苦しみに抗う人々の信仰と“舞”…劇団ヨアガキの神楽物語集「魚鱗之舞」
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劇団ヨアガキ 神楽物語集・二「魚鱗之舞」チラシ
「劇団ヨアガキ 神楽物語集・二『魚鱗之舞』」が、10月25日から27日まで京都・THEATRE E9 KYOTOで上演される。
劇団ヨアガキは、2021年に結成された京都の演劇企画。彼らが2022年に上演した「神楽物語集・一『水魚之仰』」では、ある国のはるか昔、自然の理不尽さの中で、人々が拠り所として“人魚信仰”を生んだ様子が描かれた。
その続編となる今作では、その数百年後、自然や人間を支配することを覚えた人々の信仰と、信仰をもってしても対処できない理不尽と向き合う姿を描き出す。ある役人が洪水で壊滅した村に送られたが、そこはとある信仰により、人魚の肉を奉る村だった。役人がその村で目にしたのは一心不乱に踊り続ける人々で、その中心では1人の少女が舞っていた。
作・演出を担う興梠陽乃は「踊ることは祈ることだと、これほど実感した数年間はありません。現代ではしばしば怠惰や享楽、未熟さを現す行動として『踊ること』は批判されます。しかし、人間はどの国、いつの時代においても踊って来ました。苦しみや悲しさを狂乱と笑い声に載せて世の中に解き放つため、どうにもならない理不尽に対抗するため、生まれたことが報われるよう、願い、祈り、踊って来ました。今もこの世界は苦しみと悲しさに包まれているんだと、暗澹たる気持ちになることがあります。そうして動けなくなったとき、私の心身を突き動かしてくれたのは悲しい時代でも踊り続ける仲間たちの姿でした。苦しみの中で抗う人々、それでも祝祭を行い踊り続ける人々のためにこの作品を作ります」とコメント。出演者には河野寿、畠山葵、藤村弘二、山本真央、乱痴パックが名を連ねた。
上演時間は約1時間30分を予定。なお劇団ヨアガキの公式YouTubeチャンネルでは、「神楽物語集・一『水魚之仰』」の全編映像が公開されている。
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