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浜辺美波×赤楚衛二 大御所俳優たちの中での成長「結束力が高まりました」

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赤楚衛二、浜辺美波

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2020年コロナ禍真っ只中の日本。未曾有の危機に直面する政府が実行した最後の手段、それは「歴史上の偉人たちをAIで復活させ、最強内閣を作る」ことだった──。

7月26日(金)より公開中の映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』で赤楚衛二が演じるのは内閣官房長官を任された幕末の風雲児・坂本龍馬。そんな彼に新人記者として近づく主人公・西村理沙は浜辺美波が演じている。これまでも共演の経験があるふたりだが、今作では「結束力が高まった」と話す。その理由とは?

大階段に並ぶ“偉人ジャーズ”に圧倒された撮影初日

──赤楚さんは6キロ減量して役に臨まれたとのことですが、見た目や土佐弁以外にも坂本龍馬を表現するうえで意識したことは?

赤楚 今回は僕にとっては初の時代劇ということで、昔からお世話になっているお芝居のトレーナーさんに所作や動きを習いに行きました。その方にはいつも、壁にぶち当たったときに指導をお願いしているんですが……僕はこれまで現代人しか演じたことがないので、あ、妖怪も演じたことはありますが(笑)、昔の人を実際に演じるときの感覚を養いたいと今回もお願いしました。

──トレーナーさんからはどんなことを学んだのでしょうか?

赤楚 座り方から袴を着ているときの歩き方、走り方、手の置き場所といったところを一通り教えていただきました。

──「坂本龍馬を演じる」ことに対するプレッシャーは?

赤楚 ハードルが高すぎて……これまでも素敵な役者のみなさんが坂本龍馬を演じられてきて、それぞれオリジナリティに溢れた素晴らしいお芝居をされているんです。今回勉強のためにそれらを一通り見てみましたが、「この人たちと同じことをしてもダメなんだよな」という思考に辿り着いてから「じゃあ、どうやったら自分らしさって出るんだろう?」とずっと悩んでいました。

──答えは見えましたか?

赤楚 答えはもう“生き様”しかないので、監督と相談しつつ、心のままに演じさせていただきました。

──浜辺さんは観客に近い目線の西村理沙を演じられましたが、どんなところを特に意識したのでしょうか?

浜辺 新人の記者ということで、どちらかというと偉人のみなさんとは対比的な等身大の役だなと感じましたし、視聴者目線の役だったので、地に足をつけて初々しい心で偉人のみなさんと向き合っていけたらいいなと思いました。偉人を演じられるみなさんと対峙したときの、私自身の緊張する思いも全部活かせるんじゃないかと思いました。

──総理官邸の大階段に並ぶ偉人ジャーズを見たときにどう感じましたか?

浜辺 撮影初日に撮ったシーンでしたが、圧倒されましたし、現実味がないというか……台本を読んで役作りもしていくのですが、現場でみなさんがどのような服装をお召しになっているのかわからない部分もあったので、実際に目の当たりにしたときの素直な感情が活かせたと思います。本当に驚きました(笑)。

何度も話し合いながら作っていった理沙と龍馬のシーン

──おふたりはこれまでも共演されていますが、今回お芝居をかけあって感じたことは?

赤楚 「関係性が変わると、お芝居ってこんなに変わるんだ」と驚きました。『思い、思われ、ふり、ふられ』のときに僕が演じた役は、浜辺さんが演じる役に色んなものを与えられた印象が強かったんですが、今回は与えていく側といいますか。龍馬の言葉や思いを受けて理沙が変化していく印象が強くて、そのときに浜辺さんの芝居の受け方が……本当に心から(龍馬が与えるものを)食らっているような顔をされるので、ありがたいなと。全力の剛速球を投げても、ちゃんと受け止めてくれる深さみたいなのを感じました。

浜辺 クランクインの1か月くらい前まで、赤楚さんとは11月に公開される『六人の嘘つきな大学生』で共演していたので、“お久しぶり感”はまったくなくて。でも、偉人と記者という役で変わった関係性に対して前の役を引きずるといったようなことはなかったです。

それよりも、今回は武内英樹監督から会話のスピード感について「リアルさよりも、視聴者さんが理解しやすいように作りたい」との指南をいただいたので、そのテンポ感をどうするかというところに結構戸惑いました。赤楚さんとふたりのシーンでも、かけあいのスピードやタイミングをつかむのに最初は苦労して。話し合いながら一緒に作っていけてすごくやりやすかったですし、たくさん相談に乗ってもらって助けていただきました。

赤楚 「この間をちょっと削った方がいいんじゃないか」とか、そういう話をしましたね。

浜辺 「どこからセリフを返した方がやりやすいか」とか。いろんなことがちょっとずつズレると本当に全部がうまくいかなかったりするので、テストを何回も重ねてやっていました。

──これまでも、そうやっておふたりで話し合ってお芝居してきたのでしょうか?

赤楚 話し合ってないかな?

浜辺 そうですね。

赤楚 今回はかなりガッツリとふたりのシーンが多かったっていうのもありますし、武内監督の世界観をすり合わせつつだったから、話し合ったのかもしれないですね。

浜辺 現場に若手ふたりという状況も関係していたかもしれません。大御所のみなさまがいらして、中間の方がいらっしゃらなくて、若手の私たち、みたいな感じだったので……初日から戸惑うことが多くて「いま挨拶行く? どうする?」、「もう挨拶行った?」など話していました(笑)。そういったことを普通にお話しできる関係性だったのが、とてもありがたかったです。

赤楚 結束力が高まったよね(笑)。

浜辺 本当に(笑)。

酸欠になりながらも真摯に役と向き合っていた豪華俳優陣

──徳川家康を演じる野村萬斎さんとのシーンも多かったおふたりですが、萬斎さんのお芝居から感じたことは?

赤楚 肌でも感覚が伝わる言葉の響きが……人間じゃなくて神に近い存在なんじゃないかと思ってしまうほど、萬斎さんのお芝居の説得力が本当にすごかったです。勉強して真似できるかって言ったらそういうものでもないと思うので、自分の身に置き換えることはできませんが、「こんなに素晴らしい方がいらっしゃるんだ」と気づかせていただいた、社会科見学のような感覚でした。

浜辺 いろんな方が徳川家康という人物を演じているなかで、萬斎さんにしかできない説得力のある家康さんでしたし、どこか温かみもある、見ているだけで少し泣けてくるような瞬間もありました。目の奥がどこまでも遠く広がっていて歴史を感じる晩年に近い家康像がそこにあったので、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』という“もしもの世界”に一番最初に連れて行ってくださる存在だったかなと思います。

──家康が国民に語りかけるシーンもすごかったですね。

浜辺 エキストラさんの人数すごかったですよね。

赤楚 1000人超えてた? あれ、俺盛ってる?(笑)

浜辺 3日間で延べ1500人だそうです(笑)。あの台詞、本当に長いんですよね。15分くら喋ってるかな?

赤楚 喋ってるね。カットもすごい割るから。

浜辺 それぞれの偉人さんがセリフを聞いているカットもあるので、その分また1から萬斎さんがセリフを言われるんです。武内監督が「ちょっとテンポが速いので、聞きやすいように」とディレクションされていて、そうすると酸欠になると思うんです。

赤楚 声も張らないといけないですし、実際にみなさん息がしんどそうでしたよね。本当にハードな撮影だっただろうなと思いますが、「伝えよう」という思いがビシバシ伝わるからこそ、ああいった映像になったんだと思います。

浜辺 空気が震えている感じがしました。

赤楚 したよね~、ビリビリと。

浜辺 私は記者役で話を聞いている側でしたが、後ろにいらしたエキストラさんたちの熱や盛り上がりがすごく感じられたんです。ストーリーの全貌をほぼ知らないで参加してくださっているエキストラさんたちが、萬斎さんや竹中さんの熱量に驚かれて、すごく真剣に向き合ってくださっているのが伝わってきて、本当に感動しました。

──改めて、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』に出演して得たものとは何だったでしょうか?

赤楚 時代劇に対する向き合い方を学ばせていただいたと思いますし、「時代劇ってこういうものなんだ」と知ることができた一番最初のきっかけになったので、今後にも活かしていければと思いました。

浜辺 私は昨年が自分のなかでもいっぱいいっぱいだったと言いますか……キャパシティ的にギリギリのところをさまよっていて。そのなかでも、もし徳は考えることや悩むことが多かった作品でもあったので、「もっと脳みそを使う環境に行かないといけないな」とさらにたくさんの課題が見つかったような撮影期間でした。

もうひとつ、豪華俳優陣のみなさまがお忙しいのに酸欠になりながらもずっと穏やかに、現場で誰よりも真摯に作品や役に向き合っていらっしゃったので、その姿勢を見せていただいて心が引き締まりましたし、「自分もそうなっていきたいな」という思いが強くなる現場でした。

「浜辺さんは大女優感を出さない」「赤楚さんは一切の尖りがない」

──今作は現代の日本人に向けても考えさせられるセリフやメッセージが多かった印象です。おふたりはどんな日本人でありたいと考えますか?

赤楚 自分で考えて自分の意見を持って、行動することができる日本人ではありたいです。いまの世の中は情報過多で、なにを信じていいのかわからないところはありますが、だからこそ意見を持ちつつ、何事も信じすぎず、バランスのいい日本人でいたいですね。

浜辺 政治と向き合っていきたいなと思います。関心を向けないとすぐに距離ができてしまい難しくなってしまうと思うので、常に向き合い続けて考えていくべきだと思いました。あとは、海外旅行も好きですが、日本の各地に足を運んで文化に触れてみたり、守るべきものを継承していけるような日本人でありたいと思っています。

──海外に行ったときに感じる日本の良さなどはありますか?

赤楚 保険とご飯、安全性ですかね。逆に、海外に行って魅力的に感じることが僕は多い気がします。国籍問わずいろんな人がいて、ファッションもバラバラで、同じ季節に半袖の人もいたり、ダウンを着ている人もいるんですよね。それってすごく自由で、それぞれが個として認められているような心地良さを感じます。日本だとみんなと足並みを揃えないといけないような空気があって、例えば今日みたいに猛暑の日にロンTを着ていたら「変なやつ」って思われたりするじゃないですか(笑)。

浜辺 そうですか?(笑)

赤楚 そんな空気あるでしょ?(笑)別に悪いことではないと思いますが、海外の“個として居られる”感じが素敵だからぜひ真似したいなと思って、僕はこれからもロンTを着ていこうと思います(笑)。

浜辺 下駄を履いて現場に行ったりね(笑)。

赤楚 それはちょっと違くない?(笑)

浜辺 私は海外に行くと、日本の安全性をすごく感じます。女性が1人で夜出歩いても、危機感なく歩けるというのはすごくありがたいことだなと思います。海外では安全だとしても怖さを感じますし……夜普通にコンビニに行けるというのがすごいことなんだなと思いました。

赤楚 とはいえ、東京でもちゃんと人がいる大通りに出るんだよ。

──いまのやり取りでも伝わってくるようにとても仲の良いおふたりですが、お互いに役者として魅力に感じるところは?

赤楚 僕にとってはもう、大女優・浜辺美波っていうイメージなんですよ。

浜辺 ええぇ~(笑)。

赤楚 いや、ほんとにさ。『ゴジラ-1.0』で賞(第47回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞)を獲って、堂々と歩いているさまとかを見ると本当にそうなんですけど、現場で大女優感をまったく出さず、むしろ「主演としてどうあるべきなんだろう?」とか、お芝居についても真摯に向き合っていて。「ここまでの人でもこんなに悩むのか」と思うと……しかもまだ23歳で、驕りもなくそこまでできる人っていうのはすごいですよね。見ていて僕も身が引き締まるというか「がんばらないとな」と思います。

浜辺 赤楚さんは誠実な方だなと思います。ほかの俳優のみなさんも真摯に役と向き合っていらっしゃいますが、どんな現場でもとにかくまっすぐに向き合われる赤楚さんの姿が印象的で、一切の尖りがないんです。それって珍しいことだなと思っていて……みんなどこかに鋭いナイフのようなものを持っていると思うんですけど、赤楚さんはそれがすごく丸くて。現場で「どう人に伝えるか」といったことを客観視して、タイミングを見て冷静に行動していらっしゃる方なので、そこが珍しくて稀有で「価値があるな、素晴らしいな、見習わなきゃな」って思ってまつ(笑)。

赤楚 噛んだじゃん最後!(笑)

浜辺 ふふふ(笑)。

赤楚 分析されている感じがすごく恥ずかしいですが(笑)、ありがたいです。

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<公演情報>
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
全国公開中

Ⓒ2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会

監督:武内英樹
出演:
浜辺美波 赤楚衛二
GACKT 髙嶋政宏 江口のりこ
池田鉄洋 音尾琢真 小手伸也 長井短
観月ありさ 竹中直人
野村萬斎


取材・文/とみたまい、撮影/映美

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