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大編成に息づくアルゼンチンタンゴ黄金時代の魅力。小松亮太&オルケスタ・ティピカ 豊中公演

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小松亮太(バンドネオン)

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取材/文:逢坂聖也

バンドネオン奏者の小松亮太が12月20日(金)、豊中市立文化芸術センターで、オルケスタ・ティピカと呼ばれる大編成のタンゴ・オーケストラを率いたコンサートを行う。オルケスタ・ティピカとは標準編成のオーケストラという意味。1998年のデビュー以来さまざまな楽器編成や多くのアーティストとの共演によってタンゴの魅力を伝えてきた小松が現在、最も情熱を注ぐ演奏形態でもある。

「オルケスタ・ティピカはアルゼンチンタンゴの全盛期を象徴する編成です。第ニ次世界大戦当時、アルゼンチンは農業の輸出で莫大な利益を上げていて、1940年代から55年頃にかけて音楽のためにいくらでもお金を使えるという贅沢な時代があった。バンドネオンが3~4人、ヴァイオリンが3人以上、ヴィオラ、チェロが入ることもある。そしてピアノ、コントラバス。こんな大編成を標準と呼ぶのはそのためなんです」。公演に先駆けて豊中を訪れた小松亮太はそのように語った。タンゴの歴史を飾る数多くの演奏家がオルケスタ・ティピカで名演を残している。だが近年では経済の後退や演奏者のソロ志向が強まったことなどによりバンド演奏が主流となり、この編成は本場アルゼンチンでも少なくなったという。今回はそんな往時のタンゴの輝きを今に伝えるコンサート。「オルケスタ・ティピカには保守本流のタンゴの魅力が息づいている」。小松はそう力を込める。

小松亮太&オルケスタ・ティピカ photo:Motoki UEMURA(JSPS)

アルゼンチンの首都、ブエノスアイレス。世界中から移民を受け入れたこの町で、彼らの手によって生まれたのがタンゴだ。その歴史の中でタンゴはクラシックやジャズまでも呑み込み、独自の音楽を形成して来た。このクロスオーバーな雑食性がタンゴの本質だと小松は続ける。ゲストに迎えるのは2011年、13年と小松が音楽監督を務めたミュージカル『ロコへのバラード』に主演した宝塚歌劇団出身の彩吹真央。陰影豊かな彼女の歌をまじえて贈る、アルゼンチンタンゴの黄金時代へと誘うステージだ。「オルケスタ・ティピカは郷愁だけではない、タンゴの伝統に直結する編成。世界でも稀なこの編成でのコンサートを、ぜひ多くのお客さまにお聴きいただきたいと願っています」。

<公演情報>
小松亮太デビュー25周年記念『小松亮太&オルケスタ・ティピカ with 彩吹真央』
日時:12月20日(金) 18:30
会場:豊中市立文化芸術センター 大ホール
出演:小松亮太&オルケスタ・ティピカ
ゲスト:彩吹真央

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2424214

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