ミュージカル『三銃士』
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すべて見る坂本昌行や末澤誠也(Aぇ!group)らが出演するミュージカル『三銃士』が、本日9月8日(日)に東京・日生劇場で開幕する。19世紀フランスの作家アレクサンドル・デュマによる同名の原作は、これまでに何度となくミュージカル化されているが、今回上演されるのは2004年にチェコで製作されたバージョン。2009年に韓国で大幅リニューアルされて以来、韓国で再演が繰り返されているほか、2013年と14年には来日公演も行われた。スペクタクルな冒険活劇の要素はそのままに、登場人物の心理描写にも重きが置かれていることや、かつて映画『三銃士』の主題歌としてブライアン・アダムスがロッド・スチュワート、スティングと共に歌った《All For Love》がメインテーマ曲になっていることなどを主な特徴とする。
坂本が演じるのは、国王ルイ13世を守る近衛銃士隊のなかでも特に剣の腕前に優れた三銃士のリーダー格、アトス。末澤は、銃士になることを夢見て田舎町からパリに出てきた青年ダルタニャンに扮する。ダルタニャンと恋に落ちる娘コンスタンス役は屋比久知奈、三銃士のアラミス役とポルトス役は上口耕平と原田優一、近衛銃士隊と敵対する枢機卿の親衛隊長ジュサック役は上山竜司。アトスの元恋人で、今は枢機卿の腹心として暗躍するミレディにシルビア・グラブ、国王を追い出してフランスの全権を掌握しようと企てる枢機卿リシュリューには今井清隆と、日本ミュージカル界の実力派たちが顔を揃える。
日本版の演出を担うのは、これまでにブロードウェイで『スパイダーマン:ターン・オフ・ザ・ダーク』を、日本では『ロックオペラ モーツァルト』や、坂本と末澤も出演していた『THE BOY FROM OZ』を手掛けてきたフィリップ・マッキンリー。「愛、名誉、そして“正義のために”を伝える不変の冒険物語に私は深く共鳴しており、この作品を素晴らしいキャスト、クリエイター、スタッフ達と作れる機会は格別です」とコメントを寄せている彼が、韓国ミュージカルを代表するヒット作をどう料理するのかに注目が集まる。
文:熊田音子
坂本昌行、末澤誠也ら開幕コメント&舞台写真到着!
9月8日の開幕日、坂本昌行、末澤誠也らキャスト陣と演出のフィリップ・マッキンリー氏が登壇し意気込みなどを語った。各コメントは以下の通り。
■坂本昌行:三銃士のリーダー的存在のアトス役
実際グループでは「リーダー」という立場でしたが、事実上は違いまして(笑)ニックネームという形でやっておりましたが、今回は舞台上役としてリーダーとしてやらせていただいております。とにかく殺陣のシーンが非常に多いので、まずは体力をしっかりキープしながら怪我のないように頑張っていきたいと思います。
(末澤との共演について)前回『THE BOY FROM OZ』(22)の公演もなかなか難しい役に彼は挑戦してくれていたので、その頑張りをフィルさんがみてくれていてこういう形で実現できたのだけど、(ダルタニャンは)身体も動かさないといけないし、描かれていない部分もあるので、そこも考えながら成長していく姿を見せるというのはなかなか難しい稽古だったと見ていて思いましたけど、なんとか誠也なりに乗り越えていったんじゃないかなと思いますし、これからよりよくなっていくと思います。すごく真面目だし負けず嫌いなので、難しければ難しい役ほど頑張ってそれを乗り越えようとしているので、僕が言うのもなんですけど、成長が著しく感じられました。
(作品について)今回一番大変だったのは殺陣。ここまでの分量は初めてでしたし、殺陣をしながら歌う、というのもあって。それはただ歌うのと違ってカウントがあるわけではないので、それぞれの合わせ方で前後してしまったりしまうので、息を合わせるのが大変でした。(殺陣師の)渥美(博)さんとはジュニア時代からお仕事をしたことがありまして、30年近くぶりに殺陣をつけていただくと、当時に戻りますし、渥美さんの殺陣は一瞬一瞬に物語があるので、ただのチャンバラではない、本当の闘いなんだなというのを感じながら毎回やっております。
演出はもちろんのこと、音楽、セット、衣裳、殺陣、そして僕個人として嬉しいのが今井さんの歌、シルビアの歌、屋比久さんの歌……そして何より殺陣のパワーを皆さんにお届けしたいと思いますので、ぜひ皆さん劇場でお待ちしております。
■末澤誠也(Aぇ! group):田舎から銃士を目指してパリにやってきた青年、ダルタニャン役
(『THE BOY FROM OZ』以来)今回坂本君ともフィリップとも二度目でして、本当に毎日楽しい稽古場。ただハードで。なんとか初日までやってきましたので、千穐楽まで全力で走り切りたいなと思います。
(坂本との共演について)個人的には“オズ”の時よりも距離が近くなった気がしていて、稽古中も色々アドバイスをたくさんいただいたりもしましたし、休憩の時などに他愛もない話も色々させていただいて、ご一緒させていただくことがすごく勉強になるので、感謝しています。こういうやり方もあるからどう?という提案みたいなのをいただいたり、それで自分で腑に落ちて実践したりしました。(座長として)「場」のつくりかたはやはり巧いと思います。いいところでクスっと笑えるボケを、稽古場でも入れてくださるので(笑)。
■屋比久知奈:ダルタニャンと恋に落ちるコンスタンス役
今回この作品、とても熱量の高い、エネルギーいっぱいの熱い作品になっているので、作品全体のエネルギーに負けないように精一杯演じたいと思います。
(座長の坂本は)稽古場から一瞬でそこの空気に持っていくカリスマ性をすごく感じましたし、それ以外のところでも場の空気を感じて動かしてくれる、すごいな、素敵だなと思いながら見させていただきました。
■上口耕平:三銃士のひとり、アラミス役
アラミスはキザで伊達男で、女性を口説く理由は、すべては結果祖国のため、という謎の持論をもっています。その信念を誇り高く持って、しっかりとエネルギーを皆さまに届けたいと思います。
■原田優一:三銃士のひとり、ポルトス役
ポルトスは元海賊で、剛腕で口よりも先に手が出てしまうような人なんですけど、三銃士が決まった時に、あまり痩せないでくれと、太ったままキープしてくれというふうに言われて、ただちょっと運動量が多いもので稽古中ちょっとだけ痩せてきてしまったんですね。そうしたら演出家のフィルさんからチョコレートのエクレアをもらいまして……(笑)、なんとかキープできている状態です(笑)。膝に気を付けて頑張りたいと思います。
■上山竜治:三銃士と対立関係にあるリシュリュー枢機卿の親衛隊長のジュサック役
三銃士としっかり対立できるように、ちゃんと責任をもって最後まで全うしたいと思います。見るからに悪い人の役です(笑)。
■シルビア・グラブ:枢機卿の腹心として暗躍するミレディ役
見るからに悪女。ただ、実はもともとアトスと恋仲であったという、闇の世界を賢さで生き抜いてきた女性を演じさせていただきます。大人の魅力をどうにか出せるように頑張りたいと思います。
皆さんの殺陣をみていると「めっちゃかっこいー」と声が出るくらいすごいので、絶対にそこは皆さん楽しみにしていてください。私もできれば客席で観ていたいくらいです。
突然私も(殺陣を)やることになってしまったんですけど、男性陣が本稽古の前に2週間くらい精神の稽古をやっていたのですが、その時は自分がまさか自分が剣を持つことになるとは思っていなかったので、「男性陣がんばれ~」と思っていたんですが……参加しなかったことを後悔しました。今、焦っています。どうにか相性良くやらせていきたいです。
■今井清隆:国王を追い出しフランスの全権を掌握しようと企てるリシュリュー枢機卿
とにかく王の座を密かに狙って悪だくみを企てているという男なので、いかに悪をかっこよく演じられるか、頑張っていきたいと思いますけど、稽古場で一番年上なので、若いキャストたちに労られつつ頑張っております。本番も若い子たちに負けずに頑張って演じたいと思います。
■フィリップ・マッキンリー(演出)
三年前にこちらの企画を頂戴しまして、チェコの原作をもとに、日本のクリエーターの皆さまと力を合わせ、日本唯一のオリジナルの作品を作らせていただきました。私も初日が楽しみでなりません。非常にエキサイティングな作品に仕上がっていますので楽しみにしてください。
このような素晴らしいキャストの皆さまを集めていただいて非常に幸いな機会に恵まれていると思います。(坂本、末澤との再会は)またご一緒できることを嬉しく思っております。今回は(ふたりとも)全く違う側面を見せてくれますので楽しみにしていてください。
(殺陣について)実は、殺陣の最中に歌だけでなくアクロバットも同時進行という瞬間もあります。殺陣で今回渥美さんとご一緒していますが素晴らしい方です。ブロードウェイであろうとロサンゼルスであろうとテレビ業界であろうと、アメリカどこへ行っても成功をする方です。彼なしにはこの作品は成し遂げられなかったと思います。
<公演情報>
ミュージカル『三銃士』
原作:アレクサンドル・デュマ
音楽:マイケル・デイヴィッド、ブライアン・アダムス
演出:フィリップ・マッキンリー
出演:
坂本昌行 末澤誠也(Aぇ! group) 屋比久知奈
上口耕平 原田優一 上山竜治
シルビア・グラブ 今井清隆
青山航士 酒井大
藍実成 飯田一徳 今井稜 岩下零時 北村毅 佐々木誠
露口洋暁 中桐光貴 中野高志 中村拳 西田健二 政田洋平
尾久葉優衣 酒井比那 関根結花 深瀬友梨 山本晴美 吉元美里衣
岩下貴史(スウィング) 橋谷里香(スウィング)
【東京公演】
2024年9月8日(日)~9月28日(土)
会場:日生劇場
【広島公演】
2024年10月4日(金)~10月6日(日)
会場:広島文化学園 HBG ホール
【大阪公演】
2024年10月18日(金)~10月27日(日)
会場:SkyシアターMBS
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