ジャン・ルノワールの生誕130周年記念特集、「ゲームの規則」4Kレストア版など22本
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ジャン・ルノワール (c)Eli Lotar/ les Films du jeudi
フランスの映画監督ジャン・ルノワールを特集する「生誕130周年記念特集 ジャン・ルノワールの現在をめぐって」が、9月6日から10月6日まで東京の東京日仏学院エスパス・イマージュで開催される。
ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーから師と仰がれ、ヌーヴェルヴァーグをはじめ多くの作家に影響を与えたルノワール。彼の生誕130周年を記念して行われる本特集では、19本の監督作がラインナップされた。狩りに集まった上流階級が描かれる「ゲームの規則」が4Kレストア版で初上映されるほか、「ピクニック(1936年)」や「河(1951年)」「フレンチ・カンカン」がスクリーンにかけられる。
さらに、ルノワールに関連するドキュメンタリー3本も上映。「ジャン・ルノワールの演技指導」「現代の映画作家 ジャン・ルノワール 第3部 規則と例外」、「『ピクニック』の撮影風景」がライナップに並んだ。
映画監督の濱口竜介や三宅唱らによるトークイベントも実施。濱口は「ジャン・ルノワールは、徹底して矛盾を生きる。観客の責務と愉悦は、この矛盾に立ち会い、戸惑い、飛び込むことに存する」とコメントを寄せた。鑑賞料金は上映のみが1100円、トーク付上映が1500円となり、9月22日に上映される「マッチ売りの少女」は中学生以下が500円。チケットは8⽉14⽇正午よりPeatixで販売される。
生誕130周年記念特集 ジャン・ルノワールの現在をめぐって
2024年9月6日(金)~10月6日(日)東京都 東京日仏学院エスパス・イマージュ
鑑賞料金
上映のみ 1100円 / トーク付上映 1500円
※9月22日(日・祝)こども映画ワークショップ「マッチ売りの少女」は中学生以下500円
上映作品
- マッチ売りの少女
- 牝犬
- 素晴らしき放浪者
- トニ
- ランジュ氏の犯罪
- ピクニック(1936年)
- どん底(1936年)
- ラ・マルセイエーズ
- ゲームの規則
- この土地は私のもの
- 南部の人
- 浜辺の女(1946年)
- 河(1951年)
- 黄金の馬車
- フレンチ・カンカン
- 恋多き女(1956年)
- コルドリエ博士の遺言
- 捕らえられた伍長
- ジャン・ルノワールの小劇場
- ジャン・ルノワールの演技指導
- 現代の映画作家 ジャン・ルノワール 第3部 規則と例外
- 「ピクニック」の撮影風景
トークイベント
9月7日(土)14:30「コルドリエ博士の遺言」上映後
登壇者:角井誠(映画研究者 / 早稲田大学教授)
9月15日(日)17:15「現代の映画作家シリーズ」上映後
登壇者:木下千花(映画研究者 / 京都大学教授)、角井誠
司会:坂本安美
9月22日(日・祝)11:00 こども映画ワークショップ「マッチ売りの少女」上映
登壇者:ナデージュ・ルレ(映画教育)
10月5日(土)17:00「捕らわれた伍長」上映後
登壇者:濱口竜介(映画監督)、三宅唱(映画監督)
濱口竜介 コメント
générosité(ジェネロジテ)という「気前のよさ・寛容さ」を意味する言葉を目にするたび、ジャン・ルノワールのことを想起する。ジェネロジテは、真に「何かを生み出す」うえで必須のものだ。にもかかわらず、これを有している映画人を彼以外に思いつくことができない。一方で「演技指導」や「撮影風景」を見れば、演技の質を峻別する彼の鋭敏さと厳密さに驚嘆するしかない。ジャン・ルノワールは、徹底して矛盾を生きる。観客の責務と愉悦は、この矛盾に立ち会い、戸惑い、飛び込むことに存する。