見上愛＆宮世琉弥の“一歩を踏み出すコツ”「本当に叶えたい夢なら、身体が勝手に動く」
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インタビュー
左から）見上愛、宮世琉弥 （撮影／映美）
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「男女交際禁止」の校則を掲げたエリート学園を舞台に、生徒同士の嫉妬や裏切りが渦巻くセンセーショナルなドラマを描いた『恋愛バトルロワイヤル』。8月29日よりNetflixで世界配信がスタートする本作において、主人公・有沢唯千花を見上愛が、本気の恋を知らない男子生徒・真木陵悟を宮世琉弥が演じた。
「Z世代の恋愛観」をテーマに描かれた本作にふさわしい布陣。まさに令和を代表する俳優・見上と宮世に、出演決定の経緯から話を聞いた。とある目的のために行動し続ける唯千花たちを念頭に置きながら、夢や目標を達成させるためのコツについて話が及ぶと、お互いに共通した価値観が浮かび上がってきた。
宮世、見上の優しさに「思わず泣いちゃいました」
ーー本作『恋愛バトルロワイヤル』はNetflixで世界配信される作品です。出演はオーディションで決まったんですよね。
見上愛（以下、見上） オーディションは、正直手応えはなかったんです。でも、楽しい時間を過ごせたからよかった、と思っていて。そしたら、自宅に帰る途中で合格の連絡をいただいて「ほんとですか！？」って、もう衝撃でした。Netflix作品ということで、けっこうプレッシャーを感じていたんですが、クランクインしてみたら緊張も解けていきました。
ーー見上さんは単独主演ということで、座長としてのプレッシャーもあったのでは？
見上 Netflixの作品は、スタッフさんやキャストの方も含め、関わる人数が多いんです。そのなかで、主演として恥ずかしくない立ち回りをしなきゃならない、そういうプレッシャーはありました。私がこれまで見てきた主演俳優の方々は、人間性はもちろん、お芝居をしていない時間の過ごし方も素敵な方ばかり。現場にいる全員が気持ちよくいられる空間をつくろうとされている方が多かったので、先輩の背中に続かなきゃ、と思っていました。
宮世琉弥（以下、宮世） 確かに、ものすごく規模の大きい作品なので、僕もとても緊張しました。でも、出演が決まった瞬間はものすごく嬉しくて。さらに見上さんがご一緒と聞いて、前からぜひ共演してみたいと思っていたので、とても楽しみにしてました。
ーー宮世さんから見て、座長としての見上さんはどのように映っていましたか？
宮世 本当に完璧でした！
見上 いやいやちょっと、あんまり持ち上げるのやめてよ（笑）！
宮世 お芝居のときはお芝居の、取材のときは取材のスイッチが入っているというか。あと、思わずうるっときたエピソードがあるんです。僕、撮影中に体調を崩しちゃったんですが、そのとき、見上さんがいろいろ話を聞いてくれて、親身になってくれているのが伝わってきて……。「こんなに素敵な人がいるんだ！」って、思わず泣いちゃって。
見上 そのときに言ってくれたらよかったのに！
宮世 なかなか言えないじゃない、ご本人に面と向かっては。座長として現場のことを気にするだけじゃなく、共演者にも目を配っているのが本当に素晴らしいな、と思って。そういう視野が広いところ、僕も見習いたいと思いました。
見上 そんなに染みてたとは……（笑）。
宮世 染みてました（笑）。
見上 やっぱり体調が悪いときって心がついていかないし、自分ではどうしようもできないじゃない？ 私自身も、友人や先輩に気にかけてもらってきたから、少しは座長らしい動きができたのかなと思うと、嬉しいな。
お互いにベタ褒め、でも親密度は……？
ーー反対に見上さんから見て、宮世さんはどんな役者さんとして映っていましたか？
見上 宮世くんが演じた真木くんって、たぶん私が演じた唯千花からも、視聴者の方からも、嫌なお坊ちゃまに見えがちだと思うんです。でも、物語が進んでいくにつれて、彼の家庭の事情や、母親思いな面が見えてきます。真木陵悟という一つの役のなかでも、振り幅を感じました。完成した作品を見たときに、あらためて「真木くんって、こんな顔するんだ！」って思いましたし。
宮世 それを言うなら僕も、見上さんのお芝居のレベルがすごすぎて、撮影中ずっと心のなかで「うわ、すごすぎる」って思っていました。自分が足を引っ張ってないか心配になることもあって。唯千花というキャラクターを表現するときのリアルさもそうですし、何より言葉のキャッチボールがしやすいんです。あまり言葉にしにくい感覚なんですけど。
見上 あんまり言われると照れるよ（笑）。私は、宮世くんの撮影現場での立ち回り方を見ていて、人との距離感が絶妙だなと思いました。私、すごく人見知りで、毎日会って話をしていても親密度が0に戻っちゃうんですよ。
宮世 本当にそうなんですよ！（笑） 撮影中に話して、仲良くなって、「じゃあおつかれ！」「また明日！」って言って帰るじゃないですか。次の日に「おはよ〜！」って話しかけたら、せっかく上げた親密度が0になってるんです。
見上 仲良くなったことを忘れちゃうんじゃなくて、昨日どういうテンションで喋ってたっけ？ って思うんだよね。役を通して喋ってるほうが圧倒的に長いから、自分自身としてのテンションを見失っちゃうの。
宮世 あれ、なんかしちゃったっけ！？ ってすごく焦ってました（笑）。
見上 それでも宮世くんは、めげずに何度も話しかけてくれたので、すごくありがたかった！（笑） 人によっては「もういいや〜」と思っちゃう場面でも、関係性をつくるために向き合ってくれたのが、ありがたすぎて。
宮世くんって、友達つくるの上手いでしょ？ ほかの生徒役の子たちとも上手にコミュニケーションをとっていて、自然とその輪に入れてくれることもあって。お芝居はもちろん、そういう撮影現場での立ち振る舞いも勉強になりました。
芝居を通して変化していく、役のイメージ
ーー撮影現場でのエピソードも教えてください。唯千花と真木が、文化祭で一緒にダンスを踊るシーンがすごく可愛らしかったです。たくさん練習したんですか？
見上 私、あんまりダンスが得意じゃないので、すごく練習しました。でも、確か2回目くらいの練習にサッと参加した宮世くんが、もう完璧に踊れていたのを見て「ウソだろ……すごすぎる……」って（笑）。
宮世 とくに二人で踊るシーンが、けっこう難しかったですよね。息を合わせて動かないといけなくて。
見上 宮世くんはアーティスト活動もしてるし、ドラマでダンスをやっていた経験もあるから頼りにしていました。タイミングを合わせないといけないし、私がステップを間違えちゃってもフォローしてくれたので、助かりました。
宮世 撮影の合間を縫って、一人のときも鏡を使って練習したり、先生にも指導をお願いしたりして、試行錯誤したので、とても良いシーンになったと思います。
ーー学園ドラマらしく、文化祭や修学旅行のシーンもたくさんありますよね。ご自身の学生時代の記憶を引き出しながら演じられたと思うのですが、演じていくなかで役のイメージは変わりましたか？
宮世 最初に台本を読ませてもらったときの真木くんのイメージは、捻くれていて、どこか世のなかを斜めに見ているような感じだったんです。父親に反発しているのも、思春期の子どもならではって感じがして。でもそれって、育った環境が彼をそう変化させている面もあるんですよね。演じている僕自身「反発しても仕方ないよな」って納得する気持ちが出てくることもありました。
真木くんは、唯千花と出会ったことで成長していく。僕自身も、見上さんはもちろん、父親役の石黒賢さんなど、多くのキャストさんとお芝居をすることで、役への向き合い方が変わっていくのを感じてました。
見上 私も、演じてみてわかったことがたくさんあります。台本を読んだ段階では、唯千花ってすごく強い子だなって思ったんです。唯千花自身「強くて優しい子になりたい」と言っていて、そう言えること自体が強さの証でもあるな、と。
でも演じていくうちに、弱さを見せることはかっこ悪いことだっていう、彼女なりの美学があるのかもしれないなって気づきました。強さのなかにも、弱さがある。そう感じてからは「これを言われて傷つかないはずないよな」と思うセリフに対しては、しっかり傷つくようにするとか、演じるうえでも変化を意識するようになったと思います。
恋愛が秘める「希望」と「危うさ」
ーー本作『恋愛バトルロワイヤル』の軸となるのは、男女交際禁止という、いわゆる「ブラック校則」と呼ばれるような厳しすぎる校則です。本作を観て、恋愛の魅力や危うさに思い至る方も多そうですね。
宮世 LGBTQ＋のキャラクターを取り入れて、性自認や恋愛対象にまつわる問題にも向き合っている作品なので、当事者の方も含め、恋愛の悩みを抱える方の背中を押してくれるような側面もあると思います。恋愛の良い面も悪い面も取り上げている作品です。
見上 確かに、恋愛の魅力も示されているからこそ、危うさも強調される構成になっているんじゃないかと思います。唯千花のお母さん（吉田羊）が「唯千花も恋愛を通して、少し大人になったと思います」っていうセリフがあるんですが、これが作品の肝になっているんじゃないか、と。
恋愛って、一人の他者と徹底的に関わる営みだし、同時に「自分自身の内面を見つめ直す」ことでもありますよね。まだ自我が確立しきっていない高校生のころに、恋愛を通していろいろな葛藤や刺激を得ることは、自分を成長させてくれる反面、さまざまな影響も残す。それが恋愛の良さでもあり、危うさにも繋がるんじゃないでしょうか。
宮世 真木も唯千花も、恋愛を通して変わっていきます。恋愛に対するモチベーションは人それぞれだと思いますし、この作品を観た方がどんなことを感じるのか、とても気になります。
ーー恋愛を通して変化していく真木と唯千花に、共感する面もありましたか？
宮世 唯千花の弱さを見せられるごとに、真木くんがどんどん彼女に惹かれていく過程とか。あとはやっぱり、同じ目的を共有することで生まれる仲間意識みたいなものは、結びつきを強めてくれますよね。
見上 真木くんの抱える事情を、唯千花はすべて受け入れられるわけではないから、そういうモヤモヤ感には覚えがあったかもしれません。そんななかでも相手を思いやることが大事なんだって、本作をきっかけに気づけた気がします。
見上＆宮世の、恋愛にも勝るモチベーション
ーー良い恋愛は、生きるパワーに繋がると思います。お二人にとって、恋愛以上に日々のモチベーションになっていることはありますか？
見上 自然を感じるのが大好きなので、この夏も、自然のある場所で何かしたいな、と思っています。楽しみな予定を立てている時間が、一番のモチベーションになるかも。
ーー見上さんは以前、外で油絵を描かれた話をされていましたね。
見上 そうなんですよ、もうあの一度っきりで、全然描けてないんですけど（笑）。油絵って乾かすのに時間がかかるから、描くのに数日かかるんですよね。あとは写真を撮りにも行きたいし、スマホから離れる時間もとりたいな、と思ってます。
宮世 デジタルデトックス、良いですよね。僕も見上さんとちょっと似てるんですけど、家族と過ごす時間がモチベーションの源です。この間も、母の誕生日で、みんなでご飯を食べに行きました。あとは長いお休みをいただけたら、何をしようかなって考えるのが、いまのリアルなモチベーションです。
見上 いいね！ 何するの？
宮世 家族と旅行しようかなって。海外も検討してるんですけど、さっき見上さんも言ってたけど、行く先でどんなことをしようか計画を立てている時間が、いちばん好きですね。
夢を叶える「ビジョンボード」をつくるなら？
ーー本作には、見上さん演じる唯千花がつくる「ビジョンボード」が出てきます。人生の目標から逆算して、何歳までにこれを達成する！ と視覚的に落とし込んだボードですが、もしお二人がビジョンボードをつくるとしたら、トップにはどんな目標を据えますか？
宮世 昔から変わらず言い続けていることなんですけど、2011年に発生した東日本大震災を経験したひとりとして、映画をつくりたいと思ってます。自分が監督になって、芸名の由来でもある「宮城から世界へ」を体現できるような作品を。何十年かかっても達成したい目標です。
見上 このあとに言いにくいんですけど、私は「楽しく健康に生きる！」です。心身ともに健康で居続けたいな、と思ってます。
ーー健康じゃなければ、やりたいこともできないですもんね。日頃から気をつけていることはありますか？
見上 やっぱり睡眠が大事ですよね。どうしても夜遅く、朝早いスケジュールが続くこともあるんですけど、合間を見計らって仮眠するようにしたり、夜はなるべく早く眠るようにしたり、気をつけてます。寝られないときは、あんまり無理して眠ろうとせずに、好きなお香を焚きながらリラックスしたり。
宮世 心も健康に保つって大事だよね。悔いが残らないように、今年中にやりたいことをやって、心置きなく来年にバトンタッチできるようにしておきたいです。
恥を捨てて、失敗しても行動し続けること
ーーお二人はお仕事はもちろん、趣味を通した自己表現の時間も大事にされていて、着実にやりたいことを形にされていますよね。本作の唯千花や真木も、とある目標を達成するために頑張っていますが、欲しいものを手に入れるために大事なことは何だと思いますか？
見上 すごくシンプルですけど、行動することだと思います。夢を叶えて、充実している人を見ていると「羨ましいな」って思う瞬間もあるかもしれないけど、でもその人たちも必死に努力していて、その結果が見えているだけなんですよね。やりたいこと、叶えたい目標があったら、もうとにかくやるしかない！ って気持ちになります。
宮世 僕も同感です。行動することでしか手に入らないですよね。口だけになっちゃってると、ずっと実現できないと思うので。
ーーこれまで経験のない、新しい挑戦を前に、躊躇してしまうことはないですか？
見上 それでも、思い切って踏み出したほうがいいんですよね、きっと。私も、やりたいことが30個あったとしたら、ちゃんと行動に起こせてるのは、そのうちの1個くらいです。残りはぜんぶ没になってるし、油絵だって一度しかできてないし（笑）。行動はできたけど、続いてないこともたくさんあります。それでも良いと思うんです。
踏み出すべきときは、きっとみんな踏み出せているんだと思う。本当に叶えたい夢や目標に出会えたら、勝手に身体が動いちゃう瞬間がくるんじゃないかな。
宮世 いままでやったことのない領域に踏み出すのって怖いけど「失敗してもいいや！」くらいの精神でいいんだと思います。失敗から学べることもありますし。周りからいろいろ言われたら恥ずかしいし傷つくけど、それでもいいんです。何事も、やってみないとわからないですから。
『恋愛バトルロワイヤル』は8月29日(木)より世界配信。
おふたりのサイン入りポラを1名様にプレゼント！
取材・文／北村有、撮影／映美
（見上さん）
ヘアメイク／豊田健治、スタイリング／下山さつき、
衣装協力／①トップス/¥35,200 ②パンツ/¥39,600
②共に、ヴィーエル・バイ・ウィー
③イヤカフ（ゴールド）/¥5,500 ④イヤカフ（ゴールド&シルバー）/¥6,600
⑤リング（チェーン付きダブルリング）/¥4,400 ⑥リング（パール）/¥11,000
③④⑤⑥共にソムニウム
その他→スタイリスト私物
（宮世さん）
ヘアメイク／礒野亜加梨、スタイリング／鴇田晋哉
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