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四季『キャッツ』が上演回数1万回に到達

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撮影:下坂敦俊

劇団四季のミュージカル『キャッツ』が、明日3月12日(火)、日本公演通算1万回の大きな節目を迎える。日本国内では、同じ四季の『ライオンキング』に次ぐ快挙となる。

『キャッツ』は、イギリスを代表する詩人T・S・エリオットが子ども向けに編んだ詩集『Old Possum's Book of Practical Cats(ポッサムおじさんの猫とつき合う法)』に、『オペラ座の怪人』や『ジーザス・クライスト=スーパースター』の作曲で知られる、アンドリュー・ロイド=ウェバーが曲をつけたミュージカルで、1981年にロンドンで初演された。

『キャッツ』と言えば、名曲『メモリー』を思い浮べる人も多いと思うが、個性豊かな猫たちが生き生きと描写されているこの詩集には、実は『メモリー』も、それを歌う娼婦猫グリザベラも出てこない。これには、ロイド=ウェバーと演出家のトレヴァー・ナンが、エリオットの未発表の詩にヒントを得て、この名曲を書き加えたという逸話がある。

人間がひとりも登場しない異色のミュージカルは大成功を収め、翌82年にはブロードウェイ公演が開幕。日本初演はさらにその翌年、83年11月11日、東京・西新宿で幕を開け、1年間のロングランを記録する。

今でこそ劇団四季のミュージカルは、日本各地で年単位のロングランが当たり前になっているが、当時としては画期的で、それを可能にした、テント式の仮設専用劇場“キャッツ・シアター”の発想も、オンラインのチケット流通システムも、すべてこのミュージカルから始まったものだ。『キャッツ』の上演は、日本の演劇興行全体にとってもエポックメイキングな出来事だったと言える。

それから35年4か月。この間、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、静岡、広島、仙台、横浜の計9都市で繰り返し公演が行われ、現在は、東京・大井町のキャッツ・シアターで、5回目となる東京公演がロングラン中。チケットは既に2019年12月分まで売り出されている。

文:原田順子