕方ない」と強い姿勢でいる。

「不安はもちろんありますよ。自分の決断に対して『これでいいのかな』って思う気持ちもあるんですけど、たとえ解決できなくても、やるしかないですから。最終的には自分で決断して、行動するしかない。僕が相談するとしたら、仕事でわからないことがあったときですかね。知識が必要な部分に関しては、すぐマネージャーさんに相談します!」

悩みや不安を、上杉は数学に例える。問題文があり、まず、それに対する答えを書く。そして、解くために使う数式はあとからどんどん変えていく。上手くはまらない数式があれば、辻褄を合わせるために、軽やかに別の数式を当てはめる。

「合う数式がなくても、答えが成立していればOK。解く途中だったとしても、次に行くタイミングだったら次に行っちゃいます」と語る上杉は、どこまでも身軽だ。

大切なのは「いま、何をやりたいか」

今年32歳、俳優デビューから9年目の上杉。『HOLLY Q』名義で音楽活動もしつつ、ドラマや映画など映像作品への出演も絶えない。いまの自分を、10代のころの上杉は想像できていたのか。

「あまり先のことを考えないんですよ。昔からそうです。大切なのは『いま、何をやりたいか』で、理想像はないですね。なんとなく漠然としたゴールを据えて、そこから逆算して行動を決めることはあります。でも、その目標も頻繁に変わるから」

正直、俳優という職業に強いこだわりはない、とも話す上杉。

「たとえば、僕は家が好きなんです。理想の家を建てるために、自分にとって心地良い住環境を整えるために、必要なことは何か? と逆算していく。それは、俳優をやっていなきゃ叶えられない目標ではないと思うんですよね。ほかの職業でも達成できるものだから、仕事はなんだっていい。そうなると、やっぱり大事なのは『いま、何をやりたいか』」

小学生のころ、サッカー選手になりたかった子が、夢を叶えられなかったとしても、それは挫折ではない。途中でケーキづくりの楽しさに目覚め、パティシェになるかもしれない。理想やゴールを決め、そこに到達するために努力することは生きる糧になるけれど、この瞬間の欲望に従うことも、間違いではない。

「俺も、まさか自分が俳優をやるなんて、10代のころは思ってませんでした。先のことなんてわからないですし、時代もどんどん変化していく。それなら、いまの自分が思う楽しいこと、やりたいことをやっていくほうが、幸せだと思うんですよね」

自分にとっての特別があれば、幸せ

不言実行を貫き、いつだって軽やかに、いまを大事にしている上杉。自分らしい幸せを実感しながら生きていくためには? と問うと「やりたいことをやる」と即答する潔さがある。

「生きていたら苦しいこともあるけど、趣味とか、好きな友達や家族と過ごすとか、そういう日常を大事にすることが、幸せに繋がるんだと思います」

『七夕の国』本編で、高志が言う。「俺たちは特別なんだ」と。ほかと同じではなく、世間から見て特別であることが、彼にとっての“幸福の証”だった。「僕は、自分にとっての特別があれば幸せです」と上杉は言う。

「世間から見ればそうではなくとも、自分にとって特別だと思える何かが一つでもあれば、幸せを感じます。僕、自分の考え方とか物事の捉え方とか、熱量がなくておもしろくないな、って思ってるんですよ。スッと引いちゃって、俯瞰しちゃうというか。でも、不思議と役者の仕事には向き合えているんですよね」

役者の仕事を本当に楽しめているか、と聞かれたら、ハッキリとYESとは言えない。「しんどいことも多いですから(笑)」と茶目っ気も交えながら、この仕事の不思議さに触れる。

「決して心から『楽しい!』と言い切れる仕事ではないけど、不思議と続けられていることではある。もう10年近くですからね。普段の僕だったら、楽しくなかったら辞めちゃってもおかしくないんですけど、続いてるんですよ。こんなに一つのことが続いたのって初めてなんです。だからこそ、もっとこの仕事を理解したいって思ってるのかもしれません」

この不思議さが、役者という仕事に惹きつけられる所以なのだとしたら、彼は今後も、この不思議さを解明するための数式探しを続けていくのだろう。

撮影:友野雄 取材・文:北村有 ヘアメイク:kazuma kimura(skavgti)
スタイリング:RIKU OSHIMA

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<作品情報>
『七夕の国』

ディズニープラス「スター」で独占配信中

『七夕の国』キービジュアル (C)2024 岩明均/小学館/東映

原作:岩明均「七夕の国」(小学館刊)
監督:瀧悠輔、佐野隆英、川井隼人
脚本:三好晶子、安里麻里、瀧悠輔 脚本協力:大江崇允
出演:細田佳央太 藤野涼子 上杉柊平 木竜麻生 鳴海唯 濱田龍臣 西畑澪花 深水元基 石田法嗣 朝比奈彩 伊武雅刀 三上博史 山田孝之
プロデューサー:山本晃久、若林雄介/中野剛、髙橋直也

公式サイト:
https://disneyplus.disney.co.jp/program/land-of-tanabata

(C)2024 岩明均/小学館/東映

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