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櫻井海音&齊藤なぎさ『【推しの子】』実写に挑むプレッシャーを支えた”原作愛”

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インタビュー

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左から)齊藤なぎさ、櫻井海音 (撮影/小川遼)

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伝説的アイドル・アイを襲ったセンセーショナルな事件を軸に展開する物語が、熱狂とうねりを生んだ原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの「【推しの子】」がドラマ&映画化。2024年11月28日(木)21時より、Prime Videoにてドラマシリーズが世界独占配信、12月20日(金)より、その続きとなる映画が公開される。アイの双子の子どもとして転生した兄・アクアを櫻井海音、妹・ルビーを齊藤なぎさが務めた。国内外にファンが伝播し続ける本作の実写において、プレッシャーもあったであろう二人は何によって支えられていたのか?

大好きな作品だからこそ、自分が演じたい

ーー大人気作品「【推しの子】」のドラマ&映画化は、国内外で話題になっています。あらためて、それぞれの役のオファーを受けたときの気持ちや、プレッシャーにどう向き合ったかを教えてください。

櫻井海音(以下、櫻井) 僕たちキャストだけではなく、この作品に携わっているスタッフの方たち全員が、原作「【推しの子】」に対する愛とリスペクトを持っていたのが、現場にいて感じられました。だからこそ、僕もしっかり作品やアクアという役に向き合えたんだと思います。

もちろん、プレッシャーはありました。でもそれよりも、自分の好きな『【推しの子】』だからこそ演じたい、ほかの人にアクアをやってほしくないという思いが、真っ先に出てきたんです。原作愛や作品の世界観を、どうやって実写に落とし込むか。生身の人間が演じたら、どんなふうに映るのか。客観的な視点を持ちながら、チーム一丸となって模索していました。

齊藤なぎさ(以下、齊藤) 私もプレッシャーはありました。でも私自身、ルビーちゃんと自分って似てるなって思う部分があるし、ファンの方からも「ルビーちゃん、やってほしい!」っていう声をもらっていたので、お話をいただいたときはすごく嬉しかったです。

原作ファンの方もたくさんいらっしゃるので、世界観を大切に表現するためにも、少しでも忠実にルビーちゃんになれるように、原作の漫画やアニメをたくさん観ました。

ーー実際に本編を観て、お二人はもちろんスタッフの方の原作愛も感じました。最初に原作を読んで、どう思われましたか?

齊藤 「【推しの子】」は、芸能界の裏表がすごく繊細に描かれた作品だと思います。私がすごく引き込まれたのは、(黒川)あかねちゃんが誹謗中傷を受けてしまうシーンです。自分自身と重なるところが多くて。あとは(天童寺)さりなちゃんとして生きていたころからずっとアイドルになるのを夢見ていたルビーちゃんにも、共感します。私もずっと、昔からアイドルになりたかったから。

ルビーちゃんを演じるにあたって、本当にたくさん研究したんです。彼女には天真爛漫な面と、 周りのみんなを巻き込んでいくような元気さがあって、身振り手振りも大きい子。「ルビーちゃんはどういう子なんだろう?」と一から分析するつもりで、あらためて原作と向き合いました。

櫻井 僕も最初に原作を読んだとき、実際に芸能界にいる人たちから見てもリアリティのある、裏の裏にまで切り込んだ内容を、嘘のないエンターテイメントに丁寧に仕上げているのがすごい、と感じました。この作品の魅力を一言で表すのは難しいですけど、サスペンス性もありますし、いま読んでおくべき作品だなと思っていましたね。

アクアというキャラクターを作り込むために、彼の声色やビジュアルも含め、監督と話し合いながら細やかなところまで突き詰めていきました。シーン一つひとつに対して、そのときのアクアはどんな立ち方をしているのか、それとも座っているのか、どんな表情をしているのかも確認しながら。

ーー今回のドラマ&映画化にあたり、原作・原案の赤坂アカ先生ともお話されたんですよね。

齊藤 みんなで一緒にお話させていただきました。本当に優しい方で、実写についても「気負わなくていいよ、あんまり気にしすぎないで」って声をかけてくださって。

櫻井 みんなガチガチに緊張して立ち尽くしてましたけど、きっと先生ご本人も、僕たちにプレッシャーを与えないようにしてくださったんだと思います。

僕は「骨格がアクアに似てる」って言われました。それを聞いて、ますますやるしかない、と思いましたね。

櫻井海音は「いじりやすかった」?

ーーお互いの初対面の印象と、撮影が続くにつれ知っていった意外な一面はありますか?

櫻井 最初に会ったのは……衣装合わせのときだっけ?

齊藤 たしか、読み合わせのときじゃない?

櫻井 あ、そうだっけ? でも最初はお互いに探り探りで、あまり話さなかったよね。撮影が進むにつれ、ルビーそのまんまの雰囲気で明るい子なんだってわかって。現場でも常に明るくいてくれたので、すごくありがたかったです。

齊藤 初対面の櫻井さんはクールで、どんな人なのかぜんぜんつかめないミステリアスな感じで、仲良くなれるかな!? と思ってました(笑)。でも現場に入ってみたら、話しやすいし、いじりやすいし、みんなを引っ張ってくれる頼りがいのある人で。初対面からガラッと印象が変わりました。あと一生、焼き鳥を布教されます。おじさんみたい(笑)。

櫻井 たしかに僕ずっといじられてたよね、みんなから、おじさんだ! って(笑)。

齊藤 なんかおかしなことを言ったりする櫻井さんを、みんなでいじって(笑)。でも嬉しがってたよね? 私たちも楽しいし、櫻井さんも喜んでるから、ウィンウィンな関係! 同世代の子が多い現場だったけど、みんな落ち着いていて、でもやるときはやるし、遊ぶときは遊ぶ! みたいなメリハリのある空気感が、私はすごく好きでした。素敵な人たちばかりで、精神的に大変な場面も多かったけど、みんなのおかげで撮影を乗り越えられたな、と思います。

演じてみて、あらためて痛感した双子の魅力

ーー精神的に大変な場面も多かったそうですが、とくにお二人が力を入れて演じられたシーンはありますか?

齊藤 一つひとつが大変なシーンだったんですけど、やっぱりシリアスなシーンは体力も使うし、ルビーちゃんは感情が豊かで涙を流す場面も多かったので、気持ちを持っていくのが大変なときもありました。

櫻井 アクアとルビー、二人だけのシーンって意外とないんですよね。ルビーはアイドルグループ・B小町としての活動があって、アクアは俳優としての活動があったので。

齊藤 たしかに、二人っきりってあんまりなかったね。

櫻井 特に映画では、大変であり、かつ達成感のあるシーンがたくさん詰め込まれているので、そういうところも楽しみに観てほしいなと思っています。

ーー実際にアクアとルビーを演じてみて、この二人の魅力ってどんなところにあると思われましたか?

齊藤 ルビーちゃんは明るくて天真爛漫だけど、さりなちゃんとして生きていたころに感じていた、いろいろなものが隠された爛漫さなんですよね。物語が進んでいくにつれて、彼女の二面性も垣間見えた気がします。でも基本的にはアイドルが好きで、とくにアイのことが大好きっていう芯の通った女の子。アクアに対してもちゃんと言いたいことを言う素直さもあるし、可愛らしい子だなと思います。

櫻井 アクアを一言で表すなら「執着心」ですかね。目的に向かって真っ直ぐに、一人で一直線に進んでいく。それは欠点でもあるかもしれないけれど、僕自身にも近いものがあると感じていました。ただクールに、淡々と喋って、生きている。そんなある種のシンプルさを体現できたらいいな、と思いながら演じていました。

櫻井&齊藤のファンを飽きさせないためのモットー

ーーアイの印象的なセリフ「アイドルにとって、嘘はとびきりの愛なんだ」にちなんで、お二人の「ファンを楽しませるためのモットー」を教えてください。

齊藤 アイドルだったときから変わってないんですけど、私はファンの皆さんを恋人だと思ってるんです。大好きだし、愛してる。これまで握手会、お話会、ライブを欠席したことがないのも、ファンの皆さんが私のために使ってくれた時間を私も大切にしたいと思ったから。だから、私のモットーは「ファンの皆さんの時間を大切にすること」「そのために欠席や遅刻をしないこと」の二つです。

ーープロ意識がすごいですね。

齊藤 アイドル時代はとくにストイックで、プロ意識がすごく高かったな、と自分でも思います。いろいろなことを考えながらアイドルをやってましたね。

ーーそんな齊藤さんだからこそファンの方に愛されているし、ルビーという役もぴったり似合っているんだと思います。櫻井さんのモットーも聞かせてください。

櫻井 僕は、なるべくありのままの自分でいるようにしています。求められるものに応えようとしたり、必要以上にカッコつけようとしたりもしない。ただ、自分が出ている作品を観て心を動かしてほしいし、生き様を見てもらいたいと思っています。今回の『【推しの子】』でも主演をさせてもらっているので、挑戦している姿を見て、応援したいと思ってもらえたら嬉しいです。

ーー言葉で語らず、背中で見せる、という姿勢なんですね。『【推しの子】』は芸能界の裏表を切り取った作品ですが、お二人がこれまでのお仕事で悩んだりつらかったりしたとき、どうやって乗り越えてきましたか?

齊藤 この世界に入ってからずっと大変だった気がするんですけど、ようやく最近、自分らしくいられるようになった気がします。アイドルたるもの、こうじゃなきゃいけないって悩むことも多くて。いまもそうですけど、ファンの方の言葉を見逃したくないから、ずっとSNSでエゴサしてるんですよ。だから、いろいろな言葉を目にしてしまうこともあって。

でも、支えてくださるファンの方はもちろん、家族やお友達のおかげでここまで来られたな、って思います。このお仕事って、メンタルが強くないとできないし、私はずっと弱いままだけど……でも、周りの人のおかげで少しずつ自分らしくがんばれるようになりました。

櫻井 僕は、あんまり「これをやっていてつらい」と感じることがないんですよね。でもそれは、アクアみたいに、常に自分自身を鼓舞してくれる原動力みたいなものがあるから。決して人には見せられない根本的な部分に、僕はずっと執着しているんだと思います。そのおかげでこのお仕事に向き合えているので、これまであまり苦しかったことはありません。

アイドルの裏も表も描いている『【推しの子】』

ーーアイドルや俳優を目指している方へ、お二人から応援の言葉をいただけますか?

齊藤 アイドルに限らず、どのお仕事も大変だと思うんですけど、アイドルは「みんなにとっての理想の存在」でいなければならないからこその大変さもあると思います。私はアイドルっていうお仕事が大好きだったから乗り越えられたので、同じようにアイドルが大好きで、自分もなりたい! って心から思えているなら、乗り越えられると思います!応援しています!

櫻井 こればっかりは、運の要素もあると思いますし、なんとも言葉にしにくいんですけど……。でも『【推しの子】』には、芸能界を目指している人たちや、実際に業界でがんばっている人たちの熱意やつらさも描かれているので、この作品を観てくださったら、本当に自分のやりたいことなのかどうかが見えてくるはずです。

齊藤 アイドルって、やっぱりすごく魅力があると思うんです。「アイドル=崇拝」っていう意味があるし、言葉では表しきれない、吸い込まれるような何かがある。『【推しの子】』はアイドルを含めた、芸能界のキラキラした面以外も描いている繊細な作品なので、原作はもちろん本作も観てもらえると、いろいろ衝撃だと思います。

櫻井 本当にいろいろな要素が詰まっている物語です。パワーがあるし、自然と引き込まれるおもしろさがある。愛されるキャラクターとストーリーを通して、あらためて『【推しの子】』の魅力を知ってほしいです。


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ドラマシリーズ『【推しの子】』

2024年11月28日(木)21:00よりPrime Videoにて世界独占配信開始

11月28日(木) 21:00 第1話~第6話
12月5日(木) 21:00 第7話~第8話
※作品の視聴には会員登録が必要です。(Amazon プライムについて詳しくは amazon.co.jp/prime へ)
映画『【推しの子】-The Final Act-』:2024年12月20日(金)より東映配給にて全国公開

出演:櫻井海音 齋藤飛鳥 齊藤なぎさ 原菜乃華 茅島みずき あの
監督:スミス、松本花奈
脚本:北川亜矢子

©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会


撮影/小川遼、取材/藤坂美樹、構成/北村有
ヘアメイク/(櫻井海音)高草木剛(VANITÉS)、吉沢実希 (齊藤なぎさ)夢月(Three PEACE)、
スタイリング/(櫻井海音)藤井晶子(齊藤なぎさ)佐藤奈津美

衣装クレジット/(櫻井海音)ジャケット ¥99,000、パンツ¥77,000/CINOH(MOULD)
シャツ ¥31,900/Wizzard(TEENY RANCH)
シューズ¥33,000/CAMPER(カンペールジャパン)
その他/私物
(齊藤なぎさ)ワンピース¥12,100/ダズリン(マークスタイラー︎ 03-5447-6590)
リング¥127,600/イー・エム(イー・エム アオヤマ︎ 03-6712-6797)
シューズ¥8,910/ランダ(ランダ︎ 06-6451-1248)

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