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「Musicalプラハの橋」記者発表レポート 「懸命に人生を歩くことは大切なことなんだ、と作品を通じてお伝えできたら」

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「Musicalプラハの橋」記者発表より

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9月18日、チェコ共和国大使館にて「Musicalプラハの橋」の記者発表が行われた。
記者発表には竹島宏、庄野真代、宍戸開、作曲・編曲の宮川彬良、作詞の安田佑子、脚本・演出の田尾下哲、音楽監督・ピアノの宮川知子、マルチン・クルチャル駐日チェコ共和国大使が登壇した。

「Musicalプラハの橋」は竹島宏が歌う「プラハの橋」「一枚の切符」「サンタマリアの鐘」で構成された『ヨーロッパ三部作』をモチーフとした作品。
舞台は1989年の秋。フランス革命200年祭が日夜盛大に行われているパリが舞台だ。
ヨーロッパ諸国のニュースを追う根草なしのジャーナリストであるアンディは、新聞社のパーティに出席していた。そこで、アンディは編集長のマルクから妻・ローズを紹介される。彼女は、アンディがイタリアに出張した際に一目惚れした人だった。
ローズと、実は母がイタリア人だというアンディは、花言葉の話題で盛り上がる。運命とも言える出会いを果たした3人の関係は少しずつ変化をしていく――。

今回、チェコ共和国大使館で記者発表が行われたのは竹島がチェコ親善アンバサダーということがきっかけだった。
大使のマルチン・クルチャル駐日チェコ共和国大使は「プラハは中心地がユネスコに登録されているとても美しい街。川にたくさんの橋が架けられており、その橋の中のひとつであるカレル橋が作品の中で重要な存在になっていると聞いてとても嬉しい」と語り、「『プラハの橋』をきっかけに日本のたくさんの人に興味を持ってもらえたら嬉しい」と伝えた。

竹島はそんな言葉を受けて「コロナ禍の中で竹島宏を大人の歌手にしたい、という制作の先生方がヨーロッパを舞台とした歌を歌わせようという話になりました」と振り返った。その中で作詞の山田ひろしが「プラハに竹島を立たせたい。プラハでどんな物語の主人公を竹島が演じるのか。それを楽しみにこの物語を作りたいということで作っていただいたのが『プラハの橋』」と解説。そしてこの「プラハの橋」がきっかけとなり、パリ、フィレンツェを舞台にした歌を歌うことに。そんな作品たちは日本レコード大賞企画賞も受賞することとなった。

竹島のターニングポイントとなった作品「プラハの橋」が広まることで、いろいろなところでチェコ・プラハに思いを寄せる人が広がった。竹島にとってだけではなく、チェコと日本をつなぐきっかけにもなる作品であることが分かる。

大人の恋の物語をどう描くか

まず、脚本・演出の田尾下は竹島のヨーロッパ三部作をもとにミュージカルが作れないかというオファーをもらったことを振り返り、「フィレンツェとパリとプラハ、3つの国をまたいだ物語なんですが、その3つの国をもとにしながらも、どの時代に設定して、3人の恋物語をどのように描くか考えました。昔すぎず、でも現代の情報社会では恋心の行き違いも起きづらい。そんな中で手紙だけではなく、電話がある、ギリギリポケベルがある時代にしようと考えました」と時代設定について触れた。そこを起点として5年ほどの物語を描くが、「設定は考えていましたが、お三方にはインタビューをしながらの当て書きをしました」と、まさにこの3人のキャストでなければ生まれない物語であることを語った。

作曲・編曲の宮川は「最初に話をもらった時点で、すでに先に曲があるんだということが、ちょっと言いにくいんですが、画用紙に絵が書いてあるような状態」と言い、最初は戸惑った心のうちを明かした。
しかし、「台本が実に巧みにできていまして」と言い、「田尾下さんと安田さんの書かれた言葉が非常に巧みに、心の中と外を分けるわけじゃないけれど、ちゃんと楽曲の住み分けが上手にできていて、かえっておもしろいと思えたんです」。台本を最後まで読んだあと2度目では「台本を開くなり、曲で聴こえてくるような。自然と筆が走りました」と語った。さらに、「僕はこういう台本を待っていた部分があります。大人の恋の話で、大人の恋のミュージカルを作りたかったんだな、と実感しています」と笑顔を見せた。

ミュージカル初出演の竹島は「ミュージカルはこれまでも見たことがありますが、実際にそのステージに立つということは、今まで生きて来た中で一度も想像したことがありませんでした。正直、今回のお話をお聞きしたときにそんなことが実現するんだろうか、と思ったのが率直な気持ちです。でも、今回大先輩2人の胸をお借りしながら、自分にできることを一生懸命、体当たりでぶつかっていったら、もしかして表現者として新しい何かを生み出すことができるんじゃないか、という期待で胸がいっぱいです」と語った。

舞台は12年ぶりという庄野は、「今回、この話をいただいて、絶対に無理だと思った」。
そこでプロデューサーに、「本当に自分でいいのか」と何度も確認したという。「最後に庄野さんがいいんです、と言っていただいたのですごく救われました」と言い、それでもまだ不安な中、決め手になったのは宮川彬良の名前があったから、と語った。「私は音楽家ですから、新しい音楽に出会うときのときめきがあるんですね。そのときめきが大きかったので、いま出来上がっている曲を聴いて、歌うのが楽しみで仕方がない。素敵な男性2人に寄りかかりながら、お芝居できたらいいかな、と思っています」

宍戸は構想を聞いた際、「新聞社の編集長でしかも、パリ。フランス映画も大好きだし」ぴったりだと興味をひかれつつも、「はっきり言ってミュージカルは嫌いなんです。なぜか言うと、かゆくなるというか。日本語の歌がある中で、芝居がはじまる転換点のむずがゆさが何とも言えない」と苦笑い。「でも、嫌いといっていたら扉は開いていかないので。今回のミュージカルで10回目ぐらいの出演で好きになってきているけど……僕は歌いません」とユーモアたっぷりに語った。 そして最後に宮川知子は「初めて台本を読ませていただいたとき、花や花言葉が散りばめられた作品だな、と思っていましたが、音楽が加わったことによって、香りが漂ってくるような作品に変わる。私が初めて音楽に触れて感動した瞬間を噛み締めながら、演奏にも挑みたいと思います。それがお客さんにも伝われば」と語った。

さらに宮川彬良がピアノ、ヴァイオリニストの森由利子が劇中歌「花のラブレター」を生演奏。物語の一端を音楽で感じさせた。
生演奏を聴き、竹島は「うっとりしました。こんなに素敵な、流れるような麗しい音楽の中でミュージカルをさせていただけるんだ、とますます楽しみになりました」と表情を輝かせた。

最後に、竹島は「こうした世の中で自分がどうやって生きていったらいいんだろうかとか、すごく大きなことでなくても、日々生活の中でも悩んでいらっしゃる方もいると思うんです。でも、そんなみなさんにも今回の作品を見ていただいて、例えどんな生き方であっても、切なさも哀しさもあって、懸命に人生を歩くことはとっても大切なことなんだ、と作品を通じてお伝えできたら嬉しいな、と思います」と思いを語った。

「Musical プラハの橋」は2025年1月7日(火) から上演される。

取材・文:ふくだりょうこ

<東京公演>
Musical プラハの橋

公演期間:2025年1月7日(火)~13日(月・祝)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454016

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