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『両大戦間のモダニズム』町田市立国際版画美術館で 戦間期の版画表現におけるモダニズムの展開を約230点でたどる

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エドゥアール・アルーズ《使者》1925年刊、町田市立国際版画美術館蔵

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華やかな社会の繁栄の裏側で戦争へと傾斜していく、ふたつの世界大戦のはざま。この約20年間に焦点を当てた展覧会『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』が町田市立国際版画美術館で、9月14日(土)〜12月1日(日)に開催される。

展覧会は4章構成で、モダニズムの時代を版画で表したアーティストたちの作品約230点を展示。第1章は、両大戦間の前史として、19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパで花開いた平和と繁栄の時代「ベル・エポック(美しい時代)」を紹介する。パリの街は芸術や文学、ファッションの中心地として栄え、多色刷りリトグラフや装飾性豊かなアール・ヌーヴォー様式のポスターなどで彩られていた。一方で、フェリックス・ヴァロットン、ジョルジュ・ルオーらの作品からは、貧富の格差や列強諸国の軍事強化といった不穏な世相が見て取れる。「ベル・エポック」は、第一次世界大戦の勃発で終焉を迎えた。

フェリックス・ヴァロットン《ラ・ペピニエールのポスター》1893年、町田市立国際版画美術館蔵

続いて第2章では、都市をテーマとするファッション雑誌、絵本などの印刷物から、フランス、アメリカ、日本、ドイツ、ロシアの両大戦間の様相を見る。第一次世界大戦後の好景気に湧くフランスとアメリカの、自動車や飛行機、モダンガールなどがモチーフとなる「狂想の時代」。一方、敗戦国ドイツでのマックス・ベックマンら戦争経験者の作品、ロシア革命後、社会主義国家となったロシア(ソビエト連邦)での「ロシア・アヴァンギャルド」。それらの対比にも注目したい。第3章では、写真や映画が新しい表現とされた時代に、版画を制作し続けたアーティストを「抽象表現」「挿絵本文化」「シュルレアリスム」という3つのキーワードで紹介。最後の第4章では、ドイツとイタリアでのファシズム政権の台頭、1939年の第二次世界大戦の勃発という流れにおけるアーティストたちの変化や戦後の展開をたどる。

シャルル・マルタン『スポーツと気晴らし』より、1923年刊、町田市立国際版画美術館蔵

同展に登場するアーティストたちの多くは、青年期に第一次世界大戦を、キャリアの形成期や円熟期に第二次世界大戦を経験している。アーティストたちの眼差しを通じて、今、この時代も見つめ直したい。

<開催概要>
『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』展

会期:2024年9月14日(土)〜12月1日(日)
会場:町田市立国際版画美術館
時間: 10:00~17:00、土日祝は17:30(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
料金:一般 800円、大高400円(9月14日、11月3日は入場無料、9月25日、10月23日、11月27日は65歳以上の方の入場無料)
※特集展示『明治時代の歴史物語―月岡芳年を中心に』も同時開催
展覧会詳細ページ:
https://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2024-561

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