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伊東深水、川瀬巴水、吉田博など貴重な初摺を公開 うらわ美術館リニューアル・オープン記念展『THE 新版画』11月16日から

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川瀬巴水《清洲橋》昭和6年(1931)

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江戸時代に確立された浮世絵木版画が明治末期に衰退していくなかで、伝統的な浮世絵の技術と新しい絵画表現の融合を目指した版元・渡邊庄三郎(1885-1962)。その渡邊の試みによって大正期に始まり、近年再び注目を浴びている「新版画」に焦点をあてた展覧会が、11月16日(土)から2025年1月19日(日)まで、さいたま市のうらわ美術館で開催される。

1885(明治18)年に茨城県に生まれた渡邊庄三郎が、東京・京橋に渡邊版画店(現・渡邊木版美術画舗)を構えたのは1909(明治42)年、24歳のときだった。銅版画や石版画、写真技術が流入した影響によって、従来の浮世絵木版画が衰退しつつあった時期、その高度な彫りの技術やバレン摺りが生み出す特有の美しさに魅了されていた渡邊は、浮世絵の研究や販売を行い、1915(大正4)年からは、来日していた外国人画家の作品の版画化を試み始める。同時に、日本画家・鏑木清方の門下生だった伊東深水や川瀬巴水、橋口五葉や吉田博など、新進気鋭の画家たちを絵師として起用。才能ある画家たちに加え、優れた技術を持つ彫師や摺師、高品質な材料、そして渡邊の創意工夫と優れた審美眼が集結したことで生まれた新たな浮世絵木版画が、「新版画」の名のもとに世に送り出され、人気を博した。

樋口五葉《浴場の女》大正4年(1915)

同展は、この渡邊の精神を今なお受け継ぐ渡邊木版美術画舗の全面的な協力のもと、残存数が少なく貴重な初摺の渡邊版を紹介する展覧会。また、日本人画家として新版画の第一作を手掛けた橋口五葉による装丁本など、同館の所蔵作品もあわせて展示される。Appleの共同創業者のひとりであるスティーブ・ジョブズを魅了するなど、近年再び注目を浴びる「新版画」の瑞々しくもモダンな表現の魅力を堪能できると同時に、渡邊の挑戦の軌跡をたどる興味深い展覧会となっている。

フリッツ・カペラリ《柘榴に白鳥》大正4年(1915)

なお、同展は、空調設備改修などのために約1年にわたって休館していた同館のリニューアル・オープン記念の展覧会。新版画の摺りの実演など、様々なイベントが企画されている。詳細は、公式サイトでご確認を。

<開催概要>
『THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦』

会期:2024年11月16日(土)〜2025年1月19日(日)
会場:うらわ美術館
時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(1月13日は開館)、12月27日~1月4日、1月14日(火)
料金:一般 620円、大高410円、中小200円
※うらわ美術館で開催された展覧会の観覧済有料観覧券提示で割引あり
公式サイト:
https://www.city.saitama.lg.jp/urawa-art-museum/

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