佐野玲於の自分らしく生きるルール「目標や理想は、あればあるほど遠のくもの」
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佐野玲於 (撮影:映美)
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すべて見るあの凸凹コンビが帰ってくる。桐谷健太演じるカリスマ情報屋“インフォーマ”木原と、佐野玲於演じるポンコツ週刊誌記者・三島が、連続殺人事件に立ち向かう『インフォーマ』。2023年にドラマシリーズが放送・配信されて以来、早くも実現した続編『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』にファンはもちろん、キャストやスタッフ全員が沸き立った。前シーズンに続いて三島を演じた佐野玲於に、まずは一ヶ月半に及んだタイでの撮影を振り返ってもらった。
1ヶ月半に及ぶタイでの撮影「大好きな国になりました」
新シリーズ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』制作決定の報を佐野が聞いたのは、ちょうど一年ほど前。「三ヶ月ほど空けられるか?」とスケジュールを確認されたのを、よく覚えているという。
「ちょうど、僕の所属するGENERATIONSが個人活動に力を入れる時期に入っていたころで、アメリカに留学しようと考えていたんです。僕の場合は、留学先がアメリカからタイになりましたけど(笑)」
『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の主な舞台はタイ。現地での撮影は一ヶ月半ほどに及んだ。「長期で海外に滞在するのは初めて、しかも50人くらいのチームで。夏休みの遠征合宿みたいな感じでしたよ」と撮影を振り返る佐野は、タイという国を「大好きになった」のだとか。
「初めてのタイでした。エネルギーと活気を感じる国で、長い海外生活にストレスを感じるかな、と予想してましたけど、最後まで楽しく過ごせたのが自分でもびっくり。タイはご飯が美味しいし、現地の人たちの肩の力が抜けた感じ、生きることを楽しんでいる様子は、シンプルに見習いたいと思いました。一ヶ月半の撮影でしたけど、もう少しいたかったな。間違いなく、僕がいちばん楽しんでいたと思います」
前シーズンに引き続き三島を演じる佐野は、桐谷健太演じる木原によってまたもや危険すぎる事件に巻き込まれていく。命を獲り合うような応酬に、息をつかせぬ展開が続くが、撮影現場は和気あいあいとしていたようだ。
「(桐谷)健太さんや僕をはじめ、前作から続投しているキャストもいますし、撮影場所が変わっても当時を思い出す空気感が流れていたと思います。朝に集合して撮影をして、終わったらご飯を食べに行ったり、タイのサウナに行ったり。約束せずに自然とホテルのロビーに集合する感じが、僕にとってはすごく心地よかったです」
キャスト・撮影クルーが拠点にしていたホテルの横には、家族経営をしているカジュアルなレストランが併設されており、毎日のように通っていたという。愛着が生まれ、なんとその場所で、本編の重要なシーンの撮影をするまでに至った。「思い出がありすぎます」と佐野は笑顔で回想する。
濃密な期間だったようだが、この作品ならではのアクシデントはあったのだろうか。佐野に水を向けると「これだけ『楽しい!』って連呼しておいて何ですけど、ハプニングもたくさんありました。言えないハプニングだらけ(笑)」とさらに笑顔が深まる。
「今作では、タイのキャストやスタッフさんとも一緒に撮影をしていたんです。彼らはよく働いてポジティブで、僕たちのことをリスペクトしてくれて、勉強になることがたくさんありました。ただ、タイを含め海外では12時間しか撮影できないルールがあって、日本にはそれがない。日本は、多少の時間をオーバーしても『撮り切ろう!』っていう風潮なんですよね。その文化の違いからか、たとえば撮影が伸びて昼食の予定がずれたとき、タイの囚人役エキストラたち100人が一斉に大ブーイング(笑)。タトゥーだらけのごつい囚人たちが一気に怒っている様は、めちゃくちゃ怖かったですね」
良い空気感&エネルギーに満ちた現場
『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』は、より三島の成長や葛藤にフォーカスが向けられた構成になっている。役作りについては「とにかく楽しくやろう、それしか考えていなかった」という。
「正直つらいシーンもあったんですけど、現地のスタッフさんと仲良くなって、波長の合う楽しいチームで最後まで撮影に臨めました。健太さんが先導を切って『この空気感を大事にしようぜ!』ってすごく盛り上げてくださったので、僕はそれについていけばいいっていう安心感があって。良いエネルギーに満ちた現場だったと思います」
まさに木原と三島の関係性が地続きとなった現場だったのかもしれない。異国の熱い空気とエネルギーは、また前シリーズとは違った肌触りを伴いそうだが、再び三島を演じるにあたっては「身体に染み付いている感じがある」と佐野は言葉にする。
「前作の撮影が終わったころ、続編をやると決まっていたわけではないのに『絶対やるよね!?』っていう謎の空気感が、チーム内にありました。不思議な確信、というか。いざ続編が決まったときに健太さんから電話をもらったんですけど『また祭りが始まるな〜!』って言ってましたね(笑)。タイでの撮影がどうなるのか未知数でしたから、二人で30分くらい妄想電話して。スタッフさんも全員やる気満々でしたし、そういったシナジーが自然と信頼関係に繋がって、この作品に結集されている気がします」
木原の破天荒っぷり。三島の記者魂。キャラクターはもちろん、ストーリーの濃さも何倍にも凝縮されている。より壮大でエンターテイメント性が深まった『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』。佐野は「ジェットコースターに乗るときの、ヒヤヒヤ&ワクワクした気持ちで楽しんでほしい」と目に光を宿しながら言う。
ピュアでポンコツ、でも記者魂に溢れるのが三島
木原のどんな無茶ぶりにも、三島は文句を言いながらも根性で立ち向かう。木原はそんな三島をしきりに「ポンコツ」と揶揄するが、どんなに三島が危ない目に遭っても、いざというときは助けに現れる。友人とも仕事仲間とも言えない、この二人の間には独特な信頼関係があるように見える。
「嫌よ嫌よも好きのうち、みたいな関係性ですよね。木原は一見すると破天荒ですけど、実は愛が深いし人間味もある。情報屋として目的達成のために動く過程で、間接的に『情報とは何か?』と僕らに投げかけられるテーマ性も帯びているし、木原というキャラクターがいることで物語に一貫性が出たのが前作の『インフォーマ』だったんじゃないかと。それを受けた今回の続編では、三島の成長や内面を描いているので、合わせて観てもらえると二人の“でこぼこ感”がより伝わると思います」
木原と向き合うことで、自身に染みついた三島というキャラクターが自然と滲み出てくる、と語った佐野。約2年前よりも成長した三島を演じたことで、あらためて彼の「ピュアさ」に気づいた。
「週刊誌記者なのにピュアで、危ない現場に立つ自分にゾクゾクしているようなところもあって。木原とともにスリルを味わうことで、それが癖になっちゃってるんじゃないかな。彼なりの記者魂や根性もあるけどポンコツっていう、どこか人間としてのおもしろみもある。木原も、三島のそういうところを買って信頼を置いているというか、上手く利用しているんだと思います(笑)」
佐野自身は、相手のどんなところを見て信頼に足るか判断しているのだろうか。ファンの間でも「交友関係が広すぎる!」と話題になるほど、業界問わず友人の多い佐野の答えは「どうなんですかね……直感じゃないですかね」。
「きっと本能的に、合わない人は合わないって直感で判断してるんじゃないかな。ほんと、僕は良い人たちに恵まれていると思います。たまたま仕事をきっかけに知り合った人と仲良くなったり、その繋がりで友人が増えていったりして。自分から『紹介して』なんて一度も言ったことないですけど、ありがたいことに縁が広がっていってますね」
良好な人間関係を保つコツは「考えすぎず、良い意味で適当に」。何か違うな、と思ったらその場を離れ、自分が楽しいと思える人と場所を探す。彼が誰からも受け入れられる所以は、そんな身軽でシームレスな姿勢が心地良さを生んでいるからなのかもしれない。
佐野玲於の自分らしさ「気になったらとことん追求します」
あらためて三島という人物像を俯瞰すると、記者としてもっと上に行きたい、認められたいという向上心が強いように見える。ポンコツで、ピュアで、記者魂と根性に支えられている三島。それが彼らしさだとすると、佐野自身が思う「自分らしさ」とは何なのか。
「好き嫌いはハッキリしてるかもしれないですね。興味が持てないことにはどうしたって没頭できない。少しでも興味が持てれば、人の些細な言葉でもビックリするくらい覚えていたり、自分で調べたりします。それらを分ける基準は自分でもわからないんですけど、無意識のうちに選択しているのかも」
たとえば医者と会話をしているとき、普段は触れないような医学の話でも、興味がわけばその場で調べたり、気になったものは買ったりすることが多いという。悩むことはあまりなく、趣味嗜好も直感で選びとる佐野の姿勢は一貫している。例え話として「医者との会話」を挙げるあたりも、彼の交友関係の広さが感じられる。
「ちなみに、いまいちばん興味があるのは日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』です。ちょうど『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』にも出演している二宮和也さんが主人公なんですよね。だから、というわけじゃないんですが、たまたま帰宅してテレビをつけたら第1話が放送されていて、見入っちゃって。めちゃくちゃおもしろいので、最終回が待ち遠しいです(※取材日は9月初旬)」
何もないのも、自分らしさ
直感を重んじ、自分が楽しいと実感できる人や場所を重視する佐野。しっかり自分らしさに向き合う彼が演じるからこそ、三島というキャラクターにも一本の芯が通っているように見える。自分らしさを見つけ、理想の自分に近づくために必要なこととは何なのか? と佐野に問いかけると「自分ってなんなんですかねえ」と戸惑いながらも、彼らしい言葉で答えてくれた。
「こうなりたい、ああなりたいっていう理想があればあるほど、遠ざかっていくものだと思うんですよ。自分も、まだまだだな、と思いますし。でも、目標や理想を見つけてはクリアしていく、その繰り返しですよね、人生って。その経験が積み重なっていくことで、自分が構築されていく」
でも、目標や理想をつくらず、あえて何もしないっていうのも自分らしさになるんじゃないですか、と佐野は続ける。
「アイツほんと何もしないな、って周りから言われて『何もしないヤツ』として覚えられる。それも自分らしさですよね。役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』(2023)を観たときも、何事も起こらない普通の日常に小さな幸せを見出す、あの特別さが答えだよな、って思いました。あまりに大きなものを求めて、高いところを目指しすぎると、生きることに満足感を得られなくなる」
世のなかは、ときに無理やり、目標や理想を形成させようとする。これをしないと将来危ないですよ、これを手に入れないとダメになりますよ、と不安を煽る要素で埋め尽くされている。不要な焦りでどんどん追い立てられ、心は萎縮していくばかり。佐野は「だから、少しくらい何もせず、ぼけ〜っとしているくらいでちょうどいいんじゃないかな」と、肩の力を抜いて生きる道を示してくれた。
「若い子たちのあいだでも多いですよね。痩せないと! って過度に運動したり、食事制限したり。クラスのみんなと同じじゃないと! って焦って、流行っているものをとりあえず真似して買ったり。そんなに焦らなくてもいいと思うよ、って伝えたいです」
取材・文:北村有 撮影:映美
ヘアメイク:寺本 剛(JYUNESU)、TAKESHI TERAMOTO(JYUNESU) スタイリング:吉田ケイスケ
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