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ミッチーこと及川光博、万事休す! 『ハケン占い師アタル』アタルとキズナの対決がいよいよ始まる

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 「シンシアイベンツ」制作Dチームの部長・代々木(及川光博)。おべっかを使い、自分中心の損得勘定で動くこの男だけは、いまや鋼の結束力を持つようになったDチームのみんなから不信感を持たれている。

【写真】ミッチーとアタル

 2月28日に放送された木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)第7話では、この代々木がDチームに過去最大の難題を押し付ける。そして、親会社から「シンシアイベンツ」に出向としてやってきていた彼が、まさかのDチームの専任部長に任命されてしまうことに。

 いつもDチームに無理難題を課す代々木。陰で上野(小澤征悦)から、“クソ部長”呼ばわりされているのも納得な男である。今回彼がDチームの面々に課したのは、開催が1週間後に迫る人気ピアニスト・タカオのコンサートのイベント企画。タカオは非常に気難しい性格であり、別のチームが提案したイベント内容を拒否し、コンサートの開催自体をも拒否しようとしていた。仕事に手を付ける前から絶体絶命のDチームだが、いまの彼らに怖いものはない。目黒(間宮祥太朗)がいつも口にするように、「俺たちなら奇跡を起こせる」はずなのだ。

 ところが、代々木が親会社に舞い戻る道が絶たれ、Dチームの専任部長となったことで、事態はさらに厳しいものに。これは事実上の左遷であり、茫然自失する彼の顔には、普段とはまた違う、険しいものが浮かんでくるようになるのだ。

 そんな代々木を演じるのは、“ミッチー”の愛称で幅広い世代から親しまれる及川光博だ。現在公開中の『七つの会議』では、今作とは打って変わって、臆病ながらも正義のために真実を暴くべく奮闘する男を好演。野村萬斎、香川照之、片岡愛之助、鹿賀丈史、北大路欣也といった、じつにシブい俳優陣の顔力が次々とアップで繰り出される本作の中で、及川の若々しい表情は一種の清涼剤となり、また、朝倉あきとの探偵コンビ的な組み合わせも素晴らしい。

 及川といえば、どの作品においても見られる、彼特有の演技スタイルが印象的だ。声色の巧みな変換と豊かな表情の組み合わせによって実現されるこれを、さしあたり“ミッチー演技”とでも呼びたい。ごく一般的な人物でさえもエンタメ化してしまう彼の軽妙なバランス感覚は、唯一無二なものとして、多くの作品で重宝されている。本作『アタル』でもそんな彼のスタイルで、見事に軽薄者を体現しているのだ。

 さて、奮闘するDチームの面々をよそに、代々木はイベントが失敗に終わるように心の中で願っている。これを読んだアタル(杉咲花)は、自ら占いを買って出る。自分が認められないことに不服な代々木にアタルが放った言葉は、「自分を認めて欲しいなら、まずは相手を認めろ」というものである。そうなのだ。彼の部下である愉快なDチームの者たちの努力を、彼は認めようとしてこなかった。続けてアタルは「どんなことでも諦めずに続けられることが才能だ」と諭す。

 若かりし頃の情熱を少しだけ思い出した代々木は、いわゆるスランプに陥り、最後の最後までコンサートを中止にしたいとゴネるタカオに、アタルの言葉をそのままぶつけることになった。そこで判明したのが、なんとタカオは駆け出しの頃に代々木と出会っており、当時も同じように熱い言葉をぶつけられて、ここまでやってこれたのだという。コンサートは無事成功し、Dチームの努力によって奏でられた美しい音色に代々木の涙が光る、なんとも感動的な展開であった。

 この“代々木問題”と平行して進行したのが、アタルとキズナ(若村麻由美)の関係だ。彼女らの母娘関係が発覚し、「シンシアイベンツ」へとやってきたキズナから不穏な空気を察知した大崎(板谷由夏)は、機転を利かせ、なんとか追い返すことに成功。しかし、物語のラストではアタルにキズナの影が迫る……。次回の8話では、この対決が見られることとなりそうだ。

(折田侑駿)