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劇団俳優座80周年「セチュアンの善人」主人公シェン・テは男娼に、田中壮太郎の演出で

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劇団俳優座 No.357「セチュアンの善人」チラシ表

「劇団俳優座 No.357『セチュアンの善人』」が、9月20日から28日まで東京・俳優座劇場で上演される。

1944年に創立された劇団俳優座は、1954年に劇団・劇場・研究所の各セクションが独立した。今回は、劇団俳優座80周年、俳優座劇場70周年、そして劇団俳優座養成所の伝統を受け継ぐ桐朋学園芸術短期大学の60周年を記念し、3セクションが総力を結集。ベルトルト・ブレヒト作「セチュアンの善人」を立ち上げる。

本公演では、今年死去したブレヒト研究者・市川明の翻訳をもとに、田中壮太郎が脚色・上演台本・演出を担当。田中は、過去に市原悦子や栗原小巻らが演じた主人公の娼婦シェン・テを、性的マイノリティの人物として改変する。

人間が人間を搾取する架空の町セチュアン。そこに住む男娼のシェン・テ(森山智寛)は、神様に宿を貸したお金で小さな店を開くが、うわさを聞いた知人や親戚が店に押し寄せる。困ったシェン・テは架空の人物、従兄のシュイ・タに変装。シュイ・タは問題を冷静に解決していくが……。

田中は「これにより物語の最終局面である主人公の男性実業家への変身は普段自分が周囲から認識されている性別を利用することとなり、内的の性別と身体的な性別のギャップに苦しんできた主人公がその“性”を利用し周囲を翻弄してゆく姿は、なんとも皮肉な行為に映る筈。最後の法廷の場面でのシェン・テの心痛な訴えは、自らの道徳的な分裂への救いだけではなく、人類の救いの叫びにも感じることだろう」と改変の意図を語った。

森山のほかの出演者には、シェン・テと恋に落ちるパイロットのヤン・スン役の八柳豪ら座員たちに加え、桐朋学園芸術短期大学のオーディションで選ばれた学生たちが名を連ねた。

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