『SPARK!!SOUND!!SHOW!! 15th Anniversary Show〜QUATTRO Series〜 おどれしゃれこうべ』7月31日 渋谷クラブクアトロ (Photo:Taka "nekoze” photo)
Text:吉羽さおり Photo:Taka "nekoze” photo
結成15周年を迎えたSPARK!!SOUND!!SHOW!!(通称:スサシ)が、東名阪のCLUB QUATTROをまわる対バンツアー『SPARK!!SOUND!!SHOW!! 15th Anniversary Show〜QUATTRO Series〜 おどれしゃれこうべ』を開催。大阪公演ではゲストにヤバイTシャツ屋さん、名古屋公演ではKEYTALK、そして7月31日の東京公演では9mm parabellum Bulletを迎え、全公演ソールドアウトの盛り上がりで各会場を沸騰させた。10月末からは15周年を締めくくる自身最大キャパとなるZepp Seriesの開催が決定している。今回のQUATTRO Seriesは、周年の祝祭感とともに気迫に満ちたバンドの今を伝えるツアーとなった。
登場SEであるATARI TEENAGE RIOT「Digital Hardcore」が爆音で流れると同時に会場内の温度を上げ、「Lovecall From The World」から「Cold Edge」へと頭から怒涛の流れで、歓声や観客一体となったコールを巻き起こしていった9mm Parabellum Bullet。爆裂にテンションの高い曲が並んだ今回のセットリストだが、菅原卓郎(vo/g)のMCによると、対バンするにあたってSPARK!!SOUND!!SHOW!!側にやってほしい曲を聞いたところチヨ(b/cho)から10数曲にわたるリストが返ってきたという。
その熱意を汲んだセットリストになったと同時に、ライブタイトル“おどれしゃれこうべ”に掛けて「Bone To Love You」をプレイし、粋な計らいで15周年を祝った。またこの日は、ファンからの投票で構成された9mm Parabellum Bulletの20周年記念ベストアルバム『THE ULTIMATE COLLECTION-20Year’s,20Bullets-』リリース日。終始盛り上がっている観客に「俺らのレコ発だっけ?」と笑顔を見せ、興奮に染まるフロアに投票1位となった「太陽が欲しいだけ」を投下。そしてラストまで間髪入れずに、ビートとリフのアグレッシヴな応酬で魅せ、観客を頭から飲み込んでいくようなアンサンブルで踊らせる。
SPARK!!SOUND!!SHOW!!のステージでチヨも興奮気味にMCで語っていたが「marvelous」から「Talking Machine」へと天井知らずでボルテージを上げていく展開は最高で、SPARK!!SOUND!!SHOW!!との対バンだからこその攻めの一手で観客の汗を搾り取り駆け抜けていくステージとなった。
最高の一夜となる準備が整ったなか登場したSPARK!!SOUND!!SHOW!!。タナカユーキ(vo/g)の「ガイコツになるまで踊りませんか」という言葉とともに「HAPPY BIRTH DIE」でスタートしたライブは、ウルトラキャッチーなサウンドと強靭なビートでのっけから祭りのムードだ。さらに「むずかしいてれぱしい」から「踊らない」へとBPMもテンションも上げ、観客を座らせてからの一斉ジャンプや凶暴なブレイクビーツでフロアをもみくちゃにする。「イチロックが歌います」というタナカユーキの言葉でドラムセットからステージ最前線に飛び出したイチロー(ds/cho)のパワフルな煽りと、メンバー4人が観客と真っ向勝負するような「TOKYO MURDER」がそこに続き、鋭くとんがったバンドアンサンブルで「Swinga!」を豪快にぶん回す。タナカユーキは、バンドが仕上がっていることに胸を張り、観客には存分に解放して帰ってほしいという。そしてギターロックサウンドによる「ミッドナイトサイダー」で、爽快な夏の風を吹かせた。
中盤のMCでは出演してくれた9mm Parbellum Bulletへ感謝を伝えつつ、「20周年! レコ発!? 俺たちの15周年が霞む」(タナカ)と言いながら先輩の周年も祝う。「ガチオタなので」と9mmに演奏してほしい膨大なリストを送ったチヨは、いつか一緒にライブをしたいという思いが叶ったといつにも増して饒舌に話し、また自身がベースを振り回すスタイルは9mmの中村和彦(b)に倣ったものだと明かした。バンドの記念すべき年に、リスペクトするバンドと同じ板の上で対峙できるのは格別だろう。
エモーショナルな歌が冴える「優気」ではじまった中盤では、今回のQUATTRO Seriesの3公演それぞれで披露している新曲から、東京公演ではラテン的ビートのアグレッシヴなミクスチャー「CARNIVAL」をプレイ。新曲も続々とできているようで来るライブへの期待も募る。そして「MAD AGE」「MAD HYMN」でタクマ(g)が重厚なギターリフを奏でヘビーな重低音サウンドでフロアを震わせると、「BRUSH UP」で観客のハンドクラップとともに爆発。大合唱必至の「ダンザーラ」でステージ上もフロアも声を張り上げ、歌い、踊る。
このライブの直前にはFUJI ROCK FESTIVAL ‘24の前夜祭ステージに出演したSPARK!!SOUND!!SHOW!!。「15年バンドやってよかった。でもまだ踏んでないステージがある」(タナカ)といい、発表となったZepp Seriesへの思いも語った。マネージャーや関わっているスタッフなど15年でチームの仲間が増えた、その最高のチームで最高のZepp Seriesにするので、応援をしてほしいという。
タナカは「みんなでクソやばい景色をZeppで見ましょう」と声を上げた。そしてここから、その荒唐無稽な勢いでZeppへと駆け上がっていくように「DEATHTRUCTION」からド派手なビートとノイズが会場中に暴れ回る「GODSPEED」でタナカはフロアへと乗り出す。観客の熱気がもうもうと立ち込めるところに、また燃料を加えるようにスリリングなミクスチャー「ヘビーローテーション」を放つと、ラストは「YELLOW」で大合唱で観客のエネルギーをひとつにした。
アンコールはなし。頭から終わりまでフルスロットルのプレイで、フロアは爆音の心地よい余韻と陽性のエネルギーにまみれている。このQUATTRO Seriesでのたしかな手応えを持って、SPARK!!SOUND!!SHOW!!の4人は10月から自身最大キャパとなるZepp Seriesに臨む。
<公演情報>
『SPARK!!SOUND!!SHOW!! 15th Anniversary Show〜QUATTRO Series〜 おどれしゃれこうべ』
7月31日 渋谷クラブクアトロ
SPARK!!SOUND!!SHOW!! セットリスト
1. HAPPY BIRTH DIE feat.原田ちあき
2. むずかしいてれぱしい
3. 踊らない
4. TOKYO MURDER
5. Swinga!
6. ミッドナイトサイダー
7. 優気
8. CARNIVAL
9. MAD AGE
10. MAD HYMN
11. BRUSH UP
12. ダンザーラ
13. DEATHTRUCTION
14. GODSPEED
15. ヘビーローテンション
16. YELLOW
<ライブ情報>
『SPARK!!SOUND!!SHOW!! ”15th Anniversary Show〜Zepp Series〜”』
2024年10月31日(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside
開場18:00 / 開演19:00
2024年11月19日(火) 東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)
開場18:00 / 開演19:00
【チケット代】
前売:1F4,500円、2F5,500円(2Fは大阪のみ)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2453180
SPARK!!SOUND!!SHOW!! 公式サイト:
https://sparksoundshow.com/