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『リキッドスケープ 東南アジアの今を見る』アーツ前橋で 流動する東南アジア地域の「今」を12組による作品で紹介

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Kawita Vatanajyankur《My Mother and I (Vacum III)》2021 Courtesy of the artist and Nova Contemporary

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群馬県前橋市のアーツ前橋で、東南アジアの現代美術作品を紹介する『リキッドスケープ 東南アジアの今を見る』展が、9月21日(土)から12月24日(火)まで開催される。タイトルの「リキッドスケープ」は、「流動する風景」といった意。急速な経済発展や都市開発などによって、流動する文化・社会の状況に焦点をあてた作品群によって、変化をとげる東南アジアの「今」に出会える展覧会だ。

今日の東南アジアでは、経済や社会の急速な変化のなかで多様な生活が営まれている一方で、社会の底流には過去の歴史や風景、土地に根差した信仰や自然との関係も存在している。それらがときに融合し、ときに対立しながら変化し、今の時代の新たな現実や生活スタイル、世界観を生み出し続けている。

Korakrit Arunanondchai《Songs for dying》(still), 2021 Co-commissioned by the 13th Gwangju Biennale, Han Nefkens Foundation and Kunsthall Trondheim. Courtesy of the artist, BANGKOK CITYCITY GALLERY, Bangkok, Carlos/Ishikawa, London, C L E A R I N G, New York/Brussels, Kukje Gallery, South Korea.

こうした現実と対峙して制作に励む今回の参加作家は、1980年代以降に生まれた7組の作家を含む若い世代が中心の12組の作家たち。東西冷戦の終焉や、インターネット、iPhone、SNSをはじめとするテクノロジーの登場、さらには世界の枠組みの大きな変化やアジアの台頭など、グローバルな事件を体験してきた作家たちは、流動する社会で共通する体験を重ねてきたことを背景に、「どこから来てどこへ向かうのか」という共通の問いに答えようとしているという。

だが、問いは共通でも、その問いに対する考察や答えは作家によって、また地域によって様々に異なる。作家たちの出身地は、アフガニスタン、インドネシア、カンボジア、シンガボール、タイ、パキスタンと様々。世界的に活躍する作家に加え、日本では初紹介となる若手を加えた作家による新作を中心とした23作品は、「多様性と流動性」に満ちた東南アジアの社会、生活、文化の「今」を新しい視点でとらえ、現在の規範的価値観を覆そうと試みるものでもあるそうだ。急速に発展する社会に生きる新しい世代による多彩な手法の作品からは、観る者それぞれが「現代社会を生きる手がかり」を探ることもできるだろう。

Ho Tzu Nyen《T for Time: Timepieces》2023 Photo by Singapore Art Museum, courtesy of the artist and Kiang Malingue.

また、同展では、映像やサウンドを用いた没入型の作品も紹介される。絶えず形を変え、予測不可能な物事が次々に起こる「現代」を象徴する作品に没入することで、「リキッドスケープ=流動する風景」のイメージに感覚的に潜る体験ができるのも楽しみなところだ。

<開催概要>
『リキッドスケープ 東南アジアの今を見る』

会期:2024 年 9 月 21 日(土)~12 月 24 日(火)
会場:アーツ前橋
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:水曜
料金:一般 1,000 円、大学・65 歳以上800 円(10月28日、11月3日、12月10日は無料)

公式サイト:
https://artsmaebashi.jp/

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