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ミュージカル『プリティ・ウーマン』観劇直後のLiLiCoが熱弁!「観た人の方が圧倒的に幸せになれます!」

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2018年にブロードウェイとロンドン・ウエストエンドで初演されたミュージカル版『プリティ・ウーマン』の来日公演が開催中だ。東京公演のオフィシャルサポーターを務めるLiLiCoが、新国立劇場オペラパレスでの公演を鑑賞。映画版からの大ファンだった彼女は、ミュージカル版をどのように感じたか。公演直後にキャッチアップし、たっぷり語ってもらった。

ブロードウェイ・ミュージカル「プリティ・ウーマン」

ブライアン・アダムスのシンプルながらエモーショナルな楽曲が作品にハマる!

――率直なご感想を聞かせてください。

LiLiCo 会場に入ったときから、気分バク上げ! 開演前のセットが、ハリウッドサインの裏になってたんですよ。そこからして、LA、ハリウッドを舞台にした別世界を演出してくれていたんですよね。

それに、音楽を担当したブライアン・アダムスを気にしてない方もたくさんいると思うんですけれども、開演して音楽が始まった瞬間、みんな心をぎゅっとつかまれたのが空気で伝わってきたのが嬉しかったな。私が若い頃、ディスコのチークタイムはブライアン・アダムスの『ヘブン』だったことを思い出しましたもん(笑)。あのときの楽しかったり切なかったりする思い出も込みで、彼が音楽を担当したミュージカルっていうことがたまらなかった。

あ、もしブライアンを知らない方がいたら、まずは知ろう。彼はもともとすっごく分かりやすいメロディラインの曲を中心にしたロックのジャンルで活躍した80sのアーティスト。まず『ヘブン』を聞いてくださいね(笑)。もしかしたらブライアンを知っていることで、没入感が違ったかも……。

で、そんな彼がどういうメロディを作ってくれるのかなって期待していたんだけど、 やっぱり分かりやすい! 『プリティ・ウーマン』自体が難しい話ではなく、シンプルなロマンスだからこそ、彼のシンプルながらもエモーショナルな楽曲構成がハマるんだな、と思いました。おそらく、初めて彼の曲を聞いた人でも確実に心に響く。初耳なのに懐かしい、魔法の持ったメロディライン。

――知ってる人からしたらブライアン・アダムスの曲って一発で分かりましたよね。それに歌を乗せたキャストはいかがでした?

LiLiCo ブロードウェイのキャストだもの。本格的な歌唱力っていうのは、言わなくてもみんな分かるでしょ(笑)。本当にいいバランス。ミュージカルが苦手な人がよく気にしている歌いながらの芝居がずっと続く、というタイプではなく、ちゃんとセリフもあって、感情をあらわにするところはミュージカル。このバランスがとてもよかったのね。

――主演のふたり、よかったですよね。

Photo:Matthew Murphy

LiLiCo ヴィヴィアンを演じてるエリー(・ベイカー)さんが、ジュリア・ロバーツが映画版でやっていたセリフの癖とか声質に似ていてすごくびっくりしました。エドワードを演じたチェイス(・ウルフ)さんは、映画版のリチャード・ギアよりも甘くなく、ちょっとガッチリしてて、それがかえって良かった。だって、妙な色気がある人じゃないから、本当に仕事と金しか気にしてない人にしか見えない(笑)。

逆にエドワードと冒頭は仲良く見える弁護士のフィリップが、ひょろっとしたマイキー(・マーマン)さんというのも、いい対比でバランスよく見えるんですよ。とにかく主演ふたりが本当に素晴らしくて、いいキャスティングだなと思いましたね。

ヴィヴィアンの親友キットや支配人、ベルボーイなど脇のキャラが最高!

――それと、日本でやるならLiLiCoさんだな、と勝手に思ったのがヴィヴィアンの親友キットなんですが。

LiLiCo (笑)。映画では本当にオイシイとこで笑いをとる役よね。ミュージカルだとみんなが引き立たないと笑いが取れないから、どうやるんだろうと思っていたけど、ジェシカ(・クローチ)さんのキットはすごかった。歌唱力……演歌的な歌唱シーンがあるんだけど、ホントすごかった。それに、アカペラで始まって、途中から楽器が入ってくるような歌曲でもサラッと。これ、すごく難しいはずなんですけど、うまいだけじゃなくて笑いまでとっちゃう。最高でしたよね。

――演出面で映画と違うところ、また映画で気に入っていたところがこう変わってたっていう箇所は?

LiLiCo 映画で好きだったのは、ヴィヴィアンを助けてくれる人たち。だから支配人はやっぱり最高。ミュージカル版ではベルボーイもすごく目立って面白い演出してましたよね。彼、たぶんバレエを習ってたんじゃないかな……ってきれいな動きしてたんですよ。

Matthew Murphy for MurphyMade

あとね、注目していたのはヴィヴィアンの買い物のシーン! ロデオドライブのブティックに娼婦の衣装で入ったら入店拒否されて、そのあとエドワードと豪快に買い物をして、着替えてから「でかい魚逃したわよ!」的に嫌味を言いに戻るところが最高に気持ちよくて。これ、映画とは違う展開なんだけど、非常にシンプルにして効果的で、さらには映画のシーンまで思い出させてくれたんですよね。

あと効果的だったのは、お風呂のシーン。1回濡れちゃったらもうどうしようもないからね(笑)。上手な工夫でした。

――このキャスト、ミュージカルだからあらためて感じたこと、ありました?

LiLiCo ヴィヴィアンとキットの心根の優しさみたいなところは、こっちのバージョンの方が際立ってるかも。感情を代弁する歌の力が大きいんだと思うんだけど、生きるために娼婦になったふたりが、生活さえ安定すれば別の道に進んでいくという心のうちが表現されていたから。

――ミュージカル版の脚本がうまく再構成されてたんですかね。

LiLiCo 本当にそうですよね。素晴らしい映画をミュージカルにしたくなるのがすごくよく分かる。気を付けないと、とんでもない駄作になることだってあるけど、これは大成功。すごく分かりやすい映画だったからこそ難しかったと思います。

1幕で結構いいところまで進んじゃったから「この後何があったっけ」って思ったくらいにのめりこんじゃったもの。この世界観、夢のような6日間を、たった2幕のステージで味わわせてくれました。人はいつでも変われる、夢は見続けていいんだよっていう一番大事なメッセージがきっちり伝わる脚本だったと思います。

(c)Tsuyoshi Toya

――セットはいかがでした?

LiLiCo 大掛かりなセットではなかったけれども、一瞬にしてビバリー・ウィルシャーの部屋がハリウッドブルバードの一角になったり、ロデオドライブになったり、よく考えられてると思いました。全世界で公演できるように、大きく重すぎない素晴らしいセットを作ったんでしょうね。

私もミュージカルの舞台をやって分かったんだけど、大掛かりなセットで世界興行だと、全世界同じセットを使い回すから、前の公演地でバラすのを待たないといけないんですよね。

――字幕の位置もよかったですよね。邪魔にならず、芝居もちゃんと見える。

LiLiCo ブロードウェイ版の日本公演では必須ですよね。今回の字幕、必要なところだけを訳してくれてたのはうまいと思いました。

――あの、『プリティ・ウーマン』ならではの例の曲が出るタイミングとかもうまかったですね。

LiLiCo そうそう。1回、あのメロディがちょっと出るじゃない。期待しちゃったけど、その後の本編を観てたらすっかり忘れちゃってた(笑)。あの曲を忘れさせてくれるぐらいの濃い内容だったんですよね。

人生を楽しめていないな、っていう方は観たらすごい勇気をもらえます!

――LiLiCoさんがこの作品に出られるとしたら……?

LiLiCo キットだね(笑)。もう目に浮かぶ。私の年齢だと日本じゃダメな役だと思うけど、ブロードウェイだったら……。

――いっちゃいます?

LiLiCo オーディション受けようかな(笑)。やりたいわ。だって、キットって最高じゃない。もちろんヴィヴィアンも素晴らしいんだけど、 キットと支配人とベルボーイの3人のシーンのほっこり感とか、彼女のキャラじゃないと成立しない。あれはやってみたいな。

Photo:Matthew Murphy

――観たいですね〜。話は変わりますが、最後にサプライズありましたよね。

LiLiCo まさか写真撮影OKだとは思ってなかったからびっくり。嬉しいサプライズでしたよね。

実は私、ずっと字幕を見てたわけじゃないから、ここから写真撮影OKっていうの、見逃してて。前の人が写真撮り始めたから、東京公演のオフィシャルサポーターとして注意しなきゃ!ってときに字幕に目がいって(笑)。私も慌ててスマホの電源入れました。手拍子もしたいし、写真は撮りたいし、ステージもちゃんと観たいし、曲も聞きたいし。最後は大忙しでしたよね。

――リピーターはあれを知ってるから、最後の楽しみ方ご存知のようでした。

LiLiCo そうそう。まだの人は立川公演と大阪公演、間に合いますんで。

――立川は本公演の枕詞になってる立飛ホールディングス主催です。

LiLiCo そうそう。立飛ホールディングスさんってすごいね。会社のある地元を巻き込んでこんな大きな公演をやっちゃうんだもん。エンターテインメント界を盛り上げたいっていう企業はいろいろあると思うけど、この取り組みは本当に素晴らしいなと思っていて。今後すごく注目する会社になりますよね。

――立川公演はTACHIKAWA STAGE GARDENで開催です。

LiLiCo 新国立劇場よりもちょっとコンパクトだけど、むしろすごくいいんじゃないかな。ミュージカルって、もちろん大舞台には大舞台の良さがあるんだけど、お客さんとの距離が近いのもいいんだよね。

――まだ観ていない方におすすめを。

LiLiCo 今ちょっと人生を楽しめていないな、っていう方。これを観たらもうすごい勇気もらえますよ!

昔の話だけど、『王様のブランチ』のレギュラーが決まったとき、 面接の帰り道で頭の中は「プリティ・ウーマン〜♪」って流れてたの。23年間ずっと言ってることだけど、すごく前向きになる作品の代表だと思う。もちろん映画版を配信やDVDで観てもらいたいけど、せっかく生の『プリティ・ウーマン』があるんだったら、こっちから入ってもいいと思う。

私が一番苦手なのは、「気になってた」って言うだけで行かない人。いるのよ……公演が終わってから「あれ最高だったんだよ」って言うと、「気になってた」って言う人が。気になるんだったら行けよ!っていつも思うの。これが、人生がハッピーになるかどうかの分かれ道なんですよ。チャンスがあるなら自発的に行く! この作品だったら観た人の方が圧倒的に幸せになりますよ。


文・構成:よしひろまさみち
LiLiCo撮影:源賀津己

立飛グループ創立100周年記念事業PRESENTS
ブロードウェイ・ミュージカル
『プリティ・ウーマン』

■チケット情報:
https://w.pia.jp/t/prettywoman/

9月18日(水)~23日(月・振休)
TACHIKAWA STAGE GARDEN

10月4日(金)~6日(日)
東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール

公式サイト:
https://prettywomanjapan.jp/