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トロント国際映画祭:ジア・コッポラ監督『The Last Showgirl』

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『The Last Showgirl』 Courtesy of TIFF

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ジア・コッポラの長編監督3作目『The Last Showgirl』が、トロント国際映画祭で世界初上映された。

パメラ・アンダーソン演じる主人公シェリーは、ラスベガスのダンサー。長年出演してきた昔ながらのショーが突然キャンセルされることになり、共演の女性たちともども、途方に暮れる。

シェリーにはほかのジレンマもある。自身は仕事に誇りとやりがいを持っていても、彼女の娘(ビリー・ロード)は、セクシーさを売りにするショーに出るがために子育てを犠牲にした母を良く思ってこなかったのだ。日常的なセクハラ、女性蔑視もある。次の仕事を探すためにオーディションを受けた時にも、50代の彼女は、あからさまな態度に直面する。

コッポラは、フランシス・フォード・コッポラの孫で、ソフィア・コッポラの姪。大学で写真を勉強した彼女は、ラスベガスの写真をよく撮影してきた。このプロジェクトは、従兄弟の妻ケイト・ガーステンもラスベガスに魅了されていると知り、この世界を映画で描きたいと思ったことから生まれたものだという。

脚本を執筆したのはガーステン。プロデューサーは従兄弟ロバート・シュワルツマン。やはり従兄弟のジェイソン・シュワルツマンは小さい役で出演し、衣装デザイナーは母が手がけた。コッポラ一族は親族で映画作りをしてきたが、ジア・コッポラも「家族と親しい友人と一緒に製作したおかげで、私の頭にある通りの映画にすることができました」と述べる。彼女はまた、この映画を「女性、母親、娘、アーティストであることからくる複雑なこと、そして自分で家族を作ることについて語るもの」とも表現する。

ほかに、ジェイミー・リー・カーティス、デイヴ・バウリスタらが重要な役で出演。女性たちへの愛と優しさに満ちた作品だ。

文=猿渡由紀