ガブとメイが大冒険!白石隼也・南野巴那らの音楽劇「あらしのよるに」本日開幕
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「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024 音楽劇『あらしのよるに』」ゲネプロより。
「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024 音楽劇『あらしのよるに』」が、本日8月24日に東京・日生劇場で開幕した。
これは、観客に家族で本格的な舞台芸術に触れてもらうために、1993年にスタートした日生劇場ファミリーフェスティヴァルの一環として上演される音楽劇。本作ではきむらゆういちが作、あべ弘士が絵を担当した絵本「あらしのよるに」をもとに、立山ひろみが脚本・演出、鈴木光介が音楽、山田うんが振付を手がける。2019年に初演、2021年に再演されており、今回はオオカミのガブ役を白石隼也、ヤギのメイ役を南野巴那が務めるほか、オオカミのリーダー・ギロ役の阿南健治、おばさんヤギ役の平田敦子らが出演する。
ある嵐の夜、避難した山小屋で偶然出会ったオオカミのガブとヤギのメイは、相手の種族を知らないまま言葉を交わす。翌日、“あらしのよるに”を合言葉に再会した2人は、互いの正体に驚きながらも秘密の友達になった。しかし2人の関係が群れの仲間に見つかってしまい……。
ステージには可動式のパネルが立ち並び、パネルにはクレヨンのようなタッチで鮮やかな緑色の草が描かれている。パネルが動くことによって、舞台はガブとメイが暮らす谷や峠に様相を変えた。また客席の中央前方エリアは、ミュージシャンたちの演奏スペースとなっている。
キャストたちは毛皮のようにふわふわとした衣裳を身に着け、ステージに動物たちが暮らす世界を立ち上げる。オオカミ役のキャストたちは獲物に忍び寄るかのような前傾姿勢で素早く動き、肉食獣の凶暴さや俊敏さを表現。ヤギ役の出演者は1歩進むごとに脚をヒョイと上げ、ひづめで地面を蹴るかのような可愛らしい動きを見せる。オオカミとヤギそれぞれの群れが、異種族と友達になったガブとメイを責め立てるシーンでは、キャストたちが緊迫感のある歌とダンスを披露した。
ガブとメイは、「雷が怖い」「友達を大切にする」という共通点を互いに見つけたことで、種族の違いを越えて親しくなる。白石は優しい声で「でやんす」とセリフを語り、どこかのほほんとした雰囲気を持つキャラクターとしてガブを立ち上げる。ガブが空腹のあまりにメイを食べたくなってしまうシーンでは、ブンブンと首を横に振ってガブの葛藤を表した。メイ役の南野は、特技のダンスを生かした軽やかな身のこなしで舞台を跳ね回り、真っすぐな歌声を響かせて観客を惹き付ける。食べ物が乏しい雪山でガブとメイが立ち往生してしまい、メイが「2人とも死ぬことはない」とガブに自分を食べるよう促す場面では、南野は切ない表情を浮かべて観客の涙を誘った。
上演に際し、キャストの白石、南野、そして脚本・演出の立山からコメントが到着。白石は「人生は儚いものだからこそ尊いのだと、ガブとメイに教えてもらいました。皆さんも二匹と一緒に大冒険をお楽しみください」、南野は「この夏、劇場に来てくださった皆さまの胸に大切な『ともだち』のぬくもりをお届けできますように。一緒に最高の想い出を作りましょう!」とコメント。立山は「演者の身体をめいっぱい、良質な音楽をめいっぱい! 美術や衣装、舞台照明、音響と、舞台の要素をめいっぱい使って、今、目の前にだけ現れる動き出す絵本のような作品が、今回も新しく生まれたと思います」と出来栄えに自信をのぞかせた。
上演時間は休憩を含む約2時間。公演は明日8月25日まで行われる。
白石隼也コメント
実にシンプルな舞台セット! 俳優たちが森を、風を、雪を、嵐を創り、オオカミとヤギの大冒険が始まります。今回は約二ヶ月という贅沢な稽古期間をいただき、僕らの「あらしのよるに」を探求することができました。人生は儚いものだからこそ尊いのだと、ガブとメイに教えてもらいました。皆さんも二匹と一緒に大冒険をお楽しみください。
南野巴那コメント
2024年の音楽劇「あらしのよるに」がいよいよ開幕します! 胸がほっとあたたかくなる特別な存在、「ひみつのともだち」のお話です。種族の違う二匹が深い友情をどうやって育んでいくのか、お芝居、歌、踊り、美術、照明、そして生演奏で皆さんと「あらしのよるに」の世界を楽しめること、今から楽しみでなりません。ガブとメイが合図を出し合って会う約束をするーンがあります。二匹がどんどん仲良くなって、楽しさのあまり歌になる。音楽劇ならではの表現が色んな場面で織りなされていて、どの場面も色んなワクワクが散りばめられています。この夏、劇場に来てくださった皆さまの胸に大切な「ともだち」のぬくもりをお届けできますように。一緒に最高の想い出を作りましょう!
立山ひろみコメント
今回再々演という事で、土台のある状態で新たな出演者を含む新しい座組により、意見を出しあいながら挑戦する事が出来ました。稽古場がとても幸福な実験の場になりたのしくスリリングでした。私自身も開幕がとても待ち遠しかったです。
演者の身体をめいっぱい、良質な音楽をめいっぱい! 美術や衣装、舞台照明、音響と、舞台の要素をめいっぱい使って、今、目の前にだけ現れる動き出す絵本のような作品が、今回も新しく生まれたと思います。
舞台だからこそ出来る表現がたくさんあります。観客のみなさまがいて初めて仕上がるのも舞台のおもしろさの一つ。
音楽劇「あらしのよるに」どうぞおたのしみください!!
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