舞台美術家・朝倉摂のルーツを探す旅へ!瀬戸口郁×西川信廣が描く、文学座「摂」開幕
ステージ
ニュース

文学座公演「摂」より。(撮影:宮川舞子)
文学座公演「摂」が、昨日10月28日に東京・紀伊國屋ホールで開幕した。
本作は、生涯1600本以上の舞台を手がけた舞台美術家・朝倉摂の、日本画家時代に光を当てる作品。これまで多くの評伝劇を生み出してきた瀬戸口郁と西川信廣の作・演出コンビが、取材をもとに物語を立ち上げる。1922年、摂は彫刻家・朝倉文夫の長女として生まれ、17歳のときに美人画で知られる日本画家・伊東深水に入門。日本画家として頭角を現す摂だったが、1941年に太平洋戦争が勃発すると、摂の青春は戦時色に覆われる。戦争への憎悪や、権威的な日本画壇への抵抗心を募らせた摂は戦後、家を出ると自画像を描き、自らの“闘争”を決意した。
開幕に際し、演出の西川は「『摂』は言うまでもなく、舞台美術家の故・朝倉摂さんを題材にした物語です。思い返せば朝倉さんは、私にいつも『西川チャン。何か新しいことがやりたいね』とおっしゃっていました。また、一緒に仕事をしている時も、私がアイデアを出すと『そんなの面白くないよ』と言って斬新なプランを出してくれました。朝倉さんは既成の価値観にとらわれず、現状にも満足せず、たえず前を見て生きていました。そんな朝倉さんの背中を追いかけ、稽古期間中は出演者そしてスタッフのみんなと稽古を重ねて参りました。10月28日の初日からはご来場いただくお客様と一緒に朝倉摂さんのルーツを探す旅に出たいと思います。皆様のご来場お待ちしております」とコメントしている。
東京公演は11月6日まで行われ、その後本作は11月9・10日に兵庫・兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター 大ホールでも上演される。なお一部公演では終演後にアフタートークを開催。詳細は公式サイトで確認しよう。
%play_1965_v1%