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WILD BLUE DEBUT SHOWCASE[The First Light]レポート「どんな瞬間もお互いを支え合い、輝き合える存在でありますように」

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WILD BLUE DEBUT SHOWCASE[The First Light]

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2024年11月11日、パシフィコ横浜で新たな冒険が始まった。リーダー・山下幸輝率いる5人組ダンスボーカルグループ『WILD BLUE』が、DEBUT SHOWCASE[The First Light]と称してデビュー後初の単独公演を開催。未発表曲を含めた歌やダンスのパフォーマンスはもちろん、あらためてグループの自己紹介を兼ねたトーク企画や、待望のファンネーム発表、2025年のツアー開催解禁、山下幸輝と鈴陽向の誕生日サプライズなど、いまのWILD BLUEが隅まで詰まった約2時間となった。

華麗なオープニングから、ギャップだらけのトーク企画まで

PRE DEBUT DANCEからスタートしたWILD BLUEのSHOWCASE。図らずも目を惹かれるムービーから公演は幕を開け、待ちに待った5人のメンバーが壇上に現れる。

一人ひとりの尊い存在を強調するような、白いレーザービームやスモークが交差するなか、限りなく漆黒に近い青を基調とした衣装に身を包んだWILD BLUE。グループ名の由来である「無限に広がる青空」を象徴するようなオープニングムービーと、ステージ真上にたゆたう純白の幕が、そのままグループコンセプト「心の赴くままに生きる勇気を与える」を表現しているかのようだ。

最初に披露されるのは、やはり彼らのセルフタイトル『WILD BLUE』。山下の声が響き渡り、鈴、宮武颯、池田優斗、鈴川直弥の声がアンサンブルしていく。それに合わせ、客席で揺れる青のペンライトの群。彼らの姿を生で見る、今日という日を待ち侘びていたファンも多かったことだろう。期待値の高さがそのまま熱狂へと繋がるような、青い炎に似た純度の高い歓声がそこかしこで上がる。なんとも華々しい幕開けに、メンバーと観客の温度が少しずつチューニングされていくようだ。

山下の「今日一日、最高な日になりそうだと思いました。みなさん、楽しんでいきましょう!」の挨拶を経て、彼らの自己紹介も兼ねたトーク企画「WILD BLUE 巨大パネルトーク」へと移る。グループそのものはもちろん、メンバーそれぞれの関係性についても深く知ってもらうために設けられた機会だ。向かって左にグループ関連、右にメンバー個人を紐解くパネルが用意された。

あらためて、WILD BLUEの由来である「無限に広がる青空」や、グループコンセプト「心の赴くままに生きる勇気を与えるグループ」についておさらいされる。池田は「生きる希望になる、勇気になるという意味が込められています!」と初々しく紹介。「声が可愛い」と褒められ、照れながら笑う一幕も。

WILD BLUEの目指す姿である「メンバーとともに冒険したい!と思わせる存在」について、鈴川は「僕らの挑戦し続ける姿を見てもらって、親近感を持ってもらいたい。エモーショナルに、まるで昔から知ってもらっていたみたいに。そして、一緒に冒険したいです!」と等身大の言葉で解説。「どんな冒険をしたい?」と聞かれると、「やっぱり全国に行きたい!(ファンの)皆さんにもついてきてほしいです」と、少し緊張している様子で語った。

続けて1st Digital SIngle『WILD BLUE』、2nd Digital SIngle『First Light』について、鈴から説明されたのは「それぞれの曲から紐解ける、3つのキーワード」。本当の物語があり、メンバー同士の出会いと、たくさんのファンの方たちとの出会いがある。そして、みんなで一緒に冒険に出るという、グループにとって大事な門出を象徴したかけがえのない曲について言葉にした。

紐解かれる、WILD BLUEの歌やダンスとの出会い

トーク企画の話題は、WILD BLUEの5人それぞれのパーソナルな面に及ぶ。6歳のころ、近所に新しくできたダンススクールに、幼馴染に誘われ通い始めたのがダンスとの出会いだった、と語る山下。「幼馴染が(ダンスを)始めてなかったら、僕もきっかけはなかったですね。友達は即やめちゃったけど、ダンスに触れるきっかけをくれました。いまもすごく楽しんでるし。そんな幼馴染も、今日来てくれてるんですよ〜!」と、客席のどこかにいるであろう友人に、あらためて感謝の気持ちを向けた。

鈴川のダンスとの出会いは9歳。自宅でCMを見ていたのがきっかけで、母からダンスを習うことを勧められ、ブレイクダンスからキャリアをスタート。山下と同じように「ありがとう、お母さん!」と感謝の意を示す。池田から「今日、謙虚だねえ〜」と言われると「いつもだよ!」とすかさず突っ込むところを見ると、5人中4人が関西出身であるグループの特色が垣間見える。せっかくの機会に、当時習っていたブレイクダンスの一部を披露する鈴川に、拍手が飛んだ。

鈴は9歳のころ、大阪城ホールに立ち、とあるグループのバックダンサーを務めた。その経験をきっかけに「バックではなく、いつかメインでステージに立ってみたい」と夢を抱いたそう。「もうすでに、大阪城でデビューしてるってことだ!」と言われると、なぜか小声で「そうですね」と囁き、メンバーの笑いを誘った。ダンスの魅力について聞かれたくだりで「アドレナリンが出るとか?」と言われると「今日はすごいですね、アドレナリンが」と返す。どんどんはだけていく衣装の胸元を「見ないでください〜!」と抑える姿に、会場が「かわいい〜!」と沸き立つ場面も。

宮武は、ダンスにまつわる圧倒的な思い出として、高校最後の文化祭を挙げた。「それまで歌とダンスは好きだったけど本格的にはやっていなくて。自宅で歌っても『騒音やめて〜!』って言われたり。でも3年生のときにどうしてもやりたいと思って、僕を含めて素人たちを集めてグループをつくったんです。それでK-POPの番組に出ることになって。そのときは自信満々でしたね、そこから壁に当たることになるんですけど」と当時を述懐した宮武は、18歳なんて最近のことだね、と言われるたびに独特の間をつくり、メンバーから突っ込みを受けた。

池田も幼少期から歌とダンスが好きで、アーティストに漠然とした憧れがあった。年齢を重ねるごとに、憧れが夢へと形を変えていくことを実感し、近所のダンススクールに通い始めたのが2年前のこと。「レッスン以外の時間は、ひたすら家でアイソレーションってやつをやってました。みなさん、わかりますか?」と客席に問いかけながら、首だけを真横にテンポよく動かすダンスをして見せる。それを見た宮武が「家で『食器運んで〜』って頼まれたら、こうやって」と言いながら、なめらかにアイソレーションを被せた。

5人は「前からすでに出会ってた」?

メンバー同士の関係性についても深掘りされた。山下と鈴川は、中高と同じダンス部出身で、元は先輩・後輩の間柄。山下は「ある日、普通に過ごしてたら直弥から『ダンスバトルに出ませんか?』って誘われて。最初はお断りしたんですよ。でもそれが1ヶ月ごとに開催されるバトルだったので、1ヶ月後ならいいよ、と伝えたら大喜びしてました」と当時の鈴川とのやりとりを明かす。

「直弥は、僕のダンスの良い点を引き出してくれる。それがドツボにハマって、先輩・後輩の垣根を越えて、ダンス仲間から親友になり、いまではこうやって一緒のグループでパフォーマンスができています」と、まさにエモーショナルな二人の歴史を言葉にしてくれた。お互いに無言で指を差し合う山下と鈴川の表情からは、つらい練習も乗り越えてきた絆の強固さを感じさせる。

その後も次々とメンバー間の繋がりが明かされる。山下は宮武とも繋がりがあり、二人は2020年に韓国の事務所に在籍する練習生として出会っていた。「韓国の事務所にスカウトされて、トコトコと歩いて韓国に行って。筋肉痛で足パンパンになりながら着いたら颯がいて、右も左も分からない状態だったのを、いろいろ教えてくれました」と山下。宮武は当時の山下を「ダンスを楽しそうに踊る、魅力的な子だな〜と思ってました。でも一瞬で別れることになっちゃって……。こうやってまた出会えたのが嬉しいです」と称する。

同じく韓国で、鈴と鈴川の“鈴鈴コンビ”が出会っていた。2021年、事務所の練習生として顔を合わせた二人。鈴は「お互いにダンスをやってたので、通じるところは多かったと思います。直弥は『僕なにしたらいいですかね〜』って言いながら、ずっとロック踊ってたんですよ」。それを聞いた鈴川は「めちゃくちゃ盛ってます、これは!でも、一緒にグループで活動するなんて思ってなかったから、運命だよね」と当時を思い返す。

そのほか、山下と池田は俳優として、同じドラマのオーディションを受けていた過去を明かした。山下は当時から「俳優をやってる池田優斗を推していた」とのことで、稀有な運命に感じ入ったという。池田も「こき(山下の愛称)のSNSが流れてきて、たまたま見ていたので知ってたんですよ。そして、その後ろで踊ってたのが直弥!」と鈴川に話題をふり、何かとメンバーからいじられがちな彼は「今日どれだけいじるねん!」と嘆いた。

トーク企画の締めくくりとして、2024年3月20日、WILD BLUEの5人が集結した当時の写真や、レッスンに明け暮れる最中「スタッフさんから月毎に『1ページ』と呼ばれる課題が出ていた」時期をおさめた写真、デビュー曲『WILD BLUE』を初めて耳にした瞬間の写真など、今後もWILD BLUEの歴史の突端を担う、思い出深い写真の数々が披露される。

鈴は、WILD BLUEに合流したころに山下から「好きなご飯なに?」と聞かれたのだとか。「ラーメンって答えたら、俺もラーメン好きやねん〜!って言われました」と微笑ましいやりとりに客席の空気も緩む。『WILD BLUE』を聴いた当時を思い返した山下は「俺はすごい実感なかったですね、まだ。この曲をパフォーマンスして、ファンの人に届けるんだっていう(実感がまだ)……」と、どこか夢見ごこちに言葉にした。

撮影OKの『Bubbles』で熱が最高潮に

トーク企画が一段落、続けて『Bubbles』と『First Light』のパフォーマンスへ。鈴の「みんな立っちゃおうか!」の掛け声に導かれ、くわえて『Bubbles』のみスマホで撮影OKの大盤振る舞いに客席が沸く。

飛んで跳ねて軽やかに、まさに泡のように身軽に歌って踊る5人の姿は、この時間や空間そのものが泡沫のように弾けて消える、ほんの短い時間であることを予感させているようにも思えた。

ファン一人ひとりが、いま生で目の前にいる彼らを繋ぎ止めるのに必死だ。「大切にしよう」と互いの視線を重ね合わせながら歌う5人は、繰り返し再生してきたMVからそのまま飛び出してきたかのよう。どこまでもリアルなのに、現実感がない。

夢の狭間にいたかのような『Bubbles』から『First Light』へ、暗転したステージでライトが明滅し、雰囲気ごと様変わりするのを見せつけられる。すでに出会っていた、運命で繋がった5人が、青と緑のライトが彩る幻想的なステージを掌握しながら、心の随まで融合させるダンスで会場を魅了。確実に、ここから始まる冒険への一歩が踏み出されるのを感じる。

2曲通しての披露にメンバーたちの熱も上がったのか、山下は「Bubbles楽しいね、一体感があるというか」と語る横で、宮武が息を弾ませながら上着を脱ぐ。「SNSで、俺たちの最初のTGCの衣装、デニムジャケットを作って踊ってくれてるの、めっちゃ見てる」と山下が続けると、鈴川も「見た!俺の写真を参考にしてくれてるやつやんな?」と追従し、池田が客席に向け「ちゃんと見えてるよ〜!」と手を振りながら語りかけた。

WILD BLUEに100の質問!

二つ目のトーク企画は『WILD BLUE100の質問』。事前にWILD BLUEに答えてもらった100の質問の答えから、4つを抜粋。最初の質問は「メンバーの中で一番涙もろいのは?」で、メンバー全員が「直弥」と一致。鈴川自身も「自分」と回答するほど、自他ともに認める泣き上戸のよう。鈴川は「なんか泣かなきゃいけないみたいな、俳優さんみたいな緊張が……。感動系の映画とか観たらすぐに泣いちゃいます。今日も、裏でこきが泣いてるの見て、やばかったです。耐えました」と、さらりと山下が開演前に泣いていたことを暴露した。

次の質問は「心と体が入れ替わるとしたらメンバーの誰と?」。回答は宮武と鈴に集中した。鈴は「颯と。お兄ちゃんやし、颯は決断力がすごいんですよ」と19歳らしい憧れを開示。同じく宮武と回答した池田は「颯、髪型を結構頻繁に変えるっっちゃ変えるじゃん。入れ替わって、めちゃくちゃ変な髪型にして、そのまま戻したい」とお茶目なイタズラ心を見せた。ちなみに宮武はこの日のために、ストレートにしてカットもしてきたのだとか。

山下は鈴と回答。「ギャップが好きなんですよ、陽向の。見た目はシュッとしてるのにふわふわしてて」と言うと、それを受けた鈴が「こきもふわふわしてるよ〜」と応酬。客席からも「してる〜!」と聞こえ、山下は「(僕の回答を)幸輝に変えてください」と笑顔で観念した。

3つ目の質問「自分の弱点は?」に対し、鈴は「顔が赤くなること」。池田は「虫」と回答し、「お家が汚いとかじゃなくて、夏場にGが出たんですよ。本当にマジで無理で。2時間くらい格闘してたの。地元が埼玉なんですけど、メンバーは関西だからすぐに帰れないじゃん。地元に帰りました。マジでやばかったんですよ」と繰り返したのに対し、山下が「Gが地元に帰ったってこと?」とボケ。池田は「だったら助かるんだけど〜!」と項垂れた。

宮武の弱点は「高所と海」。「WILD BLUEのMVをよく見たらわかるんですけど、僕はずっと後ろにいます。海がちょっと怖くて……」と意外な一面が見える。山下は「押しに弱い」、続けて鈴川が「せっかち」とそれぞれの弱点を分析した。鈴川は「曲作りをしているときの、データを書き出す時間がいや! (早く書き出してくれるように)PCにお願いしちゃう」のだとか。

客席も交えて『Bubbles』の一節を踊り、TikTokにおさめるためメンバーによる振り付けのレクチャータイムも。宮武は「最後に手を伸ばしたらできたことになるんで!」と言うが、池田は「サボっちゃダメだよ!みんなのこと、見てるからね!」と激励し、メンバーからは「ゆとハラだ、ゆとハラ!」と揶揄される一幕も。

歌やダンスはもちろん、WILD BLUEというグループのことを知りつつ、ファンとの距離が近い双方向的な企画も盛りだくさんのDEBUT SHOWCASE。グループの門出を祝福するに相応しい、最後の質問は「WILD BLUEとしての将来の夢は?」。山下を含め、ほとんどのメンバーが「ドームツアー」と回答。「ドームに来てくれる〜?」とファンに向かって問いかけると、当然だろうと言わんばかりの強さで「行く〜〜〜!」とレスポンスが。堂々たる出航を遂げた彼らが、ドームを満員にする日も近いと思わせてくれる圧をともなっていた。

ファンネーム『STARRY』に決定!

本公演では、待ちに待ったWILD BLUEのファンネームが解禁に。「800件以上の応募があり、しっかり見させていただきました」と宮武が応募数に触れ、「ファンネームと、その意味と、応援メッセージと」がたくさん届いたことを山下が、追うように池田が「愛がすごくて。見ていて嬉しかったです」と口にする。

山下から発表されたWILD BLUEのファンネームは『STARRY』。意味は「果てしなく輝く星」だ。どこまでも広がる空、その中でずっと果てしなく輝きを放つ星のように、どんな時でもお互いを支え合い、輝きあう存在であるという意味が込められている。「終わりのない絆を紡いでいけますように」と言う山下は、やっと発表できた安心からか、胸に手を当て感慨深そうに頷いていた。

続けて、2025年4月から5月にかけ、全国5都市をまわるツアーの開催も決定。『WILD BLUE LIVE TOUR 2025[The First Light]』と題されたツアーのファンクラブ先行受付は11月11日からスタートしており、畳み掛けるようにスタイルブックの発売やコラボVポイントカードの発行開始についてもアナウンスされる。

船出は、いつか終わる。駆け抜けるように過ぎ去っていく時間を名残惜しむようにステージが暗転し、聞こえてきたのは誰にとっても馴染み深いハッピーバースデーソング。ともに11月が誕生日の山下と鈴を祝って、サプライズのケーキが運び込まれた。一緒に肩を組み、観客の掛け声に合わせてローソクの炎を吹き消す二人。嬉しさのあまり踊り出す鈴に、メンバー全員がつられて踊り出す。鈴は「衝撃です、こんなに可愛いケーキが二つも! これ毎年もらう感じかな?」とニコニコしながら、早くも来年への期待を覗かせた。

いつまでも、噛み締めるように観客からの「おめでとう!」に耳を傾け続ける山下。グループカラーであり、ペンライトの色でもある青に「内側から燃え上がる炎という感じで、うちららしいなって(思います)。帰りたくないですけども、最後にメンバーからご挨拶をしましょうか」とリーダーらしく音頭をとる。

アンコールで未発表曲、最後まで心はWILD BLUE

鈴は「今日は地方からも来てくださったり、近くに住んでる方もいらっしゃると思うんですけど、来ていただきありがとうございます。今日のために全員が頑張ってきたので、この日を迎えることができて心から嬉しいです。誕生日のサプライズもあって、たくさんの愛を届けてもらって。なんか泣きそう……。僕らはこれからスタートするので、たくさん僕たちについてきてください!STARRYのみなさん!」と挨拶。観客に「STARRY」と呼びかけられることを、人一倍喜んでいるように見える。

客席を見回しながら、手を振りながら、「今日という日に僕らのSHOWCASEを選んでくださって、ありがとうございます」と切り出したのは池田。「毎日のように練習して、その間もリアクションとかが見れずに、想像だけでやってきました。『喜んでくれるかな?』とか。各々不安があって、そして今日がきて。STARRYのみなさんの楽しんでる様子とか見て、安心しました。これからもアーティストとして日々精進して、ドームツアーとか世界とか、皆さんが見たこともない景色を僕たち絶対に見させるので。たくさん応援してくださると嬉しいです。本日は本当にありがとうございました!」と締めた。

泣き上戸であると明かした鈴川の挨拶には、やはり最初から水分が多かった。しかし「メンバーとも色々ありまして。やっとこの舞台に立てて、STARRYのみんなに会えて本当に嬉しいし、パフォーマンスもできて幸せです。見に来てくれた家族も友達もありがとう! 全員見えました。愛をいっぱいいただいてるなって思います。アーティストとして、音楽家として成長するので、絶対についてきてほしいです。いや、ついていきたいって思えるようなアーティストに、絶対なります。ありがとうございました!」と力強く、最後まで涙をこぼすことなく言い終えた。

「なんで僕たちがステージに立ててるかって、皆さんが来てくれて、僕たちを見てくれるからであって」と切り出したのは宮武。「ファンネームの通り、お互いが向き合ってるから、こんな良い時間を一緒に過ごせるので。まず、ありがとうですね。メンバーも、ありがとね。そんなに言っても恥ずかしいから……。STARRY、愛してるぜ!」と、普段は安売りしない愛情を、ここぞと放出した。

最後はリーダー・山下の挨拶。「本当に僕らにとって、ふさわしい旅の始まりだったなって思います。それはSTARRYのおかげです」と、WILD BLUEとしての自己紹介であり、門出にもなった今日を振り返ることから始めた。

「みんながいてくれて、俺はめっちゃ嬉しいです。これは自分事になってしまうんですけど、俳優活動も並行してやってて。アーティストをやりたいって、スタッフさん、マネージャーさん、事務所の方に強い思いをぶつけて。それからいま隣にいる、同じ夢を持ったメンバー4人が集まってくれて。一緒に一日ずつ過ごしていくうえで、これがアーティストなんだ、これがグループなんだって噛み締める毎日で。幸せな日々を過ごしてました、いまも楽しいです」と一言ずつ、慎重に言葉を選びながら語る山下を見ながら、その真剣さに引き寄せられるように少しずつ、客席の集中が高まっていく。

「最初はいろんな声がありました。グループか、とか、俳優のほうが、とか」と続ける山下の声に涙が滲む。その堪えきれなさには、言葉にした以上の悔しさや無念な思いが含まれているのだろう。「めちゃくちゃ悔しくて。そのときに、目の前にいたのがメンバーで。夢中になって歌って踊ってるメンバーを見て『俺はこれがやりたいんだ』ってあらためて思いました。みんなの顔を見て、この5人で皆さんに、そして世界に、俺らの音楽を届けたいと思いました。それが、今日また再確認できた。僕らのDEBUT SHOWCASEに来てくれたSTARRYの顔を見て、再確認できました。本当にありがとうございます」……ここまで語った山下の手は、自然と胸元にあてがわれていた。

「いま、めっちゃ幸せだってことを伝えたいです。これから5人で、WILD BLUEで、僕らの音楽を絶対に届けるんで、ついてきてくれたら嬉しいです」と締め括られた挨拶に続き、この日最後にパフォーマンスされたのは未発表曲である『Our Magic』。その後のアンコールでも『君がいたから』と題された未発表曲が披露された。

赤、淡い黄色、暖色系のライトが連綿と移り変わっていくなかで、時計の針の動きを模したような振り付けが映える。山下が「ちょっと大人でムーディーな、WILD BLUEにしては珍しい曲」と前置きしたように、この冬、クリスマスの雰囲気にマッチした、煌びやかでクラシカルな一曲に仕上がっている。贅沢に光がまぶされたような歌声とダンスに、最後の最後までSTARRYは酔いしれた。

今日が、この時間が、泡沫の夢で終わってしまうのが惜しい。そんな名残を惜しむように自然発生する、アンコールを求める声。導かれるように再登場したメンバーたちは、本公演のライブグッズを身につけている。ワンコーラスだけ、5本のスタンドマイクとともに歌われた『君がいたから』は、5人の天空を突き抜けるような高く透明な声が混じり合い、「あの日よりも、今日の傷を愛せるようになった」ことを、手を取り合って喜べるような慈愛に満ちたバラードだった。

「もう怖くない」と繰り返し歌うWILD BLUEは、最後にはスタンドからマイクを外して手に持ち、ステージ全面まで進んでSTARRYとの別れを惜しむ。これからの未来、毎年11月11日は、WILD BLUEの冒険が始まった記念日として、濃い歴史を積み重ねていくことになるだろう。今日にしか味わえない時間、そして感情を胸に、長く続く冒険の旅が始まった。

何があるかわからない。正解も答えもない世の中だ。それでも、広がる空と輝く星は時代を超えて不変である。「ありがとうございました!」と伝えきれない感謝を何度も届けてくれる彼らがいれば、空は広がり続け、星は輝き続ける。そう信じられる夜だった。

©︎YK MUSIC ENTERTAINMENT

「WILD BLUE DEBUT SHOWCASE [The First Light]」セットリスト

♩PRE DEBUT DANCE
♩WILD BLUE (1st Digital Single)
〜トーク1〜
♩Bubbles (3rd Digital Single)
♩First Light (2nd Digital Single)
〜トーク2〜
♩Our Magic
-ENCORE-
♩君がいたから

(文:北村有)

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