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芸風が正反対の二人が交互にトリをとり合う10日間『吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集』

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映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。

【水先案内人 山本益博のおススメ】

毎夏恒例になって久しい、柳家さん喬と柳家権太楼が連日交互にトリをとり合う10日間。

二人は東京の落語界の重鎮で、現在円熟の域に達していて「重要無形文化財」レベルの落語家である。ただし、芸風は正反対と言ってよい。さん喬はしみじみと聴かせる派とするなら、権太楼は人情噺も得意とするが、長屋噺でも爆笑をとる笑い派である。

先日、人形町の社会教育会館での独演会で聴いた『青菜』は、面白かった。この噺、ストーリー展開が単調で、かなりの落語家が夏になると高座にかけるものの、すでに噺を知っている客は、噺の運びにすぐに飽きてしまう。そこを面白く聞かせるのが落語家の腕前であることを、先日の高座で改めて教えられた。

この『青菜』を権太楼が16日に演る。その日のトリは、さん喬の『たちきり』で、10日興行の1日の中で、とくにお薦めしたい。さん喬のトリネタでは、12日の『男の花道』、20日の『子別れ』、権太楼のトリネタでは15日の『唐茄子屋政談』、17日の『宿屋の仇討』がいい。

<公演情報>
鈴本演芸場 8月中席
『吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集』

8月11日(日)~20日(火) 東京・鈴本演芸場

公式サイト:
http://www.rakugo.or.jp/