【ライブレポート】「SUPER★DRAGON DRA FES 2024」絆の強さを確かめた3時間 「この9人とBLUEで9周年を迎えられた奇跡を抱きしめたい」
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「SUPER★DRAGON DRA FES 2024」
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すべて見るEBiDANの9人組進化系ミクスチャーユニットSUPER★DRAGON(通称・スパドラ)が、2024年9月28日大宮ソニックシティホールにてワンマンライブ「SUPER★DRAGON DRA FES 2024」を開催。満員御礼の会場内には、幕が上がる以前からBLUE(スパドラのファンネーム)たちの熱と圧が満ちていた。
教室を模したステージで「DRA FES」らしい幕開け
今年もこの日がやってきた。周年恒例の宴「DRA FES」。いつものスパドラとは一風変わった、カッコいい一面はもちろん可愛いところもおもしろいところもさらけ出してくれる、夢以上の3時間。彼らを象徴するミクスチャーロックはもちろん、BLUEたちを一分一秒楽しませる企画が目白押しだ。これまでの9年の歴史を振り返るのはもちろん、未来のスパドラがますますヒートアップしていくエンターテインメントを約束してくれた時間でもあった。
ステージが暗転する。鳴り響く学校のチャイムと、浮かび上がる落書きだらけの教室。赤と青のライトが交互に点滅し、大爆音とともにメンバーたちが登場。天を突き抜かんばかりの大歓声が会場内の空気を震わせる。
弾ける笑顔で登場したスパドラ全員が学ランに身を包み、教室を模したステージで宴が幕を開けた。序章に選ばれたのは、3rd ALBUM『3rd Identity』より『Strike Up The Band』。あまりにも鮮やかすぎるスタートに、待ち侘びたBLUEたちの熱狂は瞬間的に最高潮に。メンバーたちは椅子や机を駆使しながら、それぞれの個性を活かしたパフォーマンスを展開していく。机の上に立ち上がり、9人並んで一体感を見せつけたと思いきや、この曲のコンセプトプロデュースを担当した志村玲於が高らかに銅鑼を鳴らす。すぐさまほかのメンバーからは「どういうこと?」とツッコミが。
曲が終わるや否や着席するメンバーたち。「DRA FES」お馴染みのキャラクター・ベビドラが教卓に出現し、メンバーそれぞれの自己紹介へ突入する。柴崎楽が「元気だよ!」と柔らかい笑顔で挨拶をして会場をわかせたかと思えば、伊藤壮吾が電車オタクらしい車内アナウンスを披露。古川毅が「お前ら、『てめえら!』って言ったら『うおー!』ってやってくれねえか?」とこの日初めてのコール&レスポンスを要求すると、一致団結したBLUEたちの喝采が応える。
これから始まるのは学園祭だ。2024年3月にメジャーデビューを果たした彼らの責任感を引き上げるため、今回の「DRA FES」で企画されたのは罰ゲームありの対決企画。彼らは趣向を凝らしたいくつもの対決をこなしていくが、なんと最下位のメンバーは「一人だけ会場外で全力パフォーマンス」をすることになる。
対戦企画始動! もっとも無人島で生き残りそうなメンバーは?
一回戦めは「メンバーイメージランキング」。それぞれのお題に合わせ、どのメンバーがもっともイメージに合うかを、前もってBLUEたちにアンケートを取っている。BLUEたちが思うスパドラと、彼ら自身が思うスパドラ、そのイメージがどれほど合致しているか(または外れているか)を図る、スパドラとBLUEの絆を確かめ合うような企画だ。
一発目のお題は「一番無人島で生き残れそうなメンバーは誰?」。メンバーたちが思う圧倒的1位は志村だったが、なんとBLUEたちの票が集まったのは松村和哉。松村本人は「玲於くんよりも脳筋だと思われてんの、すげえ……」と言葉を濁す。ちなみに最下位は田中洸希で「まじダメすぎだろ〜!」と声を上げた。
続いてのお題は「一番前世が動物っぽいメンバーは誰?」。松村が「顔ペンギンって言われるから3位くらいかなって」と自己評価し、ジャン海渡が「颯って猫っぽいじゃないですか」と高順位に飯島颯を挙げる。結果は堂々の1位に柴崎。圧倒的な910という得票に、本人は「俺ってそんなに準人間?」と複雑な表情だ。
この時点で志村が5ポイントを獲得し独走状態。二回戦めはBLUEたちにとって待ちに待ったであろう「キュンキュン大喜利」だ。出されるお題に対し、スポットライトが当てられたメンバーが次から次へと大喜利を披露していくタイムアタック形式。記念すべき一発めのお題「クレープを一口も食べずに床に落としてしまった女の子に一言」に対し、松村が「あれ、落としちゃってる! 俺食べるって!」と床に這いつくばって食べる真似をして、BLUEたちを笑わせる。
柴崎が繰り出した「一緒にお家でつくる?」が破壊力ばつぐんだったかと思いきや、続く飯島の「クレープ落ちちゃったけど、俺と恋に落ちよう」がポイントを獲得。ポイントを逃し残念がる柴崎を田中が抱きしめる横で、勝者である飯島も「俺もキュンキュンしたよ!?」とフォローする様子に、日頃の彼らの仲睦まじさが垣間見える。
その後も「文化祭に大遅刻! 自分の担当を代わりにやってくれていた女の子に一言」や「文化祭の準備中に手が重なってしまった女の子に一言」などのお題が飛び出す大喜利大会。それぞれ古川の「俺の嫁になる?」と、志村の「ずっとこのまま手を繋いでおいてもいい?」がポイントを奪取した。
ここでいったん対戦企画は閑話休題、ジャンの「お前らさ、正直キュンキュン足りてる? キュンキュンさせちゃいましょうか!」の煽りで、なんとも可愛らしくポップなナンバー『Sweets』と『Pretty Girl』を続けて披露。スパドラらしいキレのある開幕から、9人の和気あいあいとしたやりとりを存分に楽しめる企画コーナー、そしてキュートな楽曲へと繋がっていくドライビングは、BLUEたちの心を掴んだまま離してくれない。
9年間の歴史を感じさせる、粋な演出
ジャンの「ここらあたりで、年上組で空気づくりをしていこうかなと」という仕切りでスタートしたのは、古川、ジャン、飯島、志村による年上組・ファイヤードラゴンによる『PAYAPAYA』。メンバーそれぞれの個性が存分に表出した企画コーナーから一転、宣言どおりガラッと会場の空気を変えてみせた4人。バックモニターでは、同曲をパフォーマンスする過去の彼らの映像が映し出され、なんともエモーショナルな演出にBLUEたちは息をのむ。とくに、念願のメジャーデビューを果たした彼らを9年間応援してきたファンたちにとっては、これまでの歴史と彼らの成長を一挙に見せつけられる時間となった。
続いての『INAZUMA』でスポットライトが当てられたのは池田彪馬。大歓声で迎えられた年下組のサンダードラゴンも負けてはいない。こちらも過去の映像とともに、変遷を感じさせるステージを提供してくれる。彼らとともに歩んできた一日一日を思い出させてくれるのはもちろん、これからも熱く深い時間を約束してくれるような空間。デビュー後9年間の経験が彼らをつくり上げてきたことを、まさに稲妻に似た閃光で知らしめてくれた。
古川の「皆さん、いかがでしたか?」の呼びかけに応える形で、ほかのメンバーもそれぞれが「昔の映像やばい」「懐かしかったね」と言葉を交わす。楽曲によってガラリと変えられた空気は、またもや彼らの手によって対決企画へと引き戻された。
最下位メンバーの罰ゲーム「会場の外で一人きり全力パフォーマンス」の模様は中継され、ほかのメンバーであたたかく見守ることになる。この時点での同率最下位は伊藤と松村だ。
スパドラ個人対決、最下位は?
「SUPER★DRAGON DRA FES 2024」における目玉は、なんといっても個人対決で最下位になってしまった“とあるメンバー”による会場外での全力パフォーマンス、そしてほかでは見られない貴重すぎる“ボーカル・ダンサーを交換しての楽曲披露”になるだろう。
続いての種目「スポーツチャンバラ対決」では、メンバー全員がチャンバラを手にし、腰には紙風船。スタートの合図で一斉にお互いが紙風船を狙い合う。最後は飯島とジャン、そして気づいたら二刀流になっていた柴崎との三つ巴に。ジャンが飯島を破り、接戦となったジャンと柴崎の激しい攻防は柴崎の勝利で終わった。「(勝ったのは)俺?」と戸惑う様子だったところまで含めて、なんとも彼らしい勝ち様だ。
一際BLUEたちを盛り上げたのは、最後の個人対決「借り物競争」。なんとメンバーそれぞれがお題に合わせた人や物を、客席にいるBLUEたちから調達してくるという企画だ。まさに「DRA FES」らしい、スパドラとBLUEの距離を縮める演目の一つといえる。
それぞれのお題について、古川は「じゃんけんが強い人」、伊藤は「文庫本」、田中は「メンバー4人以上の誕生日を覚えている人」、飯島は「なんで今日これ持ってるの?っていうもの」、池田彪馬は「誕生日が前後一週間以内の人」、志村は「細長いもの」、柴崎は「自分のメンバーカラーのものならなんでもOK(スパドラにはメンバーカラーがないため、相談の末グッズの色であるグレーのものに変更)」、松村は「伊達メガネ」ジャンは「2020年以前のグッズ」となった。
さっそく客席に降り、直接BLUEたちと交渉していくメンバーたちの距離の近さに、ひっきりなしに方々から悲鳴にも似た声が上がる。これほどメンバーたちとの親近感を持てる機会も、きっとそうそうない。お題によっては相当難しそうなものも混じっているが、スパドラとBLUEの信頼関係を証明するように、すぐさまお題に沿った人・物を連れてステージ上に戻ってくるメンバーたち。「なんで今日これ持ってるの?」がお題の飯島のみ、少々、調達に手間取っていた。
そんな飯島の獲得物が「ハンガー」だったことで、会場内に笑いが満ちる。続々とお題をクリアしていくなか、ジャッジに慎重さが必要だったのは古川の「じゃんけんが強い人」。ベビドラとも相談し、自称・じゃんけんが強いBLUEとメンバーの一人ひとりがじゃんけんをして、5人以上に勝利すれば「強い」判定が下されることになった。
このとき壇上に上がったBLUEが、自称するだけあってなかなかの強者。ジャン、志村、田中、伊藤と勝負し、見事に連勝してみせる。池田には負けてしまったが、その後、柴崎と飯島にも勝ち星を上げ、無事に「じゃんけんが強い人」に確定。すべての対決が終了し、メンバー全員の獲得ポイントが明かされ、残念ながら最下位となってしまったのは松村だった。
予期しないメンバーシャッフルユニット、熱量は最高潮へ
松村だけが会場外で全力パフォーマンスすることになった楽曲は『Untouchable MAX』。罰ゲームを罰ゲームと感じさせない、与えられた機会はなんでもポジティブに変換してみせるような松村の笑顔は、序盤から明るく弾ける。文字通り全力の笑顔でダンス、上がったテンションを表現するようなジャケットプレイまで飛び出した。その様子を中継するバックモニターに、BLUEはもちろんほかのメンバーたちも釘付けになってしまう。
見事に、遠隔でも狂いのない動き。まるでソロMVを撮影しているかのような勢いとクオリティに、曲の終盤ではメンバーたちも松村を讃えて彼のダンスを見守る。最後の一音までノリノリで踊り切った松村は、充実感を漲らせながらステージ上へと帰還。ジャンは感慨深げに「こんな罰ゲーム、なかなか見られないよね」と一言。古川は「実は去年のDRA FES会議でも案が出ていて、一年越しに叶った」と裏話を明かした。
『Untouchable MAX』を披露し終えた松村本人は「ダンスをやってる子たちが目の前にいて、俺もダンスやってるんだよね〜! って。シャツ投げもしたけど、映ってなかったらどうしようって思ってた」とカメラ外でのエピソードを。すべてが異例とも思える「DRA FES 2024」には、まだまだビッグウェーブが待っている。
客席降りの「借り物競争」や松村の全力罰ゲームと同じく、いやそれ以上にBLUEを興奮させたのは、普段とは違うスパドラが拝める「メンバーシャッフルユニット」演出。披露されたのは『SUPER★DRAGON』『AIKOTOBA』『SAWAGE!!!!』だ。
『SUPER★DRAGON』では、赤い中華風の衣装にチェンジしたメンバーたちが再登場、通常は歌唱を担当しないダンサーチームが、ポジションシャッフルによって歌声を披露した。飯島や柴崎のラップが新鮮に響き合い、少々喉をつらそうにさせながら歌う伊藤、志村にBLUEが沸き立つ。デビューから9年、スパドラのライブに足繁く通ってきたBLUEにとっても、この先なかなか見られない光景が壇上に広がった。
田中のソロ曲である『AIKOTOBA』をスタンドマイクで歌い上げたのは、ジャン。冒頭「キミが好きだよ」とともに炸裂した指ハートに、BLUEの興奮は最大値を更新し続けていく。「これが最大のメッセージです!」の掛け声とともに、バックモニターにはジャンのルーツでもあるトルコ語の歌詞テロップが。「DRA FES」らしい何でもありな趣向に刺激されたまま、池田・古川・田中・松村の4人で贈る『SAWAGE!!!!』へと突入していく。
カジュアルな、ストリートファッション風の新衣装にチェンジした4人。BLUEとのコール&レスポンスにも自然と熱がこもる。前代未聞な演出の連続に、BLUEはついていくので精一杯だ。ライブは折り返しに入っているはずだが、まだまだ休憩なんて許してはくれない。デビュー10周年を目前に控えた彼らの、これまで培ってきたコンビネーションがあるからこそ、普段とは違う魅せ方も様になるのだろう。彼らはまだまだ、新しいスパドラを見せ続けてくれる。
魅せるところは魅せる、緩急あるステージがスパドラの魅力
なんとも「DRA FES」らしい企画や演出が続いたところで、ジャンを皮切りにメンバーシャッフルユニットについて振り返る。「なかなかダンサー組が歌うところって見られないじゃないですか? みなさんどうでしたか?」とBLUEに感想を求める傍ら、志村は「ほんまに大変……」とぽつり。飯島は裏話として、ライブ当日に会場外で出店していたケバブ屋のキッチンカーを「ギリギリまで(ステージ上に)呼ぶかどうか……」検討していたことを明かす。柴崎は持ち前の柔らかさで「これからも会場外にケバブ屋があったら、みんな勘違いするよ?」と心配していた。
ボーカル4人組が披露した『SAWAGE!!!!』を振り返り、古川が「ダンサー4人の定番曲だけど、最初は死にそうになりながらやってたじゃん。その気持ちがわかったね。ダンサーの体力がすごいってことがわかりました」と讃える。シャッフルユニットは、彼らにとっても表現の幅を広げ、ともにパフォーマンスするメンバー同士へのリスペクトを強化する機会にもなったようだ。
「DRA FES」ならではの展開が続いてきたなか、ジャンによる「そろそろカッコいい俺らが見たくないか? SUPER★DRAGON本来の、龍のように最高のパフォーマンスが見たいんじゃないの? ラストまで釘付けでいける? じゃあ行こうぜ!」の煽りから劇的に立ち上がった音像は『Downforce』だ。
高らかに宣言した通りの、彼ららしいバキバキの疾風を感じさせるナンバー。メジャーデビュー後の2nd Singleである本曲で、華麗に会場内の空気をスイッチングしてみせる。緩むときは緩み、締めるときはハイテンポで締める緩急も、彼らのステージの魅力。ライブ終盤に向け、畳み掛けるような歌とダンスがBLUEの五感を根本から揺るがしていく。
掴まれた心は吸着されたまま『Legend』へ。流麗に繋がっていくラップとダンスの連鎖は、まだまだスパドラの伝説は始まったばかりであることを示唆する。古川の煽り「 Are you ready?」が鼓膜を震わせる『BAD BOY』は、より一層、一体感が増していくサビへと勢いをチューニングしていく。ジャンのラップ、松村と志村が睨みを効かせ合い、BLUEの発する熱はもうこれ以上は上がらない到達点を悠々と超えていった。
客席に要求したクラップで勢いづいたまま『Tap tap tap!』へ。池田の伸びやかで艶やかな声が、朗々とこだまする。それを丁寧に受け取るように歌い上げる田中との間に醸成されるシンガロング。高まった熱とスピードはそのままに、最後の曲『Reach the sky』へ。
古川が「最後の曲です! いけるの? タオル振り回す準備できてるの?」とBLUEに呼びかけると、待ってましたと言わんばかりに客席中がタオル一色に。この時間、この場所で、この9人とBLUEたちで歌声を重ね合わせられることが、幸せでたまらない。そんなシンプルで真っ直ぐな感情が、メンバー全員から届けられるような空間だった。最後はタオルを投げ合ってフィニッシュ。「DRA FES 2024楽しんでいただけましたか? 俺たちに負けずに声出せました? 遊び足りないんじゃないでしょうか? また、俺たちと遊びましょう!」と古川が、「ありがとうございました!」とマイクを通さないジャンの生声が、異例だらけのステージを締め括った。
「9周年だからって、満足してません」
鳴り止まないアンコールの呼び声とクラップ。まだまだ遊び足りなかった様子のBLUEに誘われるように再登場したメンバーたち。アンコールで披露された2曲は『Younger Forevermore』と『BROTHERHOOD』で、どちらもスパドラとBLUEがお互いの愛を持ち寄り、絆を確かめ合い、これからも同じ場所で音楽を通して繋がっていけることを確信させるような曲だった。一歩ずつ踏みしめながら、夢を叶えるために歩いていくことを約束した『BROTHERHOOD』では、古川が歌詞「仲間がいたからさ」を「BLUEがいたからさ」に変更して歌うエモーショナルな一幕も。
「DRA FES」でやりたいことを全部詰め込みまくった、とこの日一日を振り返ったジャンは、あらためて、対決企画のためにアンケートに協力してくれたBLUEたちに感謝の言葉を贈る。「推しメンからブルーのあなたに!お電話企画実施決定(ファンクラブ年額コース会員限定、詳細は後日発表)」や「龍崎高校移動教室 -仙台編-開催決定(12月15日)」ならびに「龍崎高校修学旅行編開催決定」など、2024年を最後まで丸ごと楽しみ切る、さまざまな企画まで発表されたのも「DRA FES」らしい。
柴崎は「BLUEがいれば僕たち最強なので、これからもよろしくお願いします。大好きだよ!」と大きいハートは客席に向け、最後の一秒まで胸キュンを忘れない。伊藤は「9人で9周年です。幸せな時間をここまで過ごせたので、10周年もその先も、もっともっと幸せになれるように、みんなで過ごしていけたら嬉しいです」と未来を予感させる。
9周年ありがとうございます、と前置きした松村は「(ここまで)折れずに良かったなと思っています。みんなのことを第一に考えつつ、スーパーわがままでやっていきたい」と彼らしい挨拶。9周年にして赤髪・短髪という珍しいビジュアルを見せた田中は「9周年ありがとうございます。初めての赤髪・短髪ということで、いままでは王道でやってきましたよ、ずっと。これからもこの9人で続けていきたいし、皆さんもついてきてくれたら嬉しいなと思います」と呼びかける。
スパドラ結成10周年を控えていることに触れた池田は「和哉と楽も、人生の半分以上をスパドラに捧げてることになるよね」と、デビュー当時10歳を超えたばかりだった松村・柴崎にエールを示した。「9周年だからといって満足してないし、もっとみんなと大きいステージ目標に突き進んでいけたならと……」と言ったところで盛大に噛んでしまい、すかさず年長の志村が励ます。こんな些細な微笑ましい一面も、彼らのチームワークを表している。
飯島は「こうやってこの場で皆さんと祝えることが幸せですし、この9年間を、青春を、スパドラに捧げてきました。皆さんもそうだと思うんですけど、こうやって歴史を積み重ねていくこと、一分一秒も大切にしたいなと思うようになりました。これから先も、僕らとBLUEの物語は続いていくので、一緒に歩んでいきましょう」と噛み締めるように口にし、古川は「こだわりが強い僕たちですけど、この9人でやっていくってことなんで、一番こだわっているのは。この日をみんなと迎えられたこと、この奇跡を抱きしめながら、10年もやっていきたいと思っています」とほかのメンバーさえも唸らせる。
「一人も抜けずにやってきたことが嬉しいし、この8人を笑わすためにやってきたようなところもあります。(僕は)友達とも遊ばないタイプで、ここ(スパドラ)で満足してるところがあるから。現場入りして、ステージよりも裏のほうがみんなを笑わせてるんじゃないから。BLUEとこの9人とで、これからも頑張っていきたいと思います」と挨拶したのはジャン。最後は最年長の志村が「これから先も、10周年11周年と、生意気な弟たちにいじられながらやっていくと思います」と締める。これからもどんどんBLUEたちとの思い出を積み重ねていきたい、この瞬間が最高だと思えるものをつくっていきたい、と口にした志村の見る未来には、まだまだ遊び足りないスパドラとBLUEが渾然一体となって、歌い、踊り、青のペンライトをかざし、タオルを振り回す景色が広がり続けているのだろう。
これからも、道を重ね合わせながら進んでいく。BLUEはもちろん、欠けることのない9人での絆が一番だと示してみせた「SUPER★DRAGON DRA FES 2024」。これからの歴史も、たとえ困難や障害があろうとも、それさえ引っくるめて楽しめることを、彼らの満面の笑顔が証明している。
(文 北村有)
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