演劇研究家が“ミュージカル映画の黄金時代”を語る書籍発売
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「ミュージカル映画が《最高》であった頃」書影(帯あり)
演劇研究家・喜志哲雄が“ミュージカル映画の黄金時代”を語る書籍「ミュージカル映画が《最高》であった頃」が、本日9月24日に発売された。
同書ではミュージカル映画の始祖「ジャズ・シンガー」や、フレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドが参加した作品の数々、そして「シカゴ」「イントゥ・ザ・ウッズ」「ラ・ラ・ランド」などを分析。ミュージカル映画のコンパクトな通史として書かれており、映画の場面写真も多数収録されている。
「ミュージカル映画が《最高》であった頃」は320ページ構成。税込価格は3300円。
「ミュージカル映画が《最高》であった頃」
目次
- 第1章 ミュージカル映画の誕生──「ジャズ・シンガー」
- 第2章 ミュージカル映画の自己投影性──バズビー・バークリー
- 第3章 正統としてのフレッド・アステア
- 第4章 ジュディ・ガーランドの仕事と人生
- 第5章 ジーン・ケリーの実験
- 第6章 異端としてのフレッド・アステア
- 第7章 ミュージカル映画の未来
- 解説 喜志哲雄の体験的ミュージカル映画論 若島正
「解説 喜志哲雄の体験的ミュージカル映画論 若島正」より一部抜粋
本書は、ありとあらゆるミュージカル映画を網羅して、それを総花的に解説した事典のような書物では決してない。むしろ、著者のミュージカル観によって選別された作品が詳細にわたって論じられる──とりわけ、歌の詞と曲を尊重することがミュージカルの文学性の根本にあるという著者の信念によって、歌詞の一言一句までもくわしい分析の対象になる(……) 著者のミュージカル論を支えているのは、豊富な資料の収集と、圧倒的な演劇体験、そして映画体験である。精緻な分析は、ただ単に優れた知性(それは著者がミュージカルの制作者に要求するものであるだけでなく、その観客にも要求するものである)の産物ではなく、ミュージカルを観る喜びを肉体的に知っているという強みから来ている。