時代を超えて受け継がれる“生命の輝き” 浅利演出事務所『ユタと不思議な仲間たち』開幕
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ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』 (撮影:友澤綾乃)
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すべて見る10月31日(木)、浅利演出事務所主催のミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』が東京・自由劇場で開幕した。自然豊かな東北を舞台に、東京から転校してきた少年・勇太(ユタ)が村に伝わる“座敷わらし”と出会い、成長していく物語。浅利慶太氏演出による日本を代表するオリジナルミュージカルで、1977年以来リニューアルを繰り返しながら47年にわたり上演が続けられている。浅利演出事務所公演としては2021年以来3年ぶり3度目の上演だ。
8月に急逝した下村青さんに代わって、座敷わらしの親分・ペドロ役を演じるのは劇団四季の芝清道。過去にヒノデロ(下村)とゴンゾ(芝)としても人気を博し、その他数々の演目で共演をしてきた盟友の16年ぶりの出演に胸を打たれたファンも少なくないだろう。
演出を担うのは、かつて小夜子役を演じた野村玲子。さらに、かつてユタ役を演じ本作の振付も担当する加藤敬二が寅吉役で出演。山崎佳美、坂本里咲といった本作の創成期を知るベテラン俳優が居る一方、本作初出演の若手俳優が10名と過半数を占める。こうして次の世代へ作品が受け継がれていき、初演から数十年を経ても変わらぬ感動を得られることがうれしい。生きていることが当たり前ではない、生きているって素晴らしいというシンプルなメッセージが劇場を包み込み、終演後のロビーでは(早い人は幕間でも)頬を流れる涙を拭う姿があちこちで見られた。
全編を通し、柔らかな響きの方言“南部弁”で紡がれる日本でも稀有なミュージカル。舞台上にはススキや竹、藁山などの自然や、大黒柱のある日本家屋など、心がホッとするような日本の原風景が広がっている。勇気や友情の尊さ、そして生命の輝きを再認識し、観劇後にはきっと明日への希望が湧いてくるに違いない。公演は11月16日(土) まで。
<公演情報>
ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』
2024年10月31日(木)~11月16日(土)
会場:東京・自由劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/yuta/
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